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A型急性肝炎

最終更新日:
2018年07月19日
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2018/07/19
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概要

A型急性肝炎とは、A型肝炎ウイルス (hepatitis A virus: HAV)に感染することで引き起こされる急性肝炎を指します。

衛生環境が整っていない発展途上国で発症をみることが多い疾患ですが、国内での発症例もあります。

A型肝炎ウイルスに感染してから1か月ほどの潜伏期間を経た後に、食欲低下、倦怠感、吐き気、嘔吐、腹痛などの症状が現れます。治療では静を保ちつつ、食欲不振に対して輸液を行うことがあります。

原因

A型急性肝炎は、A型肝炎ウイルスに感染することを原因として発症します。水や氷、野菜、カキなどがA型肝炎ウイルスによって汚染されていることがあり、これら汚染されたものを口から摂取することでウイルスに感染します。

また、A型肝炎ウイルスは糞便中に排出されることも知られています。そのため、アナルセックスなどはA型肝炎ウイルスに感染するリスクを伴います。

症状

A型急性肝炎は、A型肝炎ウイルスに感染してから1か月ほどの潜伏期間を経た後に発症します。症状としては、食欲低下、倦怠感、吐き気、嘔吐、腹痛などがあります。

黄疸の症状が出現することもあります。この段階では皮膚や白眼の部分が黄色く変化したり、尿の色が暗色に変化したりします。A型急性肝炎は、1か月ほどの経過で治癒に向かいます。

しかしA型急性肝炎では、劇症肝炎と呼ばれる重篤な症状を呈することもあります。劇症肝炎では肝臓の機能が著しく低下し、意識障害、全身のむくみなどの症状が現れることがあります。

検査・診断

A型肝炎ウイルスに感染すると、人の体の中ではウイルスを排泄するための「抗体」と呼ばれる物質が産生されます。この抗体を検出することを目的として、血液検査が行われます。

また、A型急性肝炎では、糞便や血液を用いてウイルス特有の遺伝子を検出するPCRと呼ばれる検査が行われることもあります。

A型急性肝炎では、肝臓の機能を評価するための検査も重要です。具体的には血液検査にてASTやALT、ビリルビン、ALP、コリンエステラーゼ、凝固因子(血液を固めるために必要な物質)などの項目を評価します。超音波検査を行い、肝臓の形態的な評価を行うこともあります。

治療

A型急性肝炎は、本来一過性に経過し、自然治癒やしやすい疾患です。また、A型肝炎は一度感染すると終生免疫が成立し再感染することはありません。

治療では、対症療法が中心となります。肝庇護薬を使用しつつ、安静を保ちます。劇症肝炎と呼ばれる状態に陥ることもあるため、血液検査などで状態を評価しながら経過をみます。劇症肝炎を発症した場合には、肝移植も考慮されます。

予防

A型肝炎ウイルスの感染は、不衛生な環境で起こることがあるため、海外などで調理状況のわからない食事は摂取しない、ミネラルウォーターを飲む、などの対策が求められます。

A型肝炎ウイルスに対してはワクチンによる予防を行うことも可能です。A型肝炎ウイルスへの感染のリスクが高い発展途上国への渡航に際して、日数的な余裕を持って予防接種を受けることも検討することが大切です。

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