がんめんけいれん

顔面けいれん

同義語
片側顔面けいれん
最終更新日:
2023年12月04日
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2023/12/04
更新しました
2017/04/25
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概要

顔面けいれんは、顔の片側のまぶたや頬の筋肉が自らの意思とは関係なくけいれんを起こす病気です。

男女ともに発症する可能性がありますが、特に中高年女性に多いといわれています。脳神経の1つである顔面神経の根元が血管に圧迫されることによって起こると考えられています。

疲れやストレスがあるときなどに症状が現れやすく、目の周囲や頬が繰り返しピクピクと動きます。けいれんは次第に頬や口の周りまで広がったり、重症の場合には目を開けることができなくなったりすることもあります。

治療には薬物療法やボツリヌス毒素を注射で投与する方法、手術などがありますが、軽症の場合は経過観察で様子を見ることもあります。

原因

脳の深いところにある顔を動かすための神経(顔面神経)の根元が血管に圧迫されることによって生じることが多いとされています。

顔面神経は顔の筋肉を動かす役割を持つほか、味覚や聴覚に関わる神経です。周囲に存在する動脈が、動脈硬化などの原因によりたわむことで、正常とは異なる部分に移動し、顔面神経の根元を圧迫して発症します。

症状

顔面けいれんの発症初期では、まぶたなど目の周囲にけいれんを認めるケースが一般的です。さらに頬や顎、口の周りなどの筋肉にも同時にけいれんがみられるようになり、重症になるとけいれんによって片目が開かなくなることもあります。

けいれんは、睡眠中は止まりますが、緊張や疲労によって誘発されることがあり、眩しさによって症状が悪化する場合もあるとされています。一方で、飲酒や仰向け寝によって症状が軽くなることもあります。

検査・診断

顔面けいれんの診断は、医師の診察で症状を確認することによって行われます。

また腫瘍(しゅよう)、血管の形態異常や動脈瘤(どうみゃくりゅう)などにより発症することもあるため、ほかの病気を除外する目的でMRI検査が行われます。MRI検査によって、顔面神経根周囲の血管が神経を圧迫している所見があるかどうかを確認し、顔面けいれんの診断に役立てます。

治療

顔面けいれんでは、症状の程度に応じて経過観察を行うケースや、薬物療法、ボツリヌス毒素治療、手術を行うケースがあります。

経過観察

軽症の場合は、積極的に治療せずに経過観察を行うケースがあります。けいれんの悪化を防ぐために疲労やストレスを避け、顔に冷気が当たらないよう注意したり禁煙や禁酒を行ったりすることも重要です。

薬物療法

顔面けいれんを治癒させるための治療薬は今のところありません。しかし、症状が比較的軽度な場合や発症からの期間が短い場合、ボツリヌス治療や手術が行えない場合などに、抗てんかん薬などを用いた薬物療法が行われることがあります。

薬物療法の副作用は主に眠気やだるさなどです。効果が期待できない場合や副作用が強くみられる場合には、ほかの治療法が検討されます。

また、高血圧の状態の患者の場合では、降圧薬の投与によってけいれんの改善がみられるケースがあります。

ボツリヌス毒素治療

注射によるボツリヌス毒素の治療では、顔面けいれんによる症状を一時的に和らげる効果が期待できます。注射後は2〜3日程度で効果が現れることが多く、4か月ほど持続するとされています。

2000年に保険が適用され、安全性や有効性が期待できる治療法とされていますが、効果が消失してきた場合に再度注射による治療を行う必要があります。

手術

重症の場合や完治を希望する場合は手術が検討されます。

手術では、MRI検査で神経を圧迫する血管を特定したうえで圧迫を取り除く“ジャネッタ手術”が全身麻酔下で行われる場合があります。

この手術は、顕微鏡下で丁寧に神経と血管を剥離(はくり)し、血管を移動させることで顔面神経の根元への圧迫を解除します。脳の中枢である脳幹に近い部位を操作するため、手術の適応については入念に検討され、患者がリスクを十分に理解したうえで行うことが重要です。術後は、経過が良好であれば1週間から10日程度で退院となるのが一般的です。

予防

顔面けいれんは、疲労やストレス、動脈硬化により発症することがあると考えられています。動脈硬化は血管が硬くなり詰まりやすくなる病気で、喫煙習慣や高血圧、肥満、運動不足などによって発症しやすくなります。予防のためには喫煙や飲酒を控え、食生活を見直し、適度な運動や血圧のコントロールを心がけましょう。

また、疲労やストレスを避けるため、趣味を楽しむ時間をつくったり軽いストレッチなどを行ったりして、リラックスできる時間を取ることも重要です。

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