ぶいでぃーてぃーしょうがい

VDT障害

別名:VDT症候群
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概要

VDT障害とは、パソコンなどのディスプレイやキーボード(Visual Display Terminals)を長時間連続して使用することによって、身体的疲労等の自覚症状がみられることです。インターネット上では「VDT症候群」と検索されていることも多いようです。

近年、就業中に長時間パソコンを使用する状況が増加しており、厚生労働省は「VDT作業における労働衛生環境管理のためのガイドライン」を定めて、雇用者が労働者の健康管理に配慮するよう求めています。

原因

眼症状の原因

画面に集中することによる瞬目(しゅんもく)(まばたき)回数の減少や目線の変化による開瞼(かいけん)(まぶたを開く)幅の増加によって起こるドライアイや眼精疲労が原因になります。

筋骨格系症状の原因

長時間にわたる同一姿勢の保持や手指の酷使が原因です。

精神症状の原因

単調な作業の繰り返しや不適切な光や音によって引き起こされていると思われます。
 

症状

眼症状、筋骨格系症状、精神症状などが出現することがあります。

眼症状

  • ドライアイによる乾燥感、異物感、羞明(しゅうめい)(まぶしいこと)、視力低下、頭痛など
  • 調節力低下(老眼)による近見から遠見へ変化した際の調節力不足や調節速度の低下
  • 眼精疲労による眼痛や頭痛

筋骨格系症状

  • 首、肩、腰のこり
  • 腕、手の痛みやしびれ

精神症状

  • 頭痛、耳鳴り、イライラ、倦怠感、疲労感など

検査・診断

ドライアイの検査として、シルマー試験紙による涙液量の測定と涙液層破砕時間(BUT:tear film break up time)の測定による涙液安定性の確認を行います。シルマー試験紙による検査で5mm以下、BUTで5秒以下は異常値となります。涙液量の減少はBUTの短縮も引き起こします。ドライアイ研究会が2016年に定めたドライアイの診断基準では、自覚症状がありBUTが5秒以下のものと定義されています。

ドライアイは角膜上皮障害も引き起こすことがあるため、フルオレセイン染色による細隙灯顕微鏡検査を行います。また常用視力計による連続した視力測定や波面センサーの連続測定による収差の変化もドライアイ症状を把握するうえで有用な判断材料となります。

調節力の低下は、一時的なものと恒常的なものがあり、恒常的なものを老眼といいます。VDT障害による調節力の低下は一時的なものが多く、調節力検査や近方視力測定によって診断できます。
 

治療

ドライアイの治療はおもに点眼治療で、足りない涙液を補うための人工涙液やヒアルロン酸製剤を1日に4~6回点眼します。涙液の質を改善させる治療として、涙液成分中のムチンを増加させる点眼治療もあります。どちらも根本的な治療ではないので、点眼を中断すると症状が再発します。調節力の低下は、ディスプレイまでの距離にピントをあわせた老眼鏡を使用することで対処できます。

予防

VDT障害の予防として、厚生労働省のガイドラインでは連続した作業時間が60分を越えないようにし、作業と作業の間は10~15分の作業休止時間と1~2分の休憩を挟むように推奨しています。作業中は椅子に深く座り背もたれを十分使用することで、正しい姿勢を継続することにより筋骨格症状を軽減できます。また、ディスプレイを目線よりやや下方に設置すると開瞼幅が狭くなるため、ドライアイ症状が抑制されます。さらに、部屋もしくはデスクの湿度を上げるための加湿器を設置する、エアコンの吹き出し口が顔に向かないようにする、といった環境を改善するための工夫をすることも重要となります。

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