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知っておきたい、小児てんかんの特徴や症状——赤ちゃんのぴくつきはてんかんの可能性も?

知っておきたい、小児てんかんの特徴や症状——赤ちゃんのぴくつきはてんかんの可能性も?
中川 栄二 先生

国立精神・神経医療研究センター 病院外来部 特命副院長/外来部長/てんかんセンター長

中川 栄二 先生

岩崎 真樹 先生

国立精神・神経医療研究センター病院 脳神経外科 部長

岩崎 真樹 先生

目次
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てんかん”というと、全身の激しいけいれん症状が一般的に知られていますが、子どもでは特有の症状があります。小児てんかんは、診断・治療が遅れると将来の発達に影響を及ぼす可能性があるため、小児てんかんの症状を知っておき、気になる症状があれば早めに受診することが大切です。

今回は、国立精神・神経医療研究センター てんかんセンター長/小児神経科の中川(なかがわ) 栄二(えいじ)先生と脳神経外科部長の岩崎(いわさき) 真樹(まさき)先生に小児てんかんの特徴や症状、発作時の対処法についてお話を伺いました。

てんかんは、脳の神経細胞(ニューロン)が突然何の前触れもなく過剰に興奮することによって、てんかん発作を繰り返してしまう脳の病気のことです。

小児や高齢者に多い病気で、日本におけるてんかんの患者さんは人口1,000人あたり約5〜8人いるといわれています。決して珍しい病気ではなく、クラスに1人くらいはてんかんと診断されている方がいてもおかしくありません。

てんかんは性別や人種、生活習慣などとはほぼ関係なく生じるため、どのような方でも発症する可能性があります。また、自閉症などの神経発達症や抑うつなどの精神症状を伴うことが多いのも特徴です。

てんかんの原因は多岐にわたりますが、代表的な原因には以下のようなものがあります。

  • 脳の構造上の異常(脳卒中脳腫瘍(のうしゅよう)、生まれつきの脳の形成異常など)によるもの
  • 生まれつきの遺伝子異常によるもの
  • 感染症(脳炎など)や免疫反応によるもの
  • 代謝異常(代謝産物が異常に脳に蓄積または枯渇する)によるもの

など

また、いろいろな検査をしても原因が特定できないケースも多くあります。

てんかんは発作の生じ方によって、“焦点てんかん”と“全般てんかん”に大別されます。

焦点てんかんとは、脳のどこか1箇所にてんかんの原因があり、部分的に発作が生じるタイプのてんかんです。なお、部分的に生じた発作がだんだんと脳の全体に広がることもあります。

一方、全般てんかんとは、原因が脳の1箇所には求められず、発作が起こるときに左右の脳が同時に興奮することを特徴とします。遺伝子異常によるてんかんに多く見られます。

てんかんは大きく2種類

小児科の診療のなかでよく見るてんかんは、幼児から学童期の前半に多いです。抗てんかん薬に反応がよく、成人までに治ることも多いのが特徴です。

年齢が上がるにつれて新たにてんかんを発症する患者さんは減っていきますが、成人まで続くてんかんも多いため、年齢が上がれば小児てんかん患者さんの数が少なくなるというわけではありません。

新生児や乳幼児では、体を一瞬ピクッとさせたり、一瞬首をカクッとさせたりする“スパズム発作”が特徴です。このような症状を特徴とするてんかんに“ウエスト症候群”があります。

新生児や乳幼児のてんかんでは、発作時に全身が大きくけいれんすることは多くありません。そのため、てんかんの症状に親御さんが気付かなかったり、乳児健診でも見逃されてしまったりするケースもあります。

しかし、診断や治療の介入が遅れてしまうと、お子さんの発達や将来の知的な能力に悪影響を及ぼす可能性があります。国際的にも診断を遅らせないようにとの注意喚起が出されています。

提供:PIXTA
提供:PIXTA

小学生以降の学童期になると、成人と同じような“けいれん発作”も見られるようになります。特に夜寝入りばなや早朝の寝ている間に全身のけいれんを起こすことが多いです。このようなてんかん発作は何の前触れもなく突然始まり、通常は1~2分程度で治まることが特徴ですが、初めてのけいれんや5分以上続くけいれんの場合には、医療機関を受診しましょう。

そのほか、小学生以降のお子さんに特徴的なものとして“欠神(けっしん)発作”があります。欠神発作とは、意識がはっきりしなくなる発作で、それまで行っていた動作が突然ピタッと停止する症状を伴うことがあります。発作が終わると何事もなかったかのように次の動作をまた始めます。動作の停止時間は通常3〜5秒程度で、長いと10〜20秒間動きを止めることもあります。

周りから見ると、「ときどき動作が止まるよね」という程度にしか思われず、てんかんであることに気付かれていないこともあります。

てんかんと紛らわしい症状が、てんかん以外の病気で起こることがあります。代表的なものとして以下のようなものが挙げられます。

てんかんと間違われやすいものの1つが失神発作です。失神発作は一時的に脳への血流が低下することで意識を失う症状のことです。長い時間立っているとき、満員電車に乗っているときなどに起こりやすく、ときにけいれん症状を伴うこともあるため、てんかんではないかと疑われることがあります。

また、偏頭痛(へんずつう)もてんかんと間違われやすい病気の1つです。偏頭痛は発作的な頭痛だけでなく、腹痛や麻痺など全身にも症状が現れることがあります。

心因性発作(ストレスなど精神的な負担によって起こる発作)も、てんかんとの見分けが難しい場合があります。

また夢遊病と呼ばれるような睡眠時の異常行動では、夜中に起きて動き回っている子どもに呼びかけをしてもきちんとした反応が返ってこないことから、てんかんではないかと思われることがあります。

また、私たちは寝ているときに生理的に体がピクッと動くことがありますが、この動きが大きかったり頻度が多かったりすると、てんかんではないかと心配されることがあります。

小児てんかんの代表的な合併症が、知的な障害や発達障害(神経発達症)です。

発作が繰り返されると脳が正常に活動できない時間が長くなり、知能・発達に影響が出てくることがあります。また、てんかんの患者さんは発作がないときにも脳波の異常が生じることがあり、これらが脳の発達に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、てんかんの原因そのものが知的な障害や発達の遅れを引き起こしているケースもあります。

お子さんにてんかん発作と思われる症状が見られたら、まずは慌てずに、どのような症状があるかきちんと観察・記録しておいていただきたいと思います。発作は止めようとして止まるものではありませんので、決して無理に押さえつけないようにしましょう。周りに危険なものがあれば遠ざけたうえで様子を見守っていただき、目が覚めたら優しく声をかけて安心させてあげてください。

発作の様子を細かく記憶しておくことは難しいかもしれませんが、診断において非常に重要な情報となります。もし余裕があれば、スマートフォンなどで動画を撮影していただければ後の診断に非常に役立ちます。

提供:PIXTA
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1~2分で治まる通常のてんかん発作であれば、救急要請をする必要はありません。

しかし、発作が5分以上続く場合には救急要請しましょう。また、発作が一度は消失するものの意識が回復しない場合は、てんかん重積(じゅうせき)状態に陥っている可能性があります。命に関わることもあるため、早急に救急車を要請するようにしましょう。

お子さんに小児てんかんを疑うような症状がみられる場合、まずは小児科を受診しましょう。成人のてんかんであれば脳神経内科や脳神経外科で診察しますが、成人と小児のてんかんは症状などが大きく異なります。

小児科において、てんかんは珍しい病気ではないため、神経を専門にしていなくとも小児科医であればてんかんの基本的な診療は可能です。もし何か不安に思うことがあれば、まずは小児科に受診しましょう。

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