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皮膚

じんましん(こども)

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じんましん(こども)とは

じんましん(こども)とは
じんましんとは、皮膚の一部に虫さされのような赤いふくらみ(膨疹と呼びます)が急激に広がる病気のことを指します。多くの場合、数時間から数日の間に自然に消えていく予後良好な疾患ですが、中には慢性的に経過することもあります。またごく稀に、重篤な全身疾患の一症状であることや、命に関わるアレルギー反応を伴うこともあります。

原因

じんましんは「肥満細胞」を代表とする皮膚に存在する細胞から、「ヒスタミン」を始めとした痒みやむくみを誘導する成分が分泌されることから発症します。肥満細胞からヒスタミンを分泌させる刺激には、様々なものが知られています。例えばお子さんであれば、ウイルス感染症に伴ってじんましんが誘発されることが多く経験されます。また、小児でよく見る疾患の一つであるA群β溶連菌感染症においても、じんましんが誘発されることがあります。感染症以外の原因は薬剤であり、ペニシリン系やセフェム系など、お子さんによく処方される抗生物質に対してのじんましんが代表的です。小児では食物アレルギーに関連したじんましんを認めることも多いです。さらに、ちょっとした機械的な刺激やダニにかまれた、ストレスなども誘因となり得ます。
中には、SLEやシェーグレン症候群を代表とする膠原病、リンパ腫等の血液疾患等が原因となってじんましんが出現していることがあります。また、遺伝的な要素でじんましんが生じることもあります。じんましんの経過やその他の症状を見極めつつ、こうした陰に隠れた疾患がないかを検討することも大切です。
以上のように蕁麻疹を引き起こす原因は多岐に渡りますが、子供の場合は明らかな誘因を同定できないことが多いです。
その他、こちらの記事も参考にして下さい。
【食物アレルギーとは? 反応の原因・症状の種類・検査方法をまとめて紹介(横浜市緑区)】

症状

じんましんでは急激に発症する膨疹が特徴であり、見た目は蚊に刺された痕に類似します。サイズは様々であり、1cmほどの大きさのものから地図状に広く広がるもののこともあります。じんましんの膨疹は非常に強い痒みを伴い、数時間のうちに身体の至る所に広がり、その後跡形もなく消失します。
多くの場合は一回じんましんが発症しても繰り返すことはないのですが、中には1ヶ月以上じんましんが経過する「慢性じんましん」もあります。慢性じんましんにおいては夜間にじんましんが出現することが多いです。
じんましんの症状に伴って、アナフィラキシーショックを生じることもあります。アナフィラキシーショックにおいては呼吸困難を生じたり、血圧低下から意識障害を生じたりすることもあります。アナフィラキシーの症状は急速に増悪し、最悪の場合死に至ることもありえるため、可及的速やかな対応が必要です。
その他、こちらの記事も参照下さい。
【まぶたが腫れる! ぶつぶつができる! かゆみが全身に現れたとき、陰部など部分的に生じたときの原因とは? 体のかゆみを止める方法はあるの?◇】
【アナフィラキシーとは】

検査

じんましんの診断及び原因の評価のためには、第一に大切なのは丁寧な問診です。お子さんのじんましんは多くが感染症に伴うものであり、この場合には特別な検査が行われることはありません。
一部のじんましんにおいては、病歴や身体所見からどのような検査をするかが決定されます。例えば食物アレルギーが疑われる場合においては、プリックテストや血液検査によるアレルゲン検索が行われます。また、膠原病が疑われる場合においては、SLEであれば特徴的な自己抗体が測定されることもありますし、臓器障害の程度を評価するために貧血の程度や尿検査などが追加で行われます。また遺伝的なじんましんが疑われる時には、C1-INH活性、補体測定といった、より診断に特異的な血液検査が行われます。
その他、こちらの記事も参照下さい。
【食物アレルギーになったら?−食物アレルギーの診断と治療−】
【食物アレルギーの検査】

治療

じんましんの治療は、薬物治療と原因除去の二つが大きな柱になります。薬物治療としては抗ヒスタミン薬が主体です。じんましんの症状がでている時はもちろん、既にじんましんが消失している場合においても、再燃を予防するために数日内服することがあります。数日内服しても症状が緩和されない場合は、ステロイドの内服薬が適応になることもあります。なおステロイド軟膏を代表とした局所療法は、内服治療に比べて効果に乏しいと考えられています。
慢性じんましんにおいては、抗ヒスタミン薬やステロイドを数週間に渡り内服継続することもあります。それら以外にも胃薬の一種であるH2拮抗薬や、抗ロイコトリエン拮抗薬といった薬剤が処方されることもあります。これらの治療でもじんましんのコントロールがつかない場合は、シクロスポリンと呼ばれる免疫抑制剤が使用されることもあります。長期に渡り使用されることから副作用の出現もより懸念され、慎重な対応が不可欠です。
その他誘因が同定できる場合には、誘因を避ける努力も必要です。例えば、食物アレルギーであれば、原因となっている食物を避けることもあります。また感染症は子どもで重要な誘因ですので、風邪を引かないような感染予防策をとることも大切です。
アナフィラキシーの場合においては、より緊急度の高い治療が必要です。救急外来を早急に受診して、エピネフリンの注射による治療を受けることが必要です。アナフィラキシーを何度も繰り返すようなお子さんの場合には、「エピペン」と呼ばれる注射薬を携帯することもあります。本人はもちろん、周囲の方がアナフィラキシーの症状がどのようなものか、どんな時にエピペンを使用するべきか等の知識を身につけることも大切になります。
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【食物アレルギーになったら?−食物アレルギーの診断と治療−】
【まぶたが腫れる! ぶつぶつができる! かゆみが全身に現れたとき、陰部など部分的に生じたときの原因とは? 体のかゆみを止める方法はあるの?◇】
【エピペン®とは?アナフィラキシー時の補助治療剤】

 
参考
【American Family Physician】
【Eur Ann Allergy Clin Immunol. 2008; 40(1): 5-13】
【Stanford Children’s Health】
【Seattle Children’s Hospital】
【蕁麻疹診療ガイドライン】

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