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熱中症(こども)
熱中症とは、暑い環境に体が適応できず、体温が著しく上昇することで引き起こされるさまざまな症状の総称です。人間は、気温や湿度が高い環境下では、汗をかくことによって体温を平熱に保っています。しかし、...
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熱中症(こども)ねっちゅうしょう こども

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

熱中症とは、暑い環境に体が適応できず、体温が著しく上昇することで引き起こされるさまざまな症状の総称です。人間は、気温や湿度が高い環境下では、汗をかくことによって体温を平熱に保っています。しかし、長時間にわたり暑い環境に身を置くと、体温を調節する機能がうまく働かなくなり、頭痛や吐き気、意識障害など、多様な症状が引き起こされます。重症度の高い熱中症では、後遺症が残ることや、死に至ることもあります。

熱中症に至るメカニズムは、大人も子どももほぼ同様です。しかし、大人と子どもでは体のつくりや生活環境などの条件が異なるため、症状の現れ方や発症のきっかけ、発症しやすさなどが異なります。特に乳幼児は、高齢者などと並び、熱中症になりやすいことで知られています。

熱中症の発症時期のピークは、日本の場合、梅雨明け後の7月中旬~8月上旬とされています。また、発症時刻は12時および15時前後が多いといわれています 。

熱中症は、野外だけでなく、温度・湿度が高い室内や車のなかでも起こります。予防のためにエアコンや扇風機を活用し、室温を28度程度に保つことが大切です。また、高温・多湿の環境下では、子どもの喉の渇きをみながら、こまめに水分を補給することがすすめられます。 特に小さな子どもは自分で症状を訴えることができないため、周囲の大人が予防を心がけ、顔色や汗のかき方などに注意を払うことが大切です。

原因

メカニズム

熱中症は、暑い環境に長時間いること、いたことにより、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)が減少したり、血流が滞ったりすることで起こります。体温を調節する機能がうまく働かなくなるため、平熱を保てなくなり、体温が著しく上昇します。このように体温が上がることで、体内の重要な臓器も高温にさらされ、全身に多様な障害が生じます。

子ども特有の原因

子どもの熱中症は、以下のような特徴も関係して引き起こされるといわれています。

  • 汗を分泌する汗腺が発達しておらず、体温を調節する機能が未熟であること
  • 大人に比べ背が低いため、地面の照り返しにより高温にさらされやすいこと
  • 乳児の体に占める水分量の割合は80%(成人では60%)と 成人に比べて高く、脱水になりやすいこと

など

また、体温に合わせて自分自身で洋服を調節できないことや、自分で不調を訴えられないことも、発症や気づきの遅れの原因となることがあります。

特に、乳幼児は体温調節機能が発達していないため、熱中症を起こしやすいとことが知られています。

熱中症になりやすい場所

高温、多湿、風が弱い、地面の照り返しなど輻写熱(ふくしゃねつ)があるといった場所では、熱中症を発症するリスクが高くなります。具体例としては、運動場や体育館、家庭の風呂場などが挙げられます。

児童や中高校生では、スポーツ活動中などに熱中症を起こすことがあります(労作性熱中症(ろうさせいねっちゅうしょう))。

乳幼児が熱中症を起こしやすい場所のひとつとしては、車のなかが挙げられます。車内は温度が上昇しやすいため、わずかな時間でもお子さんを一人きりにしないことが重要です (非労作性熱中症)。

症状

熱中症の重症度は、I度(軽症)、Ⅱ度(中程度)、Ⅲ度(重症)に分けられます。重症度に応じて、症状は以下のように異なります。

*以下の重症度分類は、大人・子どもの熱中症に共通して用いられます。ただし、小さな子どもは自分で的確に症状を訴えることができません。暑い環境下では大人が近くで観察し、顔が赤くなっている場合や、「汗っかき」にみえる場合には、涼しいところで休ませるなど、早めの対策を心がけましょう 。

I度(軽症)の症状

めまい・失神

脳への血液供給が一時的に不足し、立ちくらみなどが起こります。また、眠くないときに出る生あくびも熱中症の症状のひとつです。

筋肉痛・筋肉がつる(こむら返り)

汗をかくことでナトリウムなどの塩分が欠乏し、筋肉が硬直して足や腕などの筋肉が部分的につることがあります。

また、筋肉の硬直が重い場合は、全身がつる「こむら返り」が起こることがあります。このような筋肉の症状を「熱けいれん」と呼ぶこともあります。

大量の発汗

汗を多量にかき、「汗っかき」のようにみえることがあります。

これらⅠ度の症状のなかには、ご家庭での対処により改善するものもあります。

Ⅱ度(中程度)の症状

Ⅱ度の症状が現れている場合は病院の受診が必要です。

  • 頭痛
  • 気分の不快
  • 吐き気
  • 吐いた
  • 倦怠感(けんたいかん)
  • 虚脱感(きょだつかん)

