しらみ

しらみ

別名:シラミ症
顔面・頭皮

目次

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概要

しらみとは昆虫の一種で、一部のしらみは人に寄生して健康被害をもたらすことがあります。幼稚園や学校などの集団生活を送る環境(主にアタマジラミによるもの)や性交渉(ケジラミによるもの)などをきっかけとして頭皮や陰毛に寄生し、かゆみなどの不快な症状を引き起こします。また、発疹チフスの媒介者になることもありますが、日本ではそうした重篤な病気を引き起こすことはほとんどありません。

しらみと聞くと不潔にしているから感染するというイメージを持たれる方もいらっしゃいますが、必ずしもそうではありません。欧米諸国や日本でも集団発生を見ることがあり、清潔にしていても感染するリスクはあります。

原因

人に健康被害をもたらすしらみには、アタマジラミ・コロモジラミ・ケジラミが存在します。体長2~3mmほどでよく観察すれば肉眼でも見えます。こうしたしらみに寄生されることから、人にさまざまな健康被害が生じます。

コロモジラミによる健康被害は、発疹チフスが代表的です。発疹チフスによる症状は重篤で生命にかかわる症例も多いのですが、現在の日本において問題になることはありません。しかし、アタマジラミやケジラミは、清潔な環境の整った現在の日本でも問題になることがあります。

アタマジラミ

アタマジラミは、おもに髪の毛に寄生します。頭をくっつける、身体に触れるなどの接触を原因として感染が拡大します。こうした感染経路から想定されるように、アタマジラミは幼稚園や学校など、幼い子どもが集団生活を送る環境で流行することがあります。

アタマジラミの卵は非常に強く、髪の毛に付着すると容易には離れません。1週間程度の期間を経て孵化し、さらに1週間強の経過で成虫へと変化します。成虫の寿命は1か月程度ですが、皮膚から吸血活動を通して栄養を得ます。

ケジラミ

ケジラミは、おもに陰毛に寄生するタイプのシラミです。宿主から離れた後の生存期間は、どれほどよい条件が整っていたとしても48時間以内といわれます。また、ケジラミ自体は1日に10cm程度しか移動することができません。そのため、性交時の陰毛の直接接触がおもな感染経路と考えられています。家庭内では、親子間、とくに親密な母子間でも感染が多く報告されています。

症状

アタマジラミやケジラによる症状は、おもにかゆみです。かゆみの程度は非常に強いこともあれば、あまり大きなかゆみではないこともあり、個人差があるといえます。これには、感染が生じている患者さんが抱える基礎疾患によっても変わります。

ケジラミの体は褐色を帯びた白色をしていますが、栄養源として吸い取ったヒトの血液が消化管に取り込まれるとケジラミの体は赤茶色になります。この吸血したヒトの血液は最終的に茶色い便となって消化管から排出されるために、ケジラミが寄生している患者さんの下着にはケジラミの血糞である茶色い粉末が付くようになります。

検査・診断

しらみの診断は、しらみが寄生している頭皮や陰部を詳細に観察することで行われます。頭皮や陰部を観察することよって、卵が毛に付着している様子を観察することができ、拡大鏡によって成虫の有無を確認することも可能です。観察によって疑わしい成虫や卵が確認できた場合には、ピンセットで採取し、顕微鏡を使って確認することもあります。

治療

治療には、0.4%フェノトリンパウダーや0.4%フェノトリンシャンプーを使用します。これらの薬はしらみの成虫に対して効果はあるものの、ケジラミの卵に対しての効果は弱いです。そのため、しらみの成長サイクルを見計らいながら定期的に使用することが必要です。0.4%フェノトリンパウダーは適量をケジラミの寄生している部位に散布し、1~2時間後に洗い落とします。0.4%フェノトリンシャンプーではシラミが寄生している部位に対して使用し、数分おいた後に洗い流します。以上を1日1回、3日間に1回を3~4回繰り返します。

しらみの治療では、髪の毛を短くし、可能であれば陰毛をそることもあります。また、タオルや性交渉を介して感染が拡大することもあるため、タオルの共有は避け、性交渉パートナーも同時に治療を行うことが重要です。環境中に存在するしらみは数日間生息することもあるため、汚染されたものの対応にも注意を払うことが必要です。具体的には、アイロンをかけて熱処理を行う、もしくはドライクリーニングを行うなど、衣類にも処理を施しましょう。