とりそみー18

トリソミー18

別名:18トリソミー症候群/エドワーズ症候群

目次

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概要

トリソミー18とは、体の各所にさまざまな合併症を起こす可能性がある染色体異常を指します。18トリソミー症候群もしくは、エドワーズ症候群と呼ばれることもある病気です。

ヒトの正常の体細胞(デイプロイド)では、22対の常染色体と1対の性染色体があり、合わせて計46本の染色体を持っています。しかし、トリソミー18では18番の染色体が通常2本のところが3本になっているトリソミーを示し(標準型トリソミー18)、それにより各種症状が認められるようになります。

胎児期の間から発生する病気であり、妊娠週数に比して身体の成長が乏しく、出生時にも体重が小さいです。外表からわかる特徴として、多指症や手指・足指の重なり、小さい顎などがあります。また、先天性心疾患や肺高血圧症などの関係から、呼吸循環動態に不安定さを生じる可能性もあります。

トリソミー18の根本的な治療方法は現時点ではなく、存在する合併症に応じて個々に対応することが基本となります。

原因

トリソミー18は、染色体レベルの異常を原因として発症します。大多数のトリソミー18は、配偶子形成過程の減数分裂時または、受精卵形成後の細胞分裂時の染色体不分離により生ずるフルトリソミー型(93.8%)です。

その他のタイプとしては、正常染色体構成を持つ細胞が混在しているモザイク型(4.5%)や不均衡型相互転座の結果生じる部分トリソミー(1.7%)型もあります。

症状

トリソミー18では、体の各所にさまざまな症状が出現する可能性があり、生命の危険をもたらすものも少なくありません。

  • 胎児期からの成長障害
  • 生存時における重度発達遅滞
  • 身体的特徴として手指の重なり、短い胸骨、揺り椅子状の足など
  • 先天性心疾患
  • 肺高血圧症
  • 呼吸器系合併症(横隔膜弛緩症、上気道閉鎖、無呼吸発作など)
  • 消化器系合併症(食堂閉鎖、鎖肛、胃食道逆流など)
  • 泌尿器系合併症(馬蹄腎、水腎症,鼠径ヘルニアなど)
  • 骨格系合併症(関節拘縮、側弯症など)
  • 難聴
  • 悪性腫瘍(Wilms腫瘍や肝芽腫)

などが合併することがあります。モザイク型トリソミーでは、症状は全体として軽症です。

また、先天性心疾患や肺高血圧症などの関係から、呼吸循環動態に不安定さを生じる可能性もあります。無呼吸発作を起こすこともありますし、鎖肛や食道閉鎖などの合併症をみることもあります。こうした多彩な合併症と関連して、出生後間もなくから集中治療を要することもあります。

検査・診断

トリソミー18は、胎児期の段階で疑われることもあり、出生前診断を通して診断されることがあります。

妊娠中の検査・診断

妊娠中では、妊娠12週目頃から、胎児エコーにて後頭部の浮腫らしき部分(NT: nuchal translucency)が目立っている場合は、トリソミーの可能性があると判断されることがあり、染色体の検査を勧められる場合があります。

また、非確定的検査としては、母体の血液検査で、1)クワトロテストで4種類のマーカーを検査する方法、2)胎児のトリソミーを直接DNA検索するトリソミーマーカー検査(母体血胎児染色体検査:NIPT)があります。

これらの検査は母体の採血で行われるもので、侵襲度は低いのですが、これらの検査で異常が疑われた場合、より侵襲性の高い羊水検査(確定的検査)を行います。妊娠20週より前にスクリーニングを受けることが、年齢にかかわらず、すべての女性に推奨されています。

*母体血胎児染色体検査:NIPT (Noninvasive prenatal genetic testing)を受けることのできる方は、下記を満たす方に限定されます。

(1)出産予定日の年齢が35歳以上の方

(2)前児がトリソミーとして妊娠・分娩した経験のある方

(3)胎児が超音波検査や母体血清マー カー検査の診断結果などを受けてトリソミーの可能性を指摘された場合。

出生後の検査・診断

出生後のトリソミー18の診断は、特徴的症状から疑われ、各種臓器検索をする過程で染色体検査により確定されます。この場合、患者さん自身の血液を用いて染色体検査を行います。転座型が想定される場合には、ご両親の染色体検査が並行して行われることもあります。

治療

トリソミー18の根本的な治療方法は現時点ではなく、存在する合併症に応じて個々に対応することが基本となります。

呼吸状態が不安定な場合には、酸素投与や、場合によっては挿管による人工呼吸管理を行います。また、挿管による人工呼吸管理が長引く際には、気管切開を行うこともあります。

循環動態が安定しない場合は、必要に応じて肺高血圧症の治療に用いられる薬(利尿剤など)などを使用しつつ、状況に応じて手術的な介入も検討されます。

トリソミー18では、経口哺乳が安定しないこともあります。消化管に問題を抱えることもあるため、手術的な治療介入が検討されることもあります。経口哺乳が確立するまでの間、栄養チューブの使用や胃瘻(いろう)増設といった方法を選択することもあります。