はいりゅうしゅ

稗粒腫

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

稗粒腫とは、皮膚の表面にできる1~2mm大の小さな塊からなる皮膚の病変(病気による変化)を指します。

産まれつき稗粒腫を持っているケースもありますが、外傷やけどによる皮膚の治癒過程で成人になってから生じることもあります。さまざまな年齢層で生じる可能性がありますが、新生児や成人女性にみられることが多いです。

目元や鼻などに多発することがあり、塊のなかにケラチンと呼ばれるタンパク質が含まれています。見た目の変化が生じるため、美容的な観点から問題になることもありますが、それ以外の健康被害が生じることはありません。

数週間で自然に治ることも多いですが、治療経過が長引きしばらく残存するものもあります。基本的には健康被害を引き起こすことはないですが、美容的な観点から治療対象になる場合もあります。

原因

産まれつき稗粒腫が存在している場合もありますが、外傷をきっかけにして生じることもあります。皮膚の治癒過程に一致して、皮膚に元々存在する汗腺(かんせん)や毛穴などを起源として稗粒腫が生じます。外傷のタイプはさまざまであり、やけど、針での刺し傷、擦り傷などがきっかけになることがあります。また、先天的に水疱が形成されやすい病気がありますが、こうした皮膚疾患を基礎として何度も水疱を繰り返す過程で稗粒腫が生じることがあります。

そのほか、まれではありますが、薬剤や先天性疾患(Gardner症候群やRombo症候群、Bazex-Dupre-Christol症候群、Nicolau-Balus症候群など)と関連して稗粒腫が発症することもあります。

症状

1〜2mm程度の大きさで白色〜乳白色の丘疹(皮膚が盛り上がり)状の隆起が生じます。目元や鼻先、顎などによくできますが、体中どこでも生じる可能性があります。また1~2個だけの病変ではなく、多数の盛り上がりが集まる形で集積することもあります。

赤ちゃんは生まれつき鼻に稗粒腫がみられることが多いため、ありふれたものといえます。産後退院までの1週間程の間にはまだ鼻や目元にみられることがありますが、数週間の経過で自然に消失することがほとんどです。そのため、1か月健診時には生後みられた稗粒腫がなくなっているというケースがほとんどです。

外傷をきっかけとして発症した場合は、自然に消失することもあれば、長期間残ることもあります。

稗粒腫は見た目の変化を伴いますが、かゆみや痛みなどの自覚症状はありません。

検査・診断

基本的には皮膚の見た目の変化を詳細に確認することで診断します。そのほかの皮膚病変と見極めるため生検などが行われることもありますが、特別な検査をすることなく診断することが可能な場合が多いです。

治療

基本的には見た目の変化を伴うのみで、痛みやかゆみ、そのほかの臓器障害などを引き起こすことなどもないです。新生児期にみられるものを含め、自然に消失することも期待できるため、特別な処置を行わずに経過観察することも少なくありません。

しかし、見た目の変化が気になるなど美容的な観点から治療介入を検討することもあります。その場合には、病変に小切開を加え、内容物を圧出したり、炭酸ガスレーザー、ケミカルピーリング、液体窒素などを用いたりして治療をおこなう場合もあります。

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