概要
スプーン爪とは、スプーン状に陥凹した爪のことです。手と足の爪、双方に生じますが特に手の母指、示指(人差し指)、中指の爪に多く見られるとされています。また、スプーン爪は匙型爪甲と呼称される場合もあります。さらに、インターネット上ではスプーンネイルと検索されていることも多いようです。
スプーン爪が生じる原因には、爪自体が薄くなって軽度な外力のみで反り返ってしまうことや、皮膚や内科的病気に伴うものなどが挙げられます。
また、1~2歳頃の小児では特に原因がなくてもスプーン爪を生じることがあります。しかし、多くは成長と共に正常な爪となり、成人になるまでスプーン爪が継続することはほとんどありません。
原因
スプーン爪の原因には次のようなものが挙げられます。
慢性的な外力
爪は手指や足の第一関節に存在しますが、第一関節を構成する末節骨は手指や足の先端部まで到達していません。
このため、爪の先端の直下には末節骨がない部位が存在します。この部位に指の腹からの外力が慢性的に加わると、爪がその外力に耐え切れず背側に反り返ってしまうことがあります。
また、深爪を繰り返すことで爪の辺縁部が徐々に浅くなり、爪が指の腹から加わる外力に耐えられる限界点が低くなることが原因のケースも少なくありません。
爪の脆弱性
本来、爪は硬い構造をしていますが、鉄欠乏性貧血、神経性食思不振症による極度な栄養失調、真菌感染などによって爪が薄くなると、軽微な外力でも爪が反り返り、スプーン爪を生じやすくなります。鉄欠乏性貧血、神経性食思不振症によるスプーン爪は、爪自体には変化はありません。
皮膚の病気
症状
爪の中心部が陥凹し、辺縁部が背側に反り返った形になります。また、爪自体が薄くなることもあります。
成人の場合では、利き手の母指、示指、中指に生じやすく、乳幼児では手の爪よりも足の爪に生じやすいのが特徴です。
通常、痛みなどの症状は現れません。しかし、貧血や皮膚の病気などが原因である場合には、その病気の症状が現れ、スプーン爪はそれらの症状のひとつとして見られます。
検査・診断
スプーン爪を主訴に病院を受診した場合、まずは血液検査を行ない貧血や栄養状態の悪化がないかを調べます。
そのうえで、慢性的な外力がかかる行動をしておらず、血液検査でも異常がない場合には、感染症・皮膚疾患である可能性を疑います。真菌感染症・皮膚疾患が疑われる場合、爪やその周辺皮膚の一部を採取して病理組織検査や検鏡検査を行って原因を特定します。
治療
スプーン爪の治療は、その発症原因によって異なります。慢性的な外力が原因のケースでは、指先に外力が加わらないように心がけることや深爪をしない、などの対処を行えば徐々に改善することがほとんどです。
また、鉄欠乏性貧血や栄養失調、皮膚の病気が原因の場合には、それらの治療を行うことでスプーン爪も後遺症を残さずに改善します。
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