ほうけい

包茎

最終更新日:
2020年07月08日
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2020/07/08
更新しました
2017/04/25
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概要

包茎とは、陰茎の先端の“包皮口”が狭いことによって陰茎を包む包皮が十分にむけず、亀頭を露出することができない病気のことです。多くは生まれつきによるものですが、亀頭包皮炎などを繰り返して包皮に癒着が生じることによって発症するケースもあります。

一般的に、“包茎”といえば勃起時に亀頭が自然に露出し切らないものを指すケースが多いですが、このような状態は日本国内では“仮性包茎”と呼ばれ、医学的に治療が必要な病気とは考えられていません。一方、包皮口が極端に狭く、包皮をむいても亀頭が露出できない“真性包茎”は勃起時に強い痛みが生じるほか、陰茎がんのリスクにもなるため治療が必要となります。

なお、新生児期にはほぼ全ての児が真性包茎の状態であるとされており、成長とともに大部分は自然に改善していきますので、手術が必要となるのはごくわずかなケースです。

また、仮性包茎の場合でも包皮口が狭く、勃起して露出した亀頭が元に戻らず、陰茎が包皮口に締め付けられる状態となる“嵌頓(かんとん)包茎”は放置すると陰茎が壊死することもあるため早急な治療が必要です。

原因

包茎は、陰茎を包む包皮と陰茎の出口である“包皮口”が狭いことによって引き起こされます。

包皮口が狭くなる原因の多くは生まれつきのものですが、亀頭包皮炎などを繰り返すことによる瘢痕化による組織の拘縮が原因になることがあります。特に、仮性包茎は亀頭と包皮の間にあかなどがたまって不潔な状態になりやすいため、亀頭包皮炎を発症しやすく、発症を繰り返していくうちに真性包茎のような状態になるケースもあります。

症状

包茎は包皮と亀頭の状態によって次の3つのパターンに大きく分けられます。現れる症状はそれぞれ異なり、特徴は次のとおりです。

仮性包茎

勃起時にも亀頭が完全に包皮口から露出せず、露出させるために包皮を手でむく必要がある状態の包茎を指します。

医学的な“病気”とは考えられておらず、目立った症状はありません。しかし、包皮内が蒸れて不潔な状態になりやすく、悪臭やかゆみなどの症状が現れることがあります。また、亀頭包皮炎などを繰り返すことも少なくありません。

真性包茎

包皮口が極端に狭く、手で包皮をむいても亀頭を露出することができない状態の包茎を指します。包皮内が不潔な状態になりやすいため、悪臭やかゆみなどの症状を引き起こし、亀頭包皮炎や尿路感染症の原因になることもあります。また、勃起時には亀頭が包皮口を圧迫するため強い痛みが生じることもあり、性交渉が持てないケースも少なくありません。その結果、異性との交際に消極的になるなど日常生活に支障をきたすだけでなく、不妊の原因にもなり得ます。

また、陰茎に慢性的な刺激が加わることで陰茎がんの発症リスクも高くなるとされています。

嵌頓包茎

勃起して包皮口から露出した亀頭が元の状態に戻らず、狭い包皮口に締め付けられて陰茎がうっ血する状態の包茎を指します。主に、勃起時に無理やり包皮をむいて亀頭を露出させることが原因であり、強い痛みを引き起こします。また、締め付けられる時間が長くなると陰茎への血流が不足するため壊死などを引き起こす可能性も少なくありません。

検査・診断

包茎は特別な検査を必要とせず、患者が訴える症状や医師の触診・視診によって診断が下されます。

一方で、亀頭などに炎症が生じて化しているケースや尿路感染症を併発しているようなケースでは、炎症の程度などを調べるための血液検査、尿中の細菌の有無を調べるための尿検査などが必要に応じて行われます。

治療

包茎は全てのケースで治療が必要になるわけではありません。特に、仮性包茎は医学的な治療は不要と考えられています。不潔な状態を予防するため入浴時によく洗う必要があります。美容上の観点から、美容外科などで包皮を切除する治療が行われることもありますが、保険適応とはならず治療費は高額な傾向にあります。

一方、痛みなどの症状がある真性包茎は余分な包皮を切除して亀頭を露出させる手術が行われることがあります。小児の場合は成長とともに多くは自然に改善していきますが、亀頭包皮炎などを繰り返す場合には、包皮の先端に皮膚を軟らかくする作用のあるステロイド軟膏を塗り、手で包皮をむく訓練を一定期間続ける“包皮翻転(ほんてん)”指導を行うことがあります。

また、嵌頓包茎はできるだけ早急に包皮口による陰茎の締め付けを解除する治療が必要です。軽症の場合には、医師や看護師が手で元の状態に戻すこともできますが、陰茎のむくみが強いなど手では元の状態に戻らない場合は、包皮口の皮膚を切開して締め付けを解除する手術が必要となります。

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