かくかいじょうしょう

角化異常症

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

角化異常症とは、白色から褐色調の魚の鱗様の角質が皮膚の広範囲において分厚くなる病気です。魚鱗癬と呼ばれることもあり、多くは皮膚の角化や角層のバリア機能に重要なタンパク質に関連する遺伝子の異常によるものです。

角化異常症では、原因となる遺伝子の違いにより病型が詳しく分類されており、出生時に症状を認めない遅発性魚鱗癬(尋常性魚鱗癬、伴性劣性魚鱗癬)、出生時から症状が認められる先天性魚鱗癬道化師様魚鱗癬、葉状魚鱗癬、表皮融解性魚鱗癬など)があります。
 

原因

角化異常症の多くは遺伝子異常によるものです。代表的な病気の遺伝形式と病因遺伝子は以下の通りです。

  • 尋常性魚鱗癬(常染色体優性遺伝):フィラグリン遺伝子の異常
  • 伴性劣性魚鱗癬(伴性劣性遺伝):ステロイドスルファターゼ遺伝子の異常
  • 道化師様魚鱗癬(常染色体劣性遺伝):ABCA12遺伝子の異常
  • 葉状魚鱗癬(常染色体劣性遺伝):トランスグルタミナーゼ1遺伝子の異常など
  • 表皮融解性魚鱗癬(常染色体優性遺伝):ケラチン1または10遺伝子の異常など
     

症状

尋常性魚鱗癬

出生時には無症状のことが多いです。幼少時期になって発症し、思春期頃までに徐々に進行する傾向がありますが、その後は軽快するのが一般的です。
症状は四肢伸側や背部、体幹側面部などに顕著で、冬季に増悪し、夏季に軽快します。

伴性劣性魚鱗癬

一般に生後すぐに発症します。侵される範囲は尋常性魚鱗癬よりも広く、四肢伸側だけでなく、屈側にも認められます。

道化師様魚鱗癬

新生児期の死亡例もまれではありません。皮膚の発達は胎生期にすでに障害されており、出生時には全身が厚い鎧状の角質で覆われています。角質の深い亀裂、眼瞼外反、口唇突出開口、耳介の変形などを伴っています。

葉状魚鱗癬

出生時から暗褐色で板状もしくは葉状の鱗屑が全身の広範囲にみられます。びまん性潮紅をきたします。

表皮融解性魚鱗癬

出生時から厚い角質とびまん性潮紅をきたします。乳幼児期には水疱形成が目立ち、年齢とともに角質肥厚が目立つようになります。
 

検査・診断

角化異常症が疑われる場合、遺伝子検査を実施して原因遺伝子の変異の有無を調べます。最近では遺伝子検査のレベルが向上し、道化師様魚鱗癬の出生前診断が可能となりました。

治療

サリチル酸ワセリン、尿素軟膏、活性型ビタミンD3軟膏などの外用を使用した対象療法が主体です。また、症状に応じてレチノイドの内服を行うこともあります。
道化師様魚鱗癬の場合、輸液管理、体温の管理、皮膚局所を含めた感染予防も必要です。
 

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