がんけんかすいしょう

眼瞼下垂症

同義語
眼瞼下垂
最終更新日:
2020年06月19日
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2020/06/19
更新しました
2017/04/25
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概要

眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)とは、目を開いたときに上まぶたが正常な位置より下がる(下垂する)病気のことです。上まぶたの下垂が軽度な場合は、美容上の問題以外で特に症状が現れることはありません。しかし、重度なケースでは垂れ下がった上まぶたが視野の一部にかかり上方向のものが見えにくくなるため、目の疲れや肩こり、頭痛などさまざまな症状を引き起こします。

眼瞼下垂症の原因はさまざまで、生まれつき発症しているケースもあれば、加齢や神経・脳の病気などによって後々になって発症するケースも多くあります。しかし、いずれの原因であっても何らかの自覚症状がある眼瞼下垂症は治療の必要があり、下垂した上まぶたを本来の位置に戻す手術などが行われます。

原因

眼瞼下垂症には、大きく分けると“生まれつきのもの”と“生まれた後に発症するもの”があります。

“生まれつきのもの”は、上まぶたを上げるために必要な上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)(以下“挙筋”と略します。)などの筋肉や、筋肉を動かすために必要な動眼神経に生まれつき異常があることによって引き起こされます。一方、“生まれた後に発症するもの”は、加齢によって挙筋そのものが衰えたり、挙筋とまぶたをつなぐ腱膜が緩んだり、あるいは上まぶたの皮膚がたるんだりすることが主な原因です。

しかし、なかには挙筋を動かすための脳や神経に異常をきたす脳梗塞脳動脈瘤脳腫瘍重症筋無力症などの病気や外傷が原因になっていることも少なくありません。また、若い世代でも長期間にわたってコンタクトレンズ(特にハードコンタクトレンズ)の使用を続けていると、挙筋を支える腱膜などに慢性的な刺激が加わって緩みが生じ眼瞼下垂症を発症するケースもあります。

症状

眼瞼下垂症とは、その名のとおり上まぶたが正常の位置より垂れ下がる病気のことです。

軽度な場合には目立った自覚症状はありませんが、視野が欠けるほど上まぶたが垂れ下がる状態が続くと目の疲れ、視力や物の見え方の異常、肩こり、頭痛などの症状を引き起こしやすくなります。さらに、視野の一部が欠けた状態となるため、車の運転中などに思わぬ事故を起こすリスクも高くなるとされています。

また、生まれつきの眼瞼下垂症や脳・神経の病気が原因で発症する眼瞼下垂症は、常に上まぶたが垂れ下がった状態となります。一方、重症筋無力症が原因の場合や、挙筋や挙筋腱膜などの衰えや緩みなどによって発症した場合は、目を開けた状態が続くと疲れのため症状が悪化します。すなわち、1日のなかで朝よりも夕方以降に上まぶたの垂れ下がりが強くなるなど、症状に変動が見られることが特徴です。

検査・診断

眼瞼下垂症は、上まぶたが垂れ下がるという特徴的な“見た目”となるため、特別な検査をすることなく診断できます。

多くは加齢によるものですが、若い世代で発症しているケース、片方の上まぶたのみに症状があるケースなどでは脳・神経の病気や外傷によって引き起こされている可能性も否定できません。そのため、原因を調べるために頭部のCT検査やMRI検査などを行うことがあります。

また、上まぶたの構造上の異常などを調べるときにもCT検査やMRI検査が行われます。そのほか、重症筋無力症などが疑われるときは血液検査などを行うこともあります。

治療

眼瞼下垂症では、視野に異常が生じない軽度なケースでは治療が必須というわけではありません。そのような場合に外見を気にして治療を受けたいのであれば、形成外科や美容外科での自費診療による手術を受けることになります。

一方、視野が欠損しているような重症なケースでは、健康保険を利用した治療を受けることができます。

脳や神経などの病気が原因の場合、それらの部位の治療によって脳や神経の機能が改善してまぶたの症状も治るのであれば、原因となる脳や神経の治療が優先して行われます。

しかし、脳や神経の病気が原因であってもその治療が困難な場合や、加齢による眼瞼下垂症などでは、そのまぶたの状態に応じてまぶたの治療を受けることになります。たるんだ皮膚を切除したり、緩んだ筋肉を縮めたり、腱膜を固定したりする手術です。紐状のものを眉毛とまぶたの間に移植して、眉毛の動きを利用して上まぶたを動かせるようにする手術もあります。

予防

眼瞼下垂症は加齢による筋肉の衰えや腱膜の緩み、皮膚のたるみなどが主な原因で生じます。

加齢だけでなく、ハードコンタクトレンズを長年月にわたって使っていること、アレルギー性結膜炎やまぶたの皮膚炎などのせいでまぶたをかいたりこすったりすることなどは、この病気を誘発すると考えられています。眼瞼下垂症の予防のためにはこれらのことを避けたほうがよいでしょう。    

また、眼瞼下垂症は脳動脈瘤脳梗塞など生活習慣病に起因する病気が原因となることもあります。そのような病気の発症を予防することも、この病気の予防につながるといえます。

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