いんふるえんざ こども

インフルエンザ(こども)

最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスにより引き起こされる、急激な上気道症状の発症を主体とした急性ウイルス性疾患を指します。

主に11月頃から罹患する方が徐々に増え始め、1月頃をピークとして4月過ぎまでに収束に向かうのが通年の傾向です。特に学校生活の枠組みで考えると、冬休み明けに集団生活が再開されることもあり、同時期に学級閉鎖が起こるほどの集団流行が生じることもまれではありません。

インフルエンザは肺炎中耳炎などの合併症を起こしやすく、インフルエンザ脳症と呼ばれる重篤な合併症が生じることもあります。そのため、いわゆる「普通の風邪」の延長線上にあるものと考えるべきものではなく、より重篤になりやすい病気として対応することが必要です。
 

原因

インフルエンザウイルスは、咳や鼻水などの飛沫感染や接触感染をきっかけとして伝播(でんぱ)します。

インフルエンザウイルスにはA型・B型・C型の3つの型のウイルスがあります。なかでも、A型とB型のインフルエンザウイルスが、冬に流行を示す「季節性インフルエンザ」を引き起こします。

インフルエンザウイルスは、ヒトに感染する際に必要不可欠なタンパク質を持っており、このタンパク質の顔つきが少しずつ異なるウイルスがたくさん存在しています。、そのため、一種類のインフルエンザウイルスに罹ったとしても、再び別の種類のインフルエンザウイルスに罹患することがありえます。これは、一度罹れば基本的には一生涯免疫を獲得する他のウイルス疾患(おたふく風邪麻疹など)と大きく異なる点です。そのため、冬季のインフルエンザ流行に対応するために、毎年対応策を講じることが重要といえます。

また、インフルエンザウイルスはヒトへの感染だけでなく、たとえば鳥やブタにも同様に感染することがあります。ヒト以外の動物にのみ感染していたウイルスが、突然ヒトにも感染することもあり「新型インフルエンザ」と呼ばれます。
新型インフルエンザは、季節性インフルエンザと異なり、ほとんどの人が免疫を持っていません。直近の大流行にあたる2009年の新型インフルエンザ(H1N1型)は、日本だけでなく世界中で猛威をふるいました。

さらに、「高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)」という新型インフルエンザも報告されています。これは、本来は鳥の間で感染が広がるインフルエンザが、ヒトにも感染することから引き起こされます。現時点(2017年時点)では、ヒトの間での流行は確認されていませんが、世界中からその動向に注目が集まっています。

症状

インフルエンザは、およそ1〜2日の潜伏期間を経て発症します。重症から軽症までさまざまであり、症状の現れ方は千差万別です。
典型的なインフルエンザでは、38度を超える急激な発熱をきたし、通常の風邪と比較して倦怠感や筋肉痛、寒気、咳が強く出ます。また、通常の風邪では、鼻水が引き始めに出ることが多いですが、インフルエンザでは発熱と咳の症状が先に現れ、しばらくしてから鼻水が出ます。さらに、新型インフルエンザでは、下痢や嘔吐などの消化器症状が伴いやすいです。

幼児を中心とした小児においては、急性脳症を発症する危険性が高いことも知られています。意識障害やけいれんなどを起こすこともあり、より集中的な治療が必要になります。

学童期のお子さんにみられることのある症状

学童期のお子さんは、通常と比べて意識状態が変化しやすいことが知られています。うわごとをしゃべったり、突然部屋から飛び降りたりすることもあります。そのためお子さんがインフルエンザに罹患しているときには、周囲の方がそばにいて、突発的な事故が起きないように注意深く見守ることが大切です。

検査・診断

インフルエンザの検査にはいくつか種類がありますが、汎用性が高く、多くの医療機関で使用されている迅速診断法が代表的です。迅速診断法では、鼻からの拭い液を利用してインフルエンザウイルスが体内にいるかどうかを確認します。結果は10分前後でわかるため簡便な検査であるといえます。

しかし、検査結果を正確に判断するためには、ある一定量のインフルエンザウイルスが存在することが必要です。インフルエンザ発症初期にはウイルス量が少ないこともあり、発症間もない時期に検査を行うと結果を誤って解釈することもあります。
 

治療

インフルエンザは、重症度や合併症、持病(喘息や心臓疾患、腎疾患など)との兼ね合いなどを慎重に判断しながら、治療薬を使用するかどうか決定されます。

必ずしも抗ウイルス薬を使用しなければならない病気というわけではありません。インフルエンザの治療薬には、内服薬や、吸入薬、点滴薬があります。インフルエンザの治療薬は、早期に使用するほど効果が高いため、発症後48時間以内に使用することがよいとされています。しかし、実際には症状や経過をみながら治療方針が決定されます。

予防

インフルエンザに罹患しないための予防策も大切です。特に流行する冬においては、手洗いやうがい、マスクの着用などを励行しましょう。新生児や乳幼児がいる家庭においては、家庭内にウイルスを持ち込まないための努力も必要です。インフルエンザには利用可能なワクチンもあり、予防接種を行うことも有効です。

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