がんぐりおん

ガングリオン

皮膚

目次

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概要

ガングリオンとは、内部にゼリー状の液体を含む腫瘤性病変を指します。手首の関節の甲側に生じることがもっとも多く、手に塊を形成する病変としてはとてもありふれたものです。

腫瘤ではありますが、ガングリオンはがんのように悪性病変ではなく、それ自体が健康被害を引き起こすわけではありません。しかし、大きくなると近くの神経を圧迫して痛みを引き起こすことや、見た目が気になる場合もあります。こうしたケースは治療対象となります。

原因

ガングリオンを引き起こす原因について、はっきりしたことはわかっていません。15〜40歳ほどの比較的若い方に多く、男性よりも女性に多くみられます。

関節は関節包(かんせつほう)と呼ばれるもので包まれており、内部に関節の動きを滑らかにする液体が存在しています。ガングリオンそのものは風船状の膨らみですが、風船の付け根に当たる部分は関節包がつながっており、関節包から液体が流れ込むことでできあがります。風船内部の液体は濃縮され、次第にゼリーのようなどろどろした状態になります。

ガングリオンは手首の関節、親指側の甲に多いですが、全身のどこにでも生じる可能性があります。また関節に限って発症するわけでもなく、骨や筋肉、神経にできることもあります。

症状

ガングリオンは柔らかい塊ですが、さまざまな大きさがあります。なかには塊として認識されないくらい小さく、潜在的に発症しうるものもあれば、数cm台にまで大きくなるものもあります。患部付近の部位を動かすと大きくなり、安静を保つと小さくなるなど、ガングリオンの大きさが変動することもあります。

ガングリオンそのものは、炎症性のリンパ節の腫れのように痛みを自発的に生じるものではありません。しかし、近傍に存在する神経を刺激したりする場合には、痛みやしびれなどを誘発することもあります。また、関節や神経に関連した運動障害がみられることもあります。

検査・診断

診断には、局所の観察が重要です。具体的には、圧迫することで痛みが誘発されるか、柔らかさはどうか、などを確認します。経過についての問診も重要で、いつからあるのか、大きさに変動はあるかなどを確認します。そのほか、しびれ、筋力低下など神経症状を併発しているかどうかの確認も大切です。また、内容物が液体成分なので、ライトを使用して通光性を確認することや、実際に塊の中味を吸引することもあります。ゼリー状の内容物が確認できれば、ガングリオンを診断することができます。

そのほかにも、レントゲン写真・超音波・MRIなどの画像検査が行われることもあります。レントゲン写真だけではガングリオンの見極めはできませんが、そのほかの疾患を除外することが可能です。超音波やMRIはガングリオンそのものを画像的に検出することが可能です。

治療

ガングリオンは、必ずしも治療が必要なわけではありません。症状の有無に応じて、治療対象となるかどうかを判断します。ガングリオンは安静をとることで吸収されていくこともあるため、固定による安静を含め、経過観察することがあります。

神経系の障害が引き起こされている場合や見た目が気になるなどの問題がある場合には、治療対象となることがあります。治療方法としては、内容物を吸引する方法と、手術による方法があります。

内容物を吸引する方法

吸引する方法では一過性にはガングリオンが小さくなることが期待できますが、根本的な解決ではないので再発率は比較的高いです。そのため、繰り返して吸引をすることが必要になることもまれではありません。

手術による方法

保存的治療が奏功しないガングリオンでは、手術的な治療方針が選択されることもあります。手術では、根元の処置を含めてガングリオンを摘出することができます。また、外表からは判断がつかないようなガングリオンに対してアプローチすることも可能です。しかし、再発することもあります。

ガングリオンは、がんのような悪性疾患ではありませんが、治療方針の決定や治療後の再発を含めて注意深く経過を見ることが重要です。