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はいようしょうこうぐん

廃用症候群

最終更新日
2018年12月14日
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2018/12/14
掲載しました。

概要

廃用症候群とは、病気やけがで安静にすることで体を動かす時間・強さが減り、体や精神にさまざまな不都合な変化が起こった状態をいいます。

介護が必要な高齢者や脳卒中などで寝たきりになった人に多く起こりますが、大きな病気になったり大きな手術を受けたりした場合などは、もともと元気な大人や子どもでも起こることがあります。

原因

病気、けが、加齢による活動性低下、体の痛み、認知症、精神的な問題などで、ベッドで寝て過ごす時間が長くなったり、骨折部位をギプスで固定しているなど、体の一部を動かさない時間ができたりといったことによって起こります。

筋力や臓器の機能が落ちている高齢者では、特に起こりやすくなります。栄養不足だと、筋肉・骨などの破壊が進みやすくなり、廃用症候群になりやすくなります。

また、介護人が足りない、動きたくても介助を求められる状況ではない、階段を上り下りしないと外出できない、快適に過ごせる外出先がないなど、その人を取り巻く環境も影響します。

症状

廃用症候群では、下記のようなさまざまな状態を引き起こしやすくなります。

廃用症候群によって、起こりやすくなる状態

  • 筋肉がやせて筋力が落ちる
  • 関節の動きが悪くなる
  • 骨が弱くなる
  • 心臓や肺の機能が落ちる
  • 血圧の調節がうまくいかず、急に起き上がると起立性低血圧になる
  • (たん)や飲食物が肺に入り、誤嚥しやすくなる
  • 血管の中に血の固まりができやすくなり、大きな(かたまり)が肺などに詰まることもある
  • 食欲が落ち、逆流性食道炎になりやすくなる
  • 胃腸の動きが落ち、便秘になりやすくなる
  • 骨の成分が尿中に溶けだし、尿路結石を起こしやすくなる
  • 床ずれ褥瘡(じょうくそう))ができることがある
  • 精神的に落ち込みやすくなる
  • 脳の動きが鈍くなり、思考力が落ち、見当識が薄れる
  • 睡眠のリズムが崩れ、不眠症になる

など

こういった状態になるとさらに活動しにくくなり、筋力低下がますます進むといった悪循環になることがあります。

検査・診断

その人がどういう経緯で活動できなくなったのかをさかのぼって、よく聞きとります。風邪などで寝込んだこと、転倒し骨折をして入院したこと、冬で散歩に出られなくなったことなどがきっかけになることがあります。

認知症が出てきた→活動性が落ちた→ますます認知症が悪化したといったふうに、悪循環が起こることがあるため、認知症だから廃用症候群になったのか、廃用症候群から認知機能が落ちたのか、どちらが先かはわからない場合もあります。

認知機能が落ちる原因や活動性が落ちる原因には、脳内の出血や腫瘍・肝臓の病気・甲状腺などホルモンの病気といった治療可能な病気もありますし、薬の副作用といった可能性もあるため、こういった状態がないかを画像検査・血液検査なども含めて調べる必要があります。

治療

自分のできる範囲で身の回りのことをし、規則正しく生活し、日中しっかり頭と体を動かすといったことが必要です。安全に移動できるように自宅内の段差をなくす、手すりをつけるなどの環境整備も必要です。

リハビリやデイサービスといった体制を整え、外に出て人と接する機会をつくることも重要です。大きな手術やけががあるときには、できるだけ早くからリハビリを行い、体を動かし、口からものを食べて胃腸を動かすといったことが必要です。

安静の必要がある場合は、ベッドの上でもできる運動を取り入れます。また、体の維持に必要なエネルギーやタンパク質を十分摂取する必要があります。
寝たきりで体を全く動かさないと、筋肉量は減り、数週間で関節のなめらかさが失われていくといわれています。体の向きを数時間おきに変える、手足を動かすリハビリを毎日行うといったケアが必要となります。

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