倦怠感や虚脱感とは、体がぐったりとする症状や、力が入らない症状のことをいいます。「熱疲労(熱疲弊)」といわれることもあります。

Ⅲ度(重症)の症状

以下の症状がみられる場合には、すみやかに救急車を呼びましょう。Ⅲ度の熱中症は、入院して集中治療を受けることが必要な状態とされています。

意識障害

呼びかけに反応しない場合や、受け答えに異常がみられる場合を指します。

けいれん

全身をガクガクとさせ、引きつけを起こしているような状態を指します。

手足の運動障害

まっすぐ走ること、歩くことができない、自分で動けないといった状態です。

体を触ると熱い(高体温)

体温が高くなっており、体に触ると熱いと感じます。体の奥深くの体温(深部体温)が40度を超えると、全身のひきつけや血液が固まらない「DIC」といった症状が現れます。過去に熱射病や重度の日射病と呼ばれていた状態が、この「高体温」に該当します。

検査・診断

診断基準

診断基準は大人の熱中症と同様です。ただし、子どもの熱中症を診断する際には、保護者や教員の方など、周囲の大人から得られる情報が重要になります。受診する診療科は、小児科もしくは救急科(緊急性が高い場合)が適切です。

熱中症の診断のために重要な情報は、「暑い環境で起こった体調不良である」ということです。患者さんに症状が現れたとき、または現れる前に「どのような場所で何をしていたか」を、医師に詳しく伝えましょう。たとえば、炎天下の屋外で遊んでいた、車のなかにしばらく放置されていた、といった情報が熱中症を疑うきっかけになります。

暑い環境にいる最中、もしくはいた後に熱中症の症状が現れていることが確認でき、よく似た症状が起こる別の病気ではないことを確認できれば、熱中症と診断されます。

*熱中症と似た症状が現れる病気としては、感染症、悪性症候群による中枢性高体温、甲状腺クリーゼなどが挙げられます。

また、Ⅱ度の熱中症とⅢ度の熱中症を見極める際には、必ず血液検査が行われます。

治療

応急処置や治療は、基本的に大人の熱中症の場合と同様です。

現場での応急処置

  • 涼しい場所や移動させましょう。
  • 寝かせるなどして、安静を保ちます。吐き気がある場合や、意識がない場合などには、横向きに寝かせて気道を確保する「回復体位」をとらせましょう。
  • 患者さんが水などを飲める場合は、冷やした水分や塩分をこまめに補給します。

*意識がない場合など、水を飲めない場合は、無理に水を飲ませないようにしましょう。

  • Ⅱ度、Ⅲ度の症状がある場合は衣服をゆるめて、体を冷やします。タオルで包んだ保冷剤や濡れタオルなどを使い、首の周り、脇の下、太ももの付け根などを冷やしましょう。この部分には太い血管が走っているため、全身をより迅速に冷やすことにつながります。

軽症の場合は、現場での対処のみで症状が改善することがあります。また、重症と考えられる症状がみられている場合、救急車の要請と並行して応急処置を行うことが理想的です。

医療機関での治療

水分・塩分の補給

I度~Ⅱ度の熱中症の場合、水分と塩分の補給が行われます。口から飲み物を摂取できる場合は口を通して、塩分と水分が適切に配合された経口補水液を補給します(経口補水療法)。

口からの摂取が難しい状態のときには、点滴による補液が行われます。

冷却処置

高体温をきたしている重い熱中症では、体の奥深くの深部体温を38度台まで下げることを目的として、「冷却処置」が行われます。

スポーツ活動中などに起こった労作性熱中症の場合、生命に関わる合併症がないときに限り、病院へ搬送する前から医療者による冷却処置が開始されることもあります。

医療機関では、冷却処置により過度に体温が下がらないよう、並行して直腸や膀胱、食道などの体温を測定・観察するモニタリングが行われます。

日常生活のなかで起こる非労作性熱中症でも、できるだけ早期に深部体温を38度台に下げるため、冷却することが望ましいとされています。

その他

重い熱中症では、全身に多様な症状が現れるため、症状に応じた治療が追加で行われます。たとえば、呼吸状態が悪化している場合は人工呼吸管理が行われることがあります。また、けいれんが起こっている場合は、抗けいれん薬が使われることがあります。

予防

子どもの熱中症を予防するためには、水分のこまめな補給と、暑い環境を避けることが重要です。具体的な予防法としては、以下の方法が挙げられます。

水分と塩分の補給

  • 水分・塩分をこまめに与える 。

エアコンや扇風機の使用

  • 室内では扇風機やエアコンを使い、室温を28度ほどに保つ。
  • 換気を行ったり、遮光カーテン・すだれを使ったりして、室温が上がりにくい環境を保つ。

体温の測定

  • お子さんの体調を確認するために、こまめに体温を測定する。
  • 通気性のよい衣服、吸湿性や速乾性に優れた衣服を着用させる。
  • 外出時は帽子を被る。
  • 体調に応じて保冷剤や冷たいタオルで体を冷やす。
  • 暑い室内外での運動時や、外遊びのときには、こまめに休息時間を設ける。

など

また、体づくりのために、日頃から十分な睡眠時間を確保し、バランスのよい食事に気を配ることも大切です 。

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