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編集部記事

体中どこにでもできる可能性がある“粉瘤”って?〜皮膚の垢や脂が溜まってできる良性の腫瘍〜

体中どこにでもできる可能性がある“粉瘤”って?〜皮膚の垢や脂が溜まってできる良性の腫瘍〜
花房 火月 先生

はなふさ皮膚科 理事長

花房 火月 先生

小川 晋司 先生

はなふさ皮膚科大宮院 院長

小川 晋司 先生

目次
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粉瘤(は皮膚にできる良性の腫瘍しゅようのことで、“アテローム”や“アテローマ”などと呼ばれることもあります。粉瘤そのものに痛みの症状は現れないことが一般的ですが、感染を起こすと痛みが生じるため、手術によって腫瘍を摘出することが検討されます。また、粉瘤と見た目が似ている病気があり、それぞれで適切な治療が異なります。

そのため、気になる症状がある場合は受診をして医師による診断を受けることが大切です。本記事では粉瘤とはどのようなものなのかを詳しく解説します。

粉瘤(とは、皮膚の下に生じた袋状の嚢腫(のうしゅ)に皮膚の垢や脂が溜まってできた良性の腫瘍です。粉瘤は悪性化することはほとんどありませんが、ごくまれに中高年の男性の臀部(でんぶ)に生じた粉瘤が悪性化することが報告されています。

また、粉瘤には表皮嚢腫、外毛根鞘嚢腫、多発性毛包嚢腫などがあり、種類によって特徴が異なる場合があります。

  • 表皮嚢腫……もっとも頻度の高い粉瘤です。毛穴の皮膚がめくれかえることにより袋状の嚢腫が生じ、そこに皮膚の垢や脂が溜まります。
  • 外毛根鞘嚢腫……頭部に生じる頻度の高い粉瘤です。表皮嚢腫よりも手触りが硬いといわれます。
  • 多発性毛包嚢腫……粉瘤が複数生じる病気です。主に腕や首、(わき)などに好発します。

粉瘤は体中どこにでもできる可能性がありますが、特に顔や首、背中、耳の後ろなどによく見られます。また、1つだけ発生する方もいれば複数発生する方もいます。

多発性毛包嚢腫の場合には、腋や胸、首、背中、腕などに数個~30個程度生じることもあります。

粉瘤は発生する原因が分からないことが一般的です。

しかし、表皮嚢腫の場合は打撲や傷、ニキビなどの後に皮膚の一番外側の細胞が皮膚の中に入り込んでしまい、嚢腫を形成することがあると考えられています。

粉瘤は半球状に盛り上がった腫瘍です。大きさは数mm~数cmに及び、時間の経過とともに大きくなることが一般的ですが、まれに大きくならずに自然に消えていくこともあります。

腫瘍の状態はさまざまで、触ると周囲の皮膚よりやや硬く、中心部に黒っぽい開口部が見られるものもあれば、腫瘍を指などで圧迫すると、開口部から匂いを伴う粘度のある内容物が出てくるものもあります。

粉瘤そのものは痛みを伴わない腫瘍ですが、外部からの刺激などによって感染を引き起こすと赤く腫れて痛みを伴うことがあり、これを“炎症性粉瘤”といいます。

炎症性粉瘤では腫瘍の中にが溜まるため、膿瘍(のうよう)が破けて膿が外に出たり、脂肪組織内に膿が散らばることで膿皮症*が生じたりすることがあるほか、腫瘍が大きい場合、炎症に伴って発熱が生じることもあります。

*膿皮症:皮膚が細菌感染を起こすことにより、赤みや排膿などが生じる病気。

粉瘤と見た目が似ている病気があり、それぞれで治療が異なります。そのため自己判断せずに、気になる腫瘍がある場合は病院の受診を検討しましょう。特に内容物を出そうと強く圧迫してしまうと、感染や皮症の原因となることもあるため、むやみに触らず病院を受診しましょう。

粉瘤に似ている病気には、以下のようなものが挙げられます。

粉瘤の治療では炎症が生じている場合と、いない場合で異なります。以下では、それぞれの治療法についてお伝えします。

まずは切開によってを外に出し、抗菌薬や抗炎症剤などの薬物療法で炎症を沈静化してから、後日手術治療を検討します。炎症が生じていた場合は鎮静後の手術治療も入院が必要になることが一般的です。

手術によって腫瘍を摘出します。腫瘍全体を取り除く“切除法”と嚢腫部分を最小限取り除く“くり抜き法(へそ抜き法)”があり、腫瘍の大きさや部位などのよって治療方法が選択されます。手術は腫瘍が大きくなければ日帰りで行うことが可能です。

ただし、粉瘤は良性腫瘍なので、手術をせず様子を見る選択をすることも可能ですが、腫瘍が大きい場合には炎症を予防する目的で手術がすすめられることもあります。

粉瘤は炎症が生じていなければ治療をしなくてもよいと考えられていますが、炎症を引き起こすと治療が複雑になるため、事前に手術治療を行う方もいます。また、皮膚にできる腫瘍はほかの病気と区別することが難しいため、気になる腫瘍が生じたときには自己判断せずに皮膚科や形成外科を受診することを検討しましょう。

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