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男性の“尿の悩み”を手術で改善――HoLEPや人工尿道括約筋植え込み手術の特徴

男性の“尿の悩み”を手術で改善――HoLEPや人工尿道括約筋植え込み手術の特徴
平山 貴博 先生

北里大学北里研究所病院 泌尿器科 部長、病院長補佐

平山 貴博 先生

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北里大学北里研究所病院の泌尿器科では、“ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)”や“人工尿道括約筋植え込み手術”を実施しています。いずれも保険適用の治療ですが、患者さんに広く知られているとは言い難く、本来であれば、これらの恩恵を受けて男性ならではの悩みを解決できる方はもっといらっしゃると考えられます。今回はこれらの治療法について、北里大学北里研究所病院 病院長補佐/泌尿器科部長 平山 貴博(ひらやま たかひろ)先生にお話を伺いました。

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画像提供:PIXTA

男性は歳とともに尿を出しにくくなりますが、その大きな一因は前立腺肥大によるものです。前立腺は膀胱の出口にあり、尿道を取り巻く臓器です。若いときは栗くらいの大きさですが、加齢によって肥大し、ミカンほどの大きさになると尿道を圧迫して、頻尿、尿失禁・尿漏れ、残尿感、尿意切迫感などの不快な症状を引き起こします。

大昔は、前立腺肥大症を治療するには手術しか選択肢がありませんでした。前立腺は毛細血管が豊富な組織なので当時の技術では出血が多く、輸血が必要になることが多い手術でした。とはいえ術後に再発することはほとんどなく、基本的に前立腺肥大症の手術は一生に1回行えば終わりです。

その後、1993年に日本でα1遮断薬が開発・販売されると、内服薬だけで不快な症状が改善できるようになり、前立腺肥大症ではまず薬物療法を行うことが一般的になりました。現在では、ホスホジエステラーゼ5阻害薬、5α還元酵素阻害薬、抗アンドロゲン薬、そして漢方薬など、作用機序が異なる薬も使えるようになり、併用療法を含めて治療の選択肢が増えています。

しかし、症状が進行すると、薬を併用しても効果が不十分になる例が3割ほど存在します。そのような方は手術が選択肢となります。つまり、昔と比べると手術のタイミングが後ろ倒しになり、前立腺がより大きくなってから受けるようになっているのが現状です。

前立腺肥大症の手術で多く行われているのは、経尿道的前立腺切除術(TUR-P)という方法です。これは電気メスを使って大きい前立腺を上から少しずつ切っていくので、前立腺が大きいほど時間がかかり、出血のリスクを伴います。しかも、薬物治療の発展により手術が後ろ倒しになり、昔よりもサイズが大きい前立腺を切ることになるので、外科医にとってはやや難しく感じることもあります。ただし、電気メスという一般的な器具で手術できるので、泌尿器科のある多くの病院で実施可能です。

当院はホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)という方法で前立腺肥大症の手術を行っています。これは、専用の器械を使って肥大した前立腺の中身をくり抜く方法です。前立腺はよくミカンに例えられますが、ミカンの皮と房(実)の境目をはがして、皮はそのまま体内に残し、房の部分だけを体外に出すというイメージです。これだと出血をかなり抑えることができますし、前立腺のサイズによって極端に手術時間が変わることもありません。

MN作成
HoLEP

ただし、HoLEPは専用の器械が必要となるため、実施できる施設は多くありません。また、医師が技術をトレーニングする方法がしっかり確立されていないのも現状です。私は以前にHoLEPを実施していた先生のところで勉強させてもらい、技術を習得しました。また、北里大学の泌尿器科グループは早期からHoLEPを積極的に導入しており、先輩医師からコツなどを教えてもらえる環境でもありました。

なお、HoLEPは保険適用の治療です。TUR-Pと比べて、支払い金額に大きな差はないと考えていただいて構いません。

ちなみに、レーザーを用いた前立腺肥大症の治療として、経尿道的光選択的前立腺レーザー蒸散術(PVP)という方法もあります。これはレーザーで腫大した前立腺を蒸散する(消し飛ばす)というもので、出血量がより少ないというメリットがあります。一方、前立腺が大きいとそれだけ時間や熱量がかかって体の負担になりますし、切除した前立腺の組織にがん細胞がないかどうか、念のための確認ができないというデメリットがあるため、当院ではHoLEPを採用しています。

