いしょくどうぎゃくりゅうしょう

胃食道逆流症

別名
GERD
最終更新日:
2022年05月12日
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2022/05/12
更新しました
2017/04/25
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概要

胃食道逆流症とは、胃酸を含む胃の内容物が食道へ逆流する病気の総称です。胃酸は酸性度が高い性質があり、胃の粘膜は胃酸の刺激に耐え得る仕組みが備わっていますが、食道にはそのような仕組みがありません。そのため、胃酸が食道に逆流すると胸やけや前胸部痛などの症状が現れたり、食道の粘膜がただれたりするのです。

胃食道逆流症には、症状があるのに食道の粘膜は正常なケース、自覚症状はないものの食道の粘膜がただれているケース、自覚症状があり食道の粘膜にもただれがあるケースの3つのタイプに分けられます。

基本的には胃酸を抑える薬などを用いた薬物療法を行いますが、この病気は生活習慣の乱れが関わっているケースも多いため生活の改善が必要になることも少なくありません。

原因

胃食道逆流症は、胃の内容物が食道に逆流することでさまざまな症状や食道粘膜の炎症を引き起こす病気のことです。

胃と食道の境目には“下部食道括約筋”と呼ばれる筋肉が存在し、飲食物が食道から胃へ流れ込むとき以外はきつく閉じられています。そのため、通常であれば胃の内容物が食道へ逆流することはありません。しかし、下部食道括約筋が緩むことで胃食道逆流症を発症することがあります。

下部食道括約筋が緩む原因としては、加齢による筋力の低下、肥満・妊娠・姿勢の悪さ・締め付けの強い衣類などによる腹圧の上昇などのほか、高脂肪食・喫煙・暴飲暴食・過度な飲酒などの生活習慣が挙げられています。

症状

胃食道逆流症は胃の内容物が食道に逆流する病気ですが、症状などから3つのパターンに分けられます。

胃酸は非常に刺激が強いため、胃酸を含む胃内容物が逆流することで食道の粘膜にダメージが生じることがあります。このようなタイプの胃食道逆流症を“逆流性食道炎”と呼びますが、自覚症状がなく健診の内視鏡検査などで偶然発見されるケースも少なくありません。一方で、食道に炎症が生じることが原因で胸やけ、吐き気、前胸部痛、呑酸(すっぱいものが上がってくる)などの症状が現れることもあります。また、夜間は特に逆流が生じやすく、重症な場合には慢性的に喉の辺りまで胃酸が逆流することで喉の痛みや違和感、咳、声のかすれなどの症状が生じます。

また、胃食道逆流症には食道の粘膜に炎症がないものの、上述したような自覚症状のみが現れるタイプもあります。このようなタイプの胃食道逆流症は“非びらん性胃食道逆流症”と呼ばれています。

検査・診断

胃食道逆流症が疑われるときは次のような検査が行われます。

上部消化管内視鏡検査

食道の粘膜に炎症が生じているか確認するために必須の検査です。内視鏡検査では食道や胃の粘膜の状態を詳しく観察することが可能であり、下部食道括約筋の緩みの有無などを評価することもできます。

健診などで受けた内視鏡検査で症状のないタイプの逆流性食道炎が偶然発見されるケースもあります。

画像検査

胃食道逆流症は食道裂孔(しょくどうれっこう)ヘルニア(胃の位置が上がる病気)などによって引き起こされることがあるため、原因となる病気の有無などを確認するために胸部X線検査やCT検査を行うことがあります。

血液検査

胃食道逆流症で生じる症状は消化器系の病気でよくみられる症状でもあるため、ほかの病気との鑑別や全身の状態を評価することを目的に血液検査を行うことがあります。

治療

胃食道逆流症の治療は、胃酸の分泌を抑えたり、消化管の運動を促したりする薬を使用する薬物療法が主体となります。多くは薬物療法で改善しますが、この病気はタイプによらず暴飲暴食、早食い、喫煙、アルコール多飲、姿勢の悪さ、就寝前3時間以内の食事などの生活習慣が発症原因のことが多々あります。このようなケースでは薬物療法と並行して原因となる生活改善を行っていくことが必要です。

また、重度な食道裂孔ヘルニアなどが原因となっている場合には逆流防止の手術などを行うこともあります。

予防

胃食道逆流症は暴飲暴食、早食い、食後間もなく寝てしまう、締め付けの多い衣類、姿勢の悪さ、喫煙、アルコール多飲などの生活習慣が発症の要因であるとされています。そのため、原因となる生活習慣を改善することが発症予防につながります。

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