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そうきょくせいしょうがい

双極性障害

俗称/その他
躁うつ病
最終更新日
2021年10月04日
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2021/10/04
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

双極性障害は、(そう)状態または軽躁状態とうつ状態とを反復する精神疾患です。“躁うつ病”と呼称される場合もありますが、うつ病とは別の病気です。

激しい躁状態を伴う場合を“双極I型障害”、生活に著しい支障がない程度の軽躁状態(軽度の躁状態)を伴う場合を“双極II型障害”といいます。躁状態あるいは軽躁状態のときは自身が病気であることに気付けない場合もあり、うつ状態だけが注目されがちであるため、双極性障害でありながらうつ病と診断されてしまう人も少なくありません。

躁状態による問題行動や、うつ状態による抑うつ気分・何をしても楽しいと思えない状態により社会生活に支障が生じることもあるほか、自殺率が高いことも知られています。主に20歳代で発症することが多く、有病率は1%程度で頻度に性差はないといわれています。

原因

双極性障害の原因は明らかになっていません。しかし、双極性障害の発症にはゲノム(遺伝子)が影響するといわれています。原因となる遺伝子は特定されていませんが、脳の神経細胞同士をつなぐシナプス、神経細胞からの神経伝達物質の放出、神経細胞の興奮性の調節に関わるイオンチャネルなどに関連する遺伝子とのつながりが指摘されています。

症状

双極性障害では、活動的になる躁状態や軽躁状態と、気分が落ち込み何をしても楽しいと思えなくなるうつ状態が繰り返されます。躁状態にもうつ状態にも当てはまらない時期もあります。人間には誰しも感情の浮き沈みがありますが、双極性障害における気分の波というのは一日中、毎日、何日も続き、周囲の人から見ても明らかにいつもと違うような場合のことをいいます。

双極I型障害でみられる躁状態では、気分が高揚する、怒りっぽくなる、開放的になる、活動性が増加するなどの症状が1日の大半でみられます。一方、双極II型障害でみられる軽躁状態は、躁状態と同様の症状が現れるものの、社会生活には支障をきたさない程度の場合をいいます。

うつ状態では一日中、毎日ゆううつな気分が続く状態が2週間以上みられ、何をしても楽しいと思えなくなり、思考がうまくはたらかなくなったりします。事実とは異なるマイナスな考えが浮かぶようになる人もいます。また多くの場合、食欲が低下したり、眠れなくなったり、疲れやすいなどの体の症状も現れます。

検査・診断

双極性障害を診断する際は、症状、経過、身体疾患、服薬中の薬や飲酒状況など、さまざまな観点から総合的に判断されます。身体疾患との鑑別のためには、血液検査や脳の画像検査が有用です。

双極性障害はうつ病との鑑別が難しいことも少なくありません。特に躁状態・軽躁状態について本人に自覚がない場合が少なくないため、患者が医師に躁状態のことを伝えないと正しい診断につながりません。そのため、家族などから話を聞くことも診断のためには貴重な情報となります。

治療

双極性障害は再発率が高い病気です。

ただし、早期に病気を発見し適切な治療を受けることができれば、多くの場合は問題なく社会生活が送れるようになります。そのため、全体の経過を把握してその時点の病相を改善することに加え、長期的な安定を目指した治療計画を立てることが大切です。病気をコントロールするためには、患者自身が病気について理解し、受け入れ、再発予防に努めることが何より重要です。治療方法としては薬物療法や心理社会的治療が検討されます。

薬物療法

薬物療法では主に気分安定薬や非定型抗精神病薬が使用されます。

躁状態のときと抑うつ状態のときでは治療法が異なるなど、双極性障害は治療薬の使い分けが難しい病気です。そのため、医師の指示に従って正しい量・回数を服用することが大切です。

なお、うつ病とは処方される治療薬が異なり、うつ病に使用される抗うつ薬は双極性障害のうつ状態が改善しないばかりか、経過を不安定化させる恐れがあります。したがって、抗うつ薬による治療をしても治らないうつ病の場合に、双極性障害の可能性について疑ってみることも有意義です。

心理社会的治療

心理社会的治療には、心理教育、家族療法、認知療法、対人関係・社会リズム療法などがあります。

  • 心理教育……患者本人が病気について正しい知識を身につけ、自分の症状を客観的に捉えることを目指します。
  • 家族療法……双極性障害の家族にも病気への理解を深めてもらい、患者と家族が協力して治療に臨めるようにします。
  • 認知療法……考え方の癖に気付き、物事をよりバランスよく捉えられるようにすることで、うつ状態のときに起こりがちな否定的な考え方を和らげます。
  • 対人関係・社会リズム療法……対人関係療法では、人と関わることによるストレスを解決することを目指します。また社会リズム療法では、自分の起きた時間・寝た時間、人との接触の程度などを記録し、生活リズムを守り、過度の対人接触をコントロールすることで症状の悪化を防ぎます。

再発予防

双極性障害は再発率が高く、再発を繰り返すたびに次の再発までの期間が短縮される恐れがあります。そのため、症状が落ち着いた後に再発を予防することが大切です。

再発の予防法としては、再発予防効果がある気分安定薬の使用による維持療法が重要です。また気分安定薬に加えて、一部の抗精神病薬にも再発予防効果があることが報告されています。そのほかストレスへの対処法を身につけておくことや、自分の再発の初期徴候を自覚しておくことなども大切です。

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