前立腺肥大症の手術を受けた後は、一時的に尿失禁が起こることがありますが、退院時にはほとんど問題ない状態でお帰りいただけます。当院では術後1か月でも心配して尿パッドを使う方がたまにいらっしゃる程度で、術後3か月も経てば問題なく排尿コントロールができる方がほとんどです。

術後は排尿の邪魔をしていた前立腺が物理的になくなり、症状が改善します。薬を飲む必要がなくなったうえに、薬を飲んでいた時期より排尿の具合がよくなるという利点もあり、「これならもっと早く手術を受けておけばよかった」という声をよく聞きます。

ただ、絶対に手術が必要な症例は一部だけですので、必ずしも手術という選択肢が示されるとは限らないと思います。排尿の問題はあくまでご本人の主観や感じ方による部分が大きいですので、どの治療法を選ぶかはかかりつけ医や泌尿器科医とよく相談して決めていただければと思います。

当院では“人工尿道括約筋植え込み手術”という治療法も提供しています。

前立腺がんの術後などに、1年以上排尿のトレーニングを頑張っても極めて高度な尿失禁(立ち上がったら全て漏れてしまうような重症例)が残ってしまう方が一定数(2〜3%)いらっしゃいますので、そのような方々への救済的な治療です。尿道をギュッと締め付ける器械を植え込んで、自分の排尿したいタイミングでスイッチを押すと締め付けが緩み、排尿することができます。

提供画像
人工尿道括約筋植え込み手術
画像提供:ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社

スイッチは陰嚢に収まり、外からは異物が入っているようには見えません。ご自身でトイレに立ち、陰嚢を探ってスイッチを押すと排尿できます。そして40秒ほどすると水圧で自動的に戻り、尿道を閉じた状態にしてくれます。周囲から見てもごく自然に排尿しているようにしか見えません。

当院の植え込み手術は2時間もあれば終わります。遠方からいらっしゃる方が多いので1週間ほど入院いただくことが多いですが、もっと短くすることもできます。手術の傷が治ってから実際の使い方を一緒に練習します。

これは一度植え込めば、寿命まで保てる方がほとんどです。水圧式なので電池は不要で、ほかに金属も入っていないので飛行機の保安検査に引っ掛かりませんし、MRIも撮れます。保険適用の治療ですので、自己負担額も抑えられています。

このように“人工尿道括約筋植え込み手術”は重症の尿失禁に悩まされている方にはよい治療なのですが、医療者の間でもあまり知られていませんし、実施できる医療機関は限られています。おそらく、この治療が必要な方のほとんどは知らない、もしくは知っていても受けられていないという状態だと思います。

しかし、海外ではこの治療を第一選択の治療としてガイドラインに載せている国もあります。海外では前立腺がん術後の尿失禁や勃起不全を重く捉えて治療の対象にすることが多いのですが、日本の医療体制はそれらの症状を抱える患者さんに対してちゃんと向き合えていないように感じます。

尿失禁は、オムツを付けていると外出しにくい、温泉に行きにくい、幼い孫から「オシッコ臭い」と言われて寄ってきてもらえないなど、自尊心や生活の質を大きく下げる無視できない問題です。せっかくがんが治ったのに生活を楽しめない……、そのような方々を助ける意味でも非常に大事な治療だと思います。

当院はここまでに紹介したもの以外にも、標準治療を満遍なく行っています。病院によっては取り扱う病気が限られることもあるのですが、当院では内視鏡手術センターを開設し、低侵襲性(ていしんしゅうせい)・機能温存を考慮した泌尿器がんの手術や、前立腺肥大症尿路結石症といった良性疾患の治療も含めて総合的に提供しています。

特に尿路結石症はとてもメジャーな病気でありながら、体外衝撃波結石破砕術による日帰り治療や経尿道的レーザー砕石術などを行える医療機関は限られています。これらは当院で実施できます。また、尿失禁に対するボツリヌス治療という新たな治療法も提供しています。

相模原にある北里大学病院と密に連携し、お互いに行き来したりして、技術を更新・維持できるようにしていることも強みです。

当院に限らず、受診された方は“覚悟を決めて”来られることが多いようです。しかし、排尿の困り事は“たかが”ではなく、あなたの自尊心や生活の質を大きく下げる“重要な問題”です。頻尿や尿漏れ、尿失禁でお悩みの方が治療を受けて、まるで世界が変わったかのように晴れ晴れとした顔になっていただけると、我々もとても嬉しいです。

当院は都心にありながら広い駐車場を備えており、通いやすいと思います。どうか恥ずかしがらずに、健康診断で引っかかったときに病院に相談に行くような軽い気持ちでお越しいただければ幸いです。

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