あれるぎー

アレルギー

最終更新日:
2020年08月13日
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2020/08/13
更新しました
2018/09/11
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概要

アレルギーとは、食物や薬剤、花粉、ほこりなど、通常は体に大きな害を与えない物質に対して、過剰な免疫反応が引き起こされることです。“アレルギー疾患”は1つの病名ではなく、このような免疫反応の異常によって生じる病気の総称であり、さまざまな種類があります。

また、アレルギーは症状も多様であり、軽度なケースは自然に軽快することがほとんどです。しかし、重度な場合には気管支喘息なら呼吸困難から窒息を引き起こしたり、血圧が急低下して意識を失うといった“アナフィラキシー症状”が生じたりすることもあります。対処が遅れると命にかかわることもあります。

現在、日本では2人に1人が何らかの物質に対してアレルギーを持つとされており、年々患者数が増加傾向にあることが問題となっています。その背景には生活様式や環境・食生活の変化などが挙げられていますが、アレルギーが疑われる症状が現れた場合は、できるだけ早く治療や生活改善などを始めることが必要です。

原因

アレルギーは、特定の物質に対して免疫が過剰にはたらくことによって引き起こされます。

本来“免疫”とは、体の中に侵入した細菌やウイルスなどを攻撃し、私たちの体を守る仕組みのことです。白血球など血液中の細胞のはたらきが免疫を担いますが、通常は体に害を与える“異物”のみを攻撃する仕組みになっています。しかし、遺伝的に免疫反応が過剰になりやすい体質であることや、ハウスダストや花粉など異物になりうる物質を過剰に体内に取り入れてしまうような環境にいることなどが原因となり、本来なら体に害を与えることがない物質まで免疫の仕組みによって攻撃されてしまうことがあるのです。その結果、全身にさまざまなアレルギー症状が引き起こされます。

また、アレルギーには免疫を引き起こすメカニズムの違いによって4つのタイプがあります。体内にアレルギーの原因物質(アレルゲン)が侵入すると早いと数秒~十数分以内に症状が現れるタイプもあれば、ゆっくり症状が現れるタイプなどもあります。

症状

アレルギーの症状は病気によって異なり、多彩です。軽症症状は自然と改善していくことがほとんどです。

しかし、アレルギー症状は病気によりさまざまな症状を呈します。たとえば、粘膜に腫れを引き起こす病態であれば、重度な場合には気管の粘膜が腫れて呼吸困難となるケースもあります。また、血管が過度に広がって血圧が急低下することで、めまいや吐き気、意識消失などの症状を引き起こすこともあります。このような重篤な症状の場合、対処が遅れると命にかかわることも少なくありません。また、アレルギーの中には長時間かけて腎臓や肺の細胞にダメージを与えるものなどもあります。

アレルギーの症状は年齢によって変化していくことも大きな特徴の1つです。幼少期にはアトピー性皮膚炎や食物アレルギーとしてアレルギー症状が現れるものの、成長していくにつれて気管支喘息やアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などを発症するようになり、自然に治らない場合は成人喘息に移行するケースもあります。このようなアレルギー症状の連鎖を“アレルギーマーチ”と呼び、いかにしてアレルギー症状を発症させず、また軽快させていくかが課題となります。

検査・診断

アレルギーが疑われるときには次のような検査が行われます。

血液検査

食物や花粉、ハウスダストなどによるアレルギーは、IgEと呼ばれる抗体(アレルゲンを攻撃するたんぱく質)によって引き起こされます。そのため、アレルギーの可能性を評価する目的で血中IgE抗体の数値を調べる検査が行われます。

しかし、よく誤解されていますが、検査は原因を特定する力はありません。あくまでその可能性を評価するまでです。

パッチテスト、プリックテストなど

疑われるアレルゲンを皮膚の一部に貼ったり、皮内に注入したりすることでアレルギー反応が起こるか否かを調べる検査です。診断のうえでは有用な検査ですが、こちらも診断の可能性を示すまでで、診断の根拠にはなりません。また皮内テストはアナフィラキシー症状を引き起こすこともあるため、一般的には行われません。

誘発試験

鼻、気管支、目、口から直接体内に疑われるアレルゲンを投入し、アレルギー反応が起こるか否か調べる検査です。もっとも直接的な検査で診断の根拠となります。しかし、アナフィラキシーを含めた症状誘発リスクがあるため、専門の医療機関で実施することが推奨されます。

症状に合わせた検査

アレルギーは全身にさまざまな症状を引き起こします。そのため、それぞれの症状に合わせて原因や重症度を評価するために画像検査や血液検査、呼吸機能検査などの生理機能検査を行うことがあります。

治療

アレルギーと診断された場合は、主に次のような治療が行われます。

薬物療法

アレルギー治療の基本は、アレルギー反応を抑えて発症を予防したり、発症したアレルギー症状を鎮めたりするための薬物療法です。

具体的に、アレルギー症状を予防するためには免疫のはたらきを落ち着かせるステロイド薬、アレルギー反応を抑制する抗アレルギー薬などが用いられます。

アレルゲン免疫療法

体内に少量ずつアレルゲンを投入し、体を慣れさせることでアレルギーを起こりにくくする治療法です。近年ではスギ花粉とダニに対するアレルギー性鼻炎に対して、舌下免疫療法が行われています。

予防

アレルギーを予防するには、第一にアレルゲンに触れたり、体内に取り入れたりしないよう注意することが大切です。すでにどのようなアレルゲンによってアレルギーが起こるか分かっている場合は、アレルゲンを回避・除去する生活を心がけるようにしましょう。

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