えーじーえー

AGA

同義語
男性型脱毛症,壮年性脱毛症,MPHL
最終更新日:
2020年12月25日
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2020/12/25
更新しました
2017/04/25
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概要

AGAとは男性型脱毛症(androgenetic alopecia:AGA)の略称であり、男性ホルモンと遺伝が関連した脱毛症のことを指します。最近では「MPHL(male pattern hair loss)」と呼ばれるようになってきています。

AGAにおける脱毛症では髪の毛の抜け方にパターンがあり、特に頭頂部と前頭部における脱毛症状がみられます。AGAでは髪の毛が伸びる成長段階の時間が短くなっており、正常よりも早い時間軸のなかで髪の毛が抜けます。

発症するとまず髪のハリやコシが失われ、うぶ毛のような頼りない毛に変わっていきます。その後にじわじわと脱毛していくので、進行の過程で気づく方も少なくありません。

原因

毛髪にはヘアサイクルという周期があります。通常の毛髪は、(1)成長期、(2)退行期、(3)休止期の3期を繰り返しており、このうち毛髪が大きく成長する成長期は2年から6年ほどあります 。

AGAでは、髪の毛が伸長するべき成長期の期間が正常よりも短くなってしまい、しっかりと髪の毛が伸びる前に伸張反応を止めてしまいます。その後、退行期、休止期へとうつることから、髪の毛が抜け落ちてしまいます。

AGAの発症には、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)が関与しています。DHTの働きが強い状態では、毛髪の伸張反応が抑制されてしまい、結果として脱毛症の発症につながります。DHTは、男性ホルモン受容体と呼ばれる部位にはたらきかけることがわかっており、男性ホルモン受容体は、頭頂部や前頭部の毛髪に多く存在していることから、AGAによる脱毛症状は同部位に起こりやすいです。

AGAと遺伝的素因の関係

AGAには遺伝的素因も関係していると考えられています。AR受容体とも呼ばれる男性ホルモン受容体の感受性の高さは、AR遺伝子という遺伝子により決まります。AR遺伝子の中にはCAG塩基配列が繰り返される部分が存在しており、この繰り返し配列が短い人ほどAGAになりやすいと考えられています。

AGAの診断では遺伝子診断を行うことがありますが、この繰り返し配列の回数を確認することでAGAを発症しやすいかどうかを調べます。

症状

AGAによる脱毛症状は、男性ホルモン受容体が広く分布する頭頂部や前頭部にみられます。両方の領域で脱毛症状がみられることのある一方、いずれかの部位に限局してみられることもあります。

AGAはこの領域における脱毛症状の組み合わせから発症し、脱毛様式にパターンが認められるのが特徴です。前頭部の髪の生え際がM字型、または頭頂部がO型に薄くなり、その範囲が徐々に広がっていきます。

また、AGAでは毛髪の成熟がしっかりと得られないうちに脱毛が起こるため、髪の毛の質的な面にも変化がみられるようになります。具体的には軟毛(なんもう)と呼ばれる細い毛が全体的に増え、抜け毛の増加や髪全体のボリューム減少につながっていきます。

脱毛症状は男性では思春期以降の20代後半から30代後半でみられるようになり、年齢が高くなるにつれて多くなります。女性の場合には閉経後に発症することが多く、頭頂部の毛髪が薄くなる傾向があります。

検査・診断

AGAの診断には問診(カウンセリング)、頭部撮影による所見確認 、ダーモスコピー検査 などを行います。ダーモスコピー検査とは、本来ほくろや腫瘍などの色素病変(しきそびょうへん)を拡大鏡(ダーモスコープ)で観察し、良性か悪性かを判断するために行われるものです。これを頭皮に用い、薄毛部分の毛髪の太さなどを確認することでAGAの診断を行います。

毛髪が薄くなっている部分には、太い毛(終毛)と細い毛(軟毛)がまだらに生えています。国際的な診断基準では、薄毛部分に2割以上軟毛化があればAGAが疑われます。また軟毛の毛穴付近がやや茶褐色状になっていることがあります。髪の毛の太さは、側頭部や後頭部の毛髪と比較することで軟毛化を判断します。

治療

日本皮膚科学会のガイドラインでは、内服薬としてフィナステリド、デュタステリド、外用薬としてミノキシジル、外科的治療として自家植毛を推奨しています。こうした治療方法を、副作用を特に認めない限り適切に組み合わせながら、継続的に治療が行われます。

ただし、治療効果については一定ではないこともあります。また、薬剤の使用をやめることで再度脱毛症状が進行する可能性もあります。そのため、若い時期や気になりはじめた時期から治療を開始し継続することが大切になります。

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