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いんとうがん

咽頭がん

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

鼻の奥から食道までの範囲を「咽頭」と呼び、この領域に発生するがんを咽頭がんといいます。「咽頭」は、咽頭とは、鼻の奥から食道までの範囲を指し、上から順に

  • 上咽頭
  • 中咽頭
  • 下咽頭

の三つに分けられています。食べ物や空気が通る道なので、咽頭がんを発生すると

  • 食事の飲み込みにくい
  • 呼吸が困難
  • 言葉がわかりにくくなる
  • 耳が詰まった感じになる

など多種多様な症状を認めるようになります。

原因

がんが生じる部位によって原因が異なります。

喫煙・飲酒

咽頭がんはお酒や喫煙に大きな影響を受けます。咽頭は食べ物や空気の通り道であるため、発がん性のあるお酒やたばこの煙と直接的に接触をすることになり、咽頭がんが誘発されます。

お酒や喫煙が原因となるがんの特徴的は、下咽頭・中咽頭という位置に限らず、口腔から咽頭一帯に影響が及ぶことです。これは、口から胃にかけてお酒の通るルートに沿って、がんが発生するということです。つまり、咽頭がんの場合、タバコの煙やお酒などの発がん物質が咽頭に触れるために、がんが発生してしまうのです。タバコの煙やお酒は食道も通るので、咽頭がんの診断時に食道がんが同時にみられるケースもまれではありません。

ヒトパピローマウイルス

ヒトパピローマウイルスも咽頭がんの一種である中咽頭がんの原因として知られています。中咽頭では、リンパ系組織が発達している部位であり、ウイルスに感染することから発がん性に影響を及ぼしているのではないかと推定されています。

症状

上咽頭にがんが生じた場合

上咽頭にがんが生じた場合は、鼻、耳、脳神経に関しての症状が出現します。すなわち、上咽頭から鼻腔の奥の後鼻口まで進展すると鼻詰まりや鼻血、上咽頭にある中耳の圧を調節する耳管周囲に進展して耳管が閉塞すると耳が詰まった感じ、難聴、頭蓋底の骨が融けて眼球を動かす神経まで進展するとものが二重に見える、などです。

中咽頭にがんが生じた場合

中咽頭では、飲み込みの違和感や発声する言葉のわかりにくさなどが出現します。

下咽頭にがんが生じた場合

下咽頭でも同様に飲み込みに対しての違和感が生じるようになります。

検査・診断

咽頭がんでは、ファイバーを用いて局所の細胞を採取し(生検と呼ばれます)、病理学的な検査を元にして診断を行うことになります。がんの広がり具合を確認するために、超音波検査やレントゲン写真、CT、MRIといった画像検査も重要になります。こうした検査を元にして、病気分類(ステージ)を決定します。

また、咽頭がんの一部では胃ガンや食道がんの消化器系のがんを合併することもまれではありません。そのため、上部消化管内視鏡検査を行いがんの合併がないかどうかを確認することもあります。

治療

咽頭がんは、頭頸部(鎖骨より上、脳より下)に生じるがんであり、頭頸部がんに分類されます。「頭頸部」には、話をする、飲み込むなど日常生活に不可欠な機能があるほか、外見にも深く関わります。したがって、咽頭がんの治療を考ええる場合、患者さんの生活の質(Quality of life: QOL)をいかに担保するかという視点が重要になります。

また、頭頸部の構造は各種器官が密接に相互作用をしているため、がんを切除するだけで治療が完結するわけではありません。咽頭がんは、「悪い部分を切除してつなぐ」ということが容易にできない領域であり、特に進行したがんの場合、広範囲にわたっているので切除することすら難しい領域です。

そのため、咽頭がんの手術では、部位によって

  • 手術療法(再建)
  • 化学療法
  • 放射線療法

を適切に組み合わせて治療方針を慎重に決定することが重要です。化学療法と放射線療法を組み合わせる場合でも、同時に行うのではなく、段階を分けて行います。上咽頭がんは頭蓋底にある脳神経にも近接しており、手術では高い技術が要求されます。そのため、より専門的な施設で治療を行うことが重要です。

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