せきずいえん

脊髄炎

最終更新日:
2018年09月05日
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2018/09/05
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概要

脊髄炎とは、脊髄(せきずい)に炎症が引き起こされた状態を指します。

脊髄は神経の束であり、運動や感覚などに重要な役割を担っています。そのため、脊髄炎が生じると、手足の麻痺や感覚障害、また排尿や排泄に関する症状などが生じることもあります。

脊髄炎の原因や治療方法は多岐に渡るため、できるだけ早期に医療機関の受診を検討することが大切です。

原因

脊髄炎は、感染症やワクチン接種、薬剤、自己免疫疾患などが原因で発症します。

感染症としては、以下が挙げられます。

など

ポリオウイルスや水痘ウイルスは予防接種が導入されていますが、ヘルペスウイルスやEBウイルス、サイトメガロウイルスやエンテロウイルスなどは日本においてもありふれたウイルスであるため、こうしたウイルスを原因に脊髄炎が発症するリスクは考えられます。

また、マイコプラズマや梅毒結核などが原因となることもあります。

そのほかにも、ワクチン接種や薬剤、自己免疫疾患などがきっかけとなり脊髄炎が引き起こされることがあります。具体的には、抗菌薬や抗真菌薬の使用、また、全身性エリテマトーデスSLE)や多発性硬化症などの病気と関連した発症です。

多発性硬化症が原因となっている場合には、同時に視神経も障害を受けることがあり、特に視神経脊髄炎と呼ばれます。

症状

脊髄は、運動や感覚を司る神経が束ねられた組織であり、脊髄炎を生じることでさまざまな神経障害が引き起こされる可能性があります。

具体的に生じる症状としては、手足の動かしにくさや感覚の低下、痛みやしびれなどを挙げることができます。そのほか、排尿のしにくさ、尿失禁、便秘などの排泄に関する障害が生じることもあります。

原因の項目にもあるように、多発性硬化症では視神経も同時に障害を受けることがあります。その結果として、目の痛みや視野障害、失明などの症状をきたすこともあります。

障害が生じる部位や程度、また一過性なのか永続的なのかなどは、障害を受けた脊髄の部位や原因によって異なります。

検査・診断

脊髄炎では、脊髄や脳の周りを循環する脊髄液の検査をすることがあります。

具体的には、腰から針を刺して脊髄液を採取して検査を行ないます。これにより、炎症状況や細菌・ウイルスの存在の有無、組織障害の程度などを評価します。

また、MRI検査にて炎症状況を評価したり、血液検査を行い自己抗体の検出や、ウイルス感染の状況などを確認したりすることもあります。

治療

原因に対する治療が可能な場合には、原因に応じた治療介入が行われます。

たとえば、ウイルスが原因と思われる場合には抗ウイルス薬を使用し、細菌感染が原因の場合には抗生物質を使用します。薬剤が原因の場合には、原因薬剤を中止することも必要です。

また、脊髄に生じた炎症の沈静化を期待して、ステロイド投与を行うこともあります。そのほかにも、血液浄化療法、対症療法(鎮痛薬などの使用)も適宜検討します。

原因のひとつであるポリオは、ワクチンによって予防することが期待できるため、予防接種を受けることも大切です。

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