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蟯虫
蟯虫(ぎょうちゅう)(Enterobius vermicularis)は寄生虫の一種です。人間の大腸や直腸に寄生することが知られており、「蟯虫症」と呼ばれる病気を引き起こすことがあります。蟯虫症...
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お尻・肛門

蟯虫ぎょうちゅう (別:蟯虫症)

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

蟯虫(ぎょうちゅう)(Enterobius vermicularis)は寄生虫の一種です。人間の大腸や直腸に寄生することが知られており、「蟯虫症」と呼ばれる病気を引き起こすことがあります。蟯虫症にかかると肛門周囲の痒みが出現し、夜間の寝不足につながることもあります。

蟯虫の発生には、衛生環境が深く関係しています。日本においては戦前から戦後までしばらくの間、衛生環境が整っていない時期がありました。また、長屋での生活など集団生活を送る機会も多かったです。こうした状況下において、蟯虫症はありふれた身近な病気の一つでした。このような日本の社会背景を踏まえて、蟯虫検査は学校健診における必須項目の一つに取り上げられていました。しかし、近年では生活環境の改善と共に蟯虫が検出されることが少なくなってきており、2015年度からは蟯虫検査は義務項目から外されています。

しかしながら、地域によっては蟯虫の検出率が高い地域も存在していることも知られています。蟯虫症についての知識を得ておくことは早期発見・早期治療に役立ちますし、周囲への感染拡大を抑制することにもつながります。

原因

蟯虫は、人間の大腸や直腸に寄生します。雌の蟯虫は夜間就寝中などに活動をはじめ、肛門の周囲に卵を産みつけます。そのため、肛門が刺激され痒みが引き起こされます。

卵はおよそ6時間で感染性を持つようになり、ベッドやカーテンなどさまざまな場所に付着して2〜3週間は生きています。卵が付着したものを触った手で食事をとったりすることで感染が成立します。そのほか、空気中に舞い上がった卵を吸い込むことからも感染することが知られています。

症状

1〜2か月ほどの潜伏期間の後に症状が出現するようになります。寝ている間に肛門周囲で蟯虫が活動することから、就寝が妨げられるほどの痒みを生じることがあります。また、寝不足になることで日中の機嫌が悪くなり情緒不安定になることもあります。

かゆみにより皮膚に傷が生じると、同部位に細菌感染症を起こすこともあります。成虫の蟯虫は肛門に留まることなく、(ちつ)や尿道などの肛門周囲の臓器に移動することも知られています。これらのことから尿道炎や膣炎などを生じることもあります。

蟯虫に感染すると睡眠が障害されるほどの強い痒みが出現することが特徴的ですが、なかには無症状で経過する方もいます。しかし、こうした方であっても周囲に感染を拡大するリスクを有しており、感染拡大予防の観点からは重要です。

検査・診断

蟯虫の診断は、スコッチテープ法と呼ばれる検査で行われます。学校健診でも実施される方法です。蟯虫の活動は夜間が活発であり、起床時の肛門周囲は卵の量が多いです。したがって、起床後の朝一に実施する検査であり、肛門周囲にテープを貼付けて卵が存在していないかを確認します。蟯虫がいる場合には、顕微鏡検査を用いてテープ上に蟯虫の卵が存在することが確認されます。

治療

蟯虫の治療には、駆虫薬が使用されます。成虫の蟯虫の場合、駆除剤の種類によっては一回内服することで駆逐することが期待できます。しかし、卵の場合は、一回の服用のみでは除去することはできません。したがって、孵化(ふか)するまでの時間を考慮して2〜3週間の間隔を置いて、2回目の内服を行います。さらに間隔を置いてから3回目を内服することもあります。

蟯虫は、明らかな症状がみられないこともあるため、家族をはじめとして濃厚接触する人を対象に一括して治療をすることが勧められます。痒みが強く、二次的な皮膚細菌感染症を生じている場合には、抗生物質が適応になることもあります。

蟯虫の卵は環境中に散布し、それを経口摂取することから感染が拡大します。衛生環境を向上させて卵を除去するために、掃除をすることは大切です。また、食事の際やオムツを替えた後など、手洗いを徹底することも感染を予防するためには重要です。蟯虫の卵は日光に対して弱いことも知られています。寝室に日の光を入れたり、寝具を洗った後にしっかり干したりすることも感染拡大予防につながる手段です。