いんこうとういじょうかんしょう

咽喉頭異常感症

最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

咽喉頭異常感症とは、咽頭喉頭に異常な感じる状態です。咽喉頭異常感症には、原因を特定することができない真性咽喉頭異常感症(真性)と、特定可能な症候性咽喉頭異常感症(症候性)があります。

原因

咽喉頭異常感症は「咽頭喉頭に異常な感じがある症状」を訴える症候群です。したがって、原因を特定することができない真性咽喉頭異常感症(真性)と、特定することが可能な症候性咽喉頭異常感症(症候性)があります。

後者の症候性には咽喉頭酸逆流症、喉頭アレルギー、咽頭癌・口腔がんなどの腫瘍性病変、咽喉頭副鼻腔炎、乾燥、形態異常などの局所的疾患、鉄欠乏性貧血、うつ、不安障害など多岐に渡る局所・全身疾患が含まれます。

検査により上記の病気が除外された場合は真性と診断します。前述のように真性では原因の同定はできませんが不安、緊張感、疲弊などのストレスからくる自律神経の乱れも関係があると考えられています。これは自律神経のバランスが崩れて交感神経が優位になると、食道付近の筋肉が過剰に収縮して食道の内腔が細く締め付けられてしまうためです。

症状

咽頭等異常感症では、喉の異常な感じが出現します。症状の感じ方は、何かが引っ掛かっている感じ、圧迫感、イガイガ感などさまざまです。咽頭部に球状の塊がある感覚を訴えることから、ヒステリー球と呼ばれることもあります。真性では「引っ掛かる感じ」はあるものの、実際の食事や呼吸には全く問題がありません。

検査・診断

咽喉頭異常感症が疑われる場合、口腔視診および鼻副鼻腔咽喉頭内視鏡検査や副鼻腔・頸部CT、超音波、頸部レントゲン写真、上部消化管内視鏡、喉頭アレルギーに関する問診、血液検査、・精神症状に関するアンケート検査などを行い局所・全身疾患の鑑別を進めます。

初回検査時に発見されなかった何らかの病気が、のちに判明することもあります。特に咽頭がんなどの悪性腫瘍が見過ごされると生命に関わるため、初回検査時に異常所見を認めない場合でも3~6か月後に症状変化の確認、内視鏡検査、CTなどの画像検査を再度行うことが望まれます。

治療

症候性咽喉頭異常感症

症候性では診断された病気の治療を行います。特に咽喉頭癌を疑う所見では早期の治療開始が重要です。咽喉頭酸逆流症では胃酸を抑えるためにプロトンポンプ阻害薬を使用します。乾性咳嗽、掻痒感(かゆみ)などから喉頭アレルギーを考える場合、ヒスタミン受容体拮抗薬を投与します。乾性咳嗽が強い場合ロイコトリエン受容体拮抗剤も併用します。茎状突起過長症、Forestier病(強直性脊椎骨増殖症)などの骨形態異常や良性腫瘍では手術を行うことがあります。

真性咽喉頭異常感症

真性は無治療で経過観察も可能です。治療を希望する場合、半夏厚朴湯や柴朴湯といった漢方薬や向精神薬を用いることがあります。向精神薬、特にベンゾジアゼピン製剤は長期使用により離脱困難を生じるため注意が必要です。

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