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慢性甲状腺炎(橋本病)
慢性甲状腺炎(橋本病)とは、慢性的に甲状腺に炎症が生じ、甲状腺機能の低下が生じる病気です。甲状腺機能が低下する疾患は甲状腺機能低下症と総称されますが、慢性甲状腺炎(橋本病)はそのなかでももっとも...
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慢性甲状腺炎(橋本病)まんせいこうじょうせんえん(はしもとびょう)

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更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

慢性甲状腺炎(橋本病)とは、慢性的に甲状腺に炎症が生じ、甲状腺機能の低下が生じる病気です。甲状腺機能が低下する疾患は甲状腺機能低下症と総称されますが、慢性甲状腺炎(橋本病)はそのなかでももっとも頻度の高い病気といわれています。

慢性甲状腺炎は自己免疫性疾患のひとつであり、自分自身の免疫細胞が誤って甲状腺を攻撃してしまいます。しかし、なぜこうした自己免疫反応が生じるのかは明らかになっていません。炎症反応は慢性的に続き、時間経過と共に甲状腺が破壊される結果、甲状腺機能が徐々に低下してしまいます。中年以降の女性に多い疾患ですが、小児の発症例もあります。

原因

慢性甲状腺炎は自己免疫性疾患のひとつであり、自身の免疫反応が誤って甲状腺を攻撃することから発症します。慢性甲状腺炎では、リンパ球と呼ばれる白血球の一種が、病気の発症に関して重要な役割を果たしていると考えられています。

リンパ球は甲状腺に対する自己抗体と呼ばれる免疫物質を産生するようになり、自己抗体が継続的に甲状腺を攻撃するようになります。長期間炎症反応が生じる結果、甲状腺細胞が破壊され、正常な甲状腺の機能を果たすことができなくなり、そして甲状腺ホルモンの産生と分泌が低下します。

慢性甲状腺炎には遺伝的な要因の関与が疑われています。血液型にはABO型があるのと同様、体に分布する細胞にはHLA型と呼ばれる個人個人に応じた型が存在します。ある特定のHLA型を持つ人においては、甲状腺に対しての自己抗体が産生されやすい傾向があり、慢性甲状腺炎の発症リスクになると考えられています。

その他、ある種のウイルス感染症、性ホルモン、ヨードなど、遺伝的な要因以外のものも慢性甲状腺炎の発症に関与していると推定されています。

症状

甲状腺ホルモンは全身の代謝を活性化させるホルモンです。慢性甲状腺炎ではこのホルモンが少なくなり、それに関連したさまざまな症状が起きます。具体的には、以下が挙げられます。

  • 疲れやすさ
  • 体重増加
  • 髪の毛が細く弱くなる
  • 心臓の動きが鈍くなり脈が遅くなる
  • 関節の痛み
  • 便秘

など

また、目の上が腫れぼったくなったり、普段よりも寒がりになったりすることもあります。慢性甲状腺炎が不妊症の原因になることもあります。そのほかにも、甲状腺が全体的に大きくなることがあり、そのために首が太くなったようにみえたり、飲み込みや呼吸がし辛く感じたりすることもあります。

慢性甲状腺炎に関連した症状は、何か月もしくは何年もの年月を経て慢性に進行します。時にうつ病と間違われるほどの元気のなさ、集中力のなさなどがみられることもあります。

検査・診断

診断は、症状や身体所見に加えて、血液検査と甲状腺の超音波検査をもとに行われます。血液検査では甲状腺ホルモンの低下をみます。また、低下した甲状腺ホルモンの分泌を促すため、脳の下垂体からTSHと呼ばれる甲状腺を刺激するホルモンが多く分泌されていることが確認されます。

さらに、自己抗体として抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体、抗サイログロブリン抗体などが検出されることがあります。超音波検査では、甲状腺内部のエコー輝度低下や不均一を認めます。診断に迷う場合には、細胞診と呼ばれる検査を行い、炎症反応(特にリンパ球が大量に存在している)が甲状腺で生じていることを確認することもあります。

治療

甲状腺ホルモン(レボチロキシン)の補充が基本になります。レボチロキシンの内服量を決定するためには、甲状腺ホルモンの値のみならずTSHの値を参照します。

TSHが高い値を示している場合には、身体にとっては甲状腺ホルモンが充分に足りていないことを示唆しています。この場合には甲状腺ホルモンの内服量を増量します。定期的にTSHを確認しながら、個々の患者さんに適切な補充量が決定されます。