だいちょうけいしつしょう

大腸憩室症

最終更新日:
2018年09月05日
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2018/09/05
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概要

大腸憩室症とは、大腸に一部が袋のように飛び出ている憩室において、出血や炎症をきたした状態のことを指します。憩室において出血や炎症をきたすと、腹痛や発熱、吐き気や嘔吐などの症状が出現します。

大腸憩室症では、全身状態や出血、感染の状況によって治療方針が異なります。出血の程度が強く血圧が不安定である場合には、輸血も含めた治療が必要とされます。止血のために、下部消化管内視鏡(大腸カメラ)を用いて止血をしたり、動脈塞栓術を施行したりすることがあります。

原因

大腸憩室症は、大腸の一部が袋状に飛び出た憩室における感染や出血などを原因として起こります。

大腸の憩室の形成には、食生活が関与していると考えられています。食物繊維の少ない食事により腹圧がかかりやすくなり、腸のなかでも弱い部位が袋状にはみ出てきます。近年では、日本においても大腸憩室を持つ方が増えています。

大腸憩室における出血や炎症は、いくつかのリスク因子が関わって起こります。たとえば、頻回の解熱鎮痛剤の服用や肥満は出血のリスクを高めます。また、大腸憩室における炎症は、肥満、喫煙習慣などが関与して起こると考えられています。

 

症状

大腸に憩室を有しているのみでは必ずしも症状はありませんが、出血や炎症を起こすと症状が出現します。具体的には、腹痛や発熱、吐き気や嘔吐などの症状が出現します。

また、出血により下血をきたすことがあり、貧血が進行してしまうこともあります。貧血が進行すると、顔色不良や動悸、疲れやすさなどの症状が出現することがあります。出血量が多い場合にはショック状態に陥ることもあります。

検査・診断

大腸憩室症では、詳細な身体診察に加えて、血液検査や超音波検査、CT検査、大腸カメラなどの検査が行われます。

血液検査では白血球やヘモグロビン、CRPなどを測定して、炎症や出血の状態を評価します。また、超音波検査やCT検査では、炎症の広がり具合や穿孔の有無などを評価します。

大腸カメラでは、直接的に大腸を観察することができ、出血の状況や出血点などを評価することが可能です。また、必要に応じて止血術も施行します。

治療

大腸憩室症では、全身状態や出血、感染の状況によって治療方針が異なります。出血の程度が強く血圧が不安定である場合には、輸血も含めた治療が必要とされます。止血のために、内視鏡的に止血をしたり、動脈塞栓術を施行したりすることがあります。これらの処置で出血のコントロールが困難な場合、出血源となっている大腸を摘出することもあります。

炎症が生じている場合には、ときに腸管が穿孔していることがあります。重篤な穿孔が疑われる際には、緊急手術が必要とされます。

その他の場合は、腸管の安静を保ちつつ抗生物質投与、ドレナージ術などを検討し、治療が行われます。ただし、これら治療によっても改善傾向がみられない場合には、手術も検討されます。

大腸憩室を有する方は近年増えてきており、一度発症すると入院を余儀なくされてしまうことがあります。再発をきたすこともあるため、専門の医療機関において適切な治療を受けることが大切です。

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