新型コロナウイルス感染症特設サイトはこちら
編集部記事

粉瘤は手術で切除する必要があるの?〜患者の希望や、腫れや痛みが現れている場合などに手術が検討される〜

粉瘤は手術で切除する必要があるの?〜患者の希望や、腫れや痛みが現れている場合などに手術が検討される〜
花房 火月 先生

はなふさ皮膚科 理事長

花房 火月 先生

小川 晋司 先生

はなふさ皮膚科大宮院 院長

小川 晋司 先生

目次
項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

粉瘤(ふんりゅう)とは、皮膚の下に袋状の嚢腫(のうしゅ)が現れ、そこに皮膚の垢や脂がたまることによってできる良性の腫瘍(しゅよう)です。ほかにもアテロームやアテローマと呼ばれることもあります。

これはあくまでも良性の腫瘍のため、必ずしも治療が必要なわけではありません。しかし、ときに炎症を起こし痛みが生じたり、悪臭がしたり、ごくまれに悪性化しがんになったりすることもあるため、場合によっては手術治療が必要になることもあります。では、手術が検討されるのはどのような状況なのでしょうか。また、手術にはどんな方法があるのでしょうか。

手術治療は、患者が治療を望む場合や、すでに炎症が生じて腫れや痛みが現れている場合に検討されます。

粉瘤は放置していると、ときに野球ボールほどの大きさまで大きくなることがあるほか、炎症を引き起こし腫れや痛みを伴うこともあるため、生活に支障がある場合は医師から手術治療をすすめられることがあります。また、お尻にできた大きな粉瘤はまれに悪性化しがんになることがあるため、手術治療で切除し切り取ったものを調べることもあります。

粉瘤が細菌感染によって炎症を起こすことを“炎症性粉瘤”といいます。炎症を起こすと腫瘍が赤く腫れ、痛みが伴うこともあり、炎症を伴わない粉瘤と比較すると腫瘍周辺の状態が不明瞭なので、従来はすぐに手術をせずに、まずは炎症を抑える治療を行っていました。しかし現在では、手術の進歩により、炎症性粉瘤もくり抜き法を用い1回の手術で取り切ることが可能となっています。

ただし、炎症がものすごく強い場合や、何度も炎症を繰り返し癒着が強い場合は、従来のような治療が行われます。なお、すでに炎症が生じている粉瘤も放置していると嚢腫が破け、脂肪組織内に(うみ)をばらまいてしまう可能性があるため手術治療が検討されます。

腫瘍全体を切り取る“切除法”と、小さな切開で袋になっている嚢腫だけを切り取る“くり抜き法(へそ抜き法)”の2種類があり、腫瘍の大きさ性質、位置などから検討されます。手術のリスクは切除法でもくり抜き法でもほぼ同等と考えられおり、すでに粉瘤が炎症している場合はどちらの手術でも再発率が少し高くなるといわれています。

切除法とは、粉瘤の腫瘍全体を切り取る手術方法です。局所麻酔下で腫瘍の直径の3倍程度の長さに切開を行い、内容物を袋状の嚢腫ごと摘出します。その後、傷あとが目立ちにくくなるように工夫しながら皮膚を縫合し、数日後に抜糸を行います。

なお、切除法は腫瘍の直径とほぼ同じ位の傷あとが残るため、傷あとが目立つ部位では“くり抜き法”が検討されることが増えてきました。

くり抜き法とは、必要最小限の小さな切開を行い、嚢腫をくり抜く手術方法です。局所麻酔下で行われ、直径4mm程度の円筒状のメス(ディスポーザブルパンチ)で腫瘍の中心部にある開口部分に穴を開け、そこから嚢腫の内容物を押し出すようにして取り出します。治療後は切除法のように皮膚を縫合せず、2~3週間かけて傷が自然に塞がるのを待ちます。

なお、くり抜き法による傷あとは切除法の傷あとよりも小さく、最終的にはにきびのあと程度の大きさの傷あとが残ることが一般的です。ただし、くり抜き法は切除法よりも手術時間が短い一方、皮膚の縫合を行わないため、切除法よりも完治までに時間がかかる傾向にあります。また、膿瘍(のうよう)の内容物を押し出すため、内容物が固形化している腫瘍には向きません。そのため、このような場合は前述の“切除法”が検討されます。

通常はくり抜き法が行われるため、日帰りで手術を受けることが可能です。

ただし、まれではありますが、炎症がものすごく強い、または何度も炎症を繰り返し癒着が強い粉瘤では、従来のように手術治療の前に排膿や膿瘍内の洗浄が必要になることもあるため、長期にわたる治療や複数回の手術が行われ、繰り返しの通院が必要になる可能性もあります。

粉瘤は必ずしも治療が必要な病気ではありませんが、腫瘍が大きくなり炎症を引き起こす可能性がある場合や、すでに炎症が生じている場合などには手術治療が検討されます。手術をするかどうか、どの手術方法を選択するかどうかは患者の希望による場合もあるため、担当医と相談しながら決めるようにしましょう。

受診について相談する
「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。

関連の医療相談が54件あります

※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。

「粉瘤」を登録すると、新着の情報をお知らせします

処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

「受診について相談する」とは?

まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

  • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
  • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。