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きょうけんびょう

狂犬病

最終更新日
2021年03月17日
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2021/03/17
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

狂犬病とは、狂犬病ウイルスに感染した犬やそのほかの動物に()まれることで引き起こされる病気です。一度発症すると救命は極めて難しいといわれています。狂犬病の感染を防ぐためには、人間が予防接種を受けるだけでなく、ペットとして飼われている犬に対して予防接種を行うことも欠かせません。

日本では、狂犬病予防法により、犬へのワクチン接種・検疫制度が整えられていますが、海外へ旅行する際には注意が必要な場合もあります。流行地域はアジア、南米、アフリカで、全世界では毎年50,000人以上が死亡しています。世界の中で狂犬病が根絶された地域はオーストラリア、台湾、ハワイ等と島国・地域に限られています。

日本では1956年のヒト症例、1957年の動物の症例を最後に、狂犬病の国内発生は報告されていません。ただしその後、国外で咬傷を受け、帰国後発症し死亡したヒト輸入例が合計で4例報告されています(2021年3月時点)。海外渡航者に対する適切な狂犬病の情報提供と、継続的な啓発が大切です。

原因

狂犬病は、狂犬病ウイルスに感染することで起こる病気です。狂犬病ウイルスに感染した動物に咬まれたり、感染した動物の唾液とヒトの傷口が接触したりすることで感染が成立します。

犬に咬まれて発症する症例がほとんどですが、狂犬病ウイルスは犬以外の動物からも確認されています。たとえば、アライグマ、スカンクス、キツネ、コウモリなどの野生動物に咬まれることでも感染が成立します。

症状

感染後~発症するまで

感染後、症状が出るまでの潜伏期間は1~3か月といわれています。潜伏期間は、咬まれた部位や、体内に侵入したウイルスの量などにより変わると考えられています。咬まれた部位の局所症状としては、痛み、しびれ、感覚麻痺、やけどの後のようなピリピリした感覚異常などが挙げられます。

初期症状

狂犬病の初期症状には、発熱、頭痛筋肉痛、悪寒など、インフルエンザなどでもみられる症状があります。

進行症状

狂犬病ウイルスが創部から移動して中枢神経系に侵入すると、興奮、意識障害、錯乱、幻覚などの神経症状が起こります。また、狂犬病で生じうる特徴的な症状には、恐水症があります。これは咽頭部筋肉(いんとうぶきんにく)の反射性けいれんにより、水を飲もうとしても飲めない症状です。

その後、数日の経過で全身けいれんや不整脈が起き、全身の臓器に障害が起こって死に至ります。このほか、典型的ではない狂犬病の症例として、全身の麻痺が目立つものもあります。ゆっくりとした経過を辿り、典型的な狂犬病と異なるため診断が難しいケースもあります。

検査・診断

狂犬病は、各種検体(角膜・皮膚、痰、唾液、脳脊髄液(のうせきずいえき)など)を用いたウイルス検査や、狂犬病ウイルスに対する抗体検査などから診断されます。病原体診断としては、唾液や脳脊髄液、うなじの毛根部組織を用いた検査などが可能とされています。しかし、いずれの方法を用いても、発症前の段階から狂犬病を診断することは極めて困難です。

そのため、特に初期には病歴や症状から狂犬病を疑い、検査結果を待つことなく迅速に治療につなげることが重要とされています。狂犬病を疑うために、狂犬病の流行地域で犬などの動物に咬まれたかどうか、狂犬病の典型的な症状が出ているのかどうかといった情報が重要です。

予防

狂犬病に感染する可能性がある国などで、犬やそのほかの動物に咬まれた場合は、曝露後予防措置を行います。曝露後予防措置とは、(1)石鹸と流水による傷口の十分な洗浄、(2)曝露後ワクチン接種、(3)咬傷部位への抗狂犬病ウイルス免疫グロブリンの投与の3種からなります。いずれも迅速(24時間以内)に開始する必要があります。曝露後予防措置を全て迅速に行った場合の効果は非常に高いと考えられています。ただし、抗狂犬病ウイルス免疫グロブリンが利用できる地域は限られているため、その点には注意が必要です。

狂犬病を発症してしまうと治療方法がありません。そのため、流行地域に赴く際には、事前の予防接種を受けることが大切です。また、特に海外ではむやみに犬などに近づくことは控えるようにしましょう。

 

 

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