概要
骨盤位とは、いわゆる逆子のことで、足やお尻が下にきている状態のことを指します。横位と呼称される場合もありります。
妊婦健診では、お腹の赤ちゃんの成長や健康を確認しますが、同時に赤ちゃんの頭の向き(胎位)も大切な情報になります。妊娠中期から後期に入るまでは、赤ちゃんの向きが大きな問題となることはほとんどありません。しかし、臨月が近づき、陣痛・出産を迎える可能性が出てくる時期になると、胎位は出産方法を決めるのに大きく影響してきます。つまり、帝王切開の必要性を検討しなければならない、ということです。
骨盤位のまま自然分娩を迎えることを骨盤位分娩と呼びますが、骨盤位分娩では、予定帝王切開(計画的に行われる帝王切開)に比べて、赤ちゃんの合併症(脳性麻痺などの重症を含む)が多くなるといわれています。そのため、あらかじめ帝王切開をするかどうかを決めておく必要があります。
骨盤位の中でも、お尻が一番下にある姿勢が75%、足が一番下にある姿勢が24%程度で、まれに膝が一番下にくる姿勢もあると報告されています。妊娠36週あたりまで、赤ちゃんは子宮の中でくるくる動くため、骨盤位であっても自然に頭が下向きに戻ることが多いです。
原因
骨盤位のうち、ほとんどは原因不明です。
骨盤位になりやすくなる要因としては、お母さん側の要因と赤ちゃん側の要因がそれぞれあります。
これらの要因は、赤ちゃんが子宮の中で自然に動くのを妨げてしまうために、骨盤位になりやすくなると考えられています。
症状
ほとんどの場合、お母さん自身に特別な症状は出ません。また、骨盤位でも赤ちゃんはきちんと成長します。妊娠中の合併症が明らかに増えるとも考えられていません。
しかし、骨盤位のまま出産を迎えると、赤ちゃんはお尻や足から出てくることになりますが、このときに赤ちゃんの体の一部が出口で引っかかってしまったりして、なかなかスムーズに出てこられない場合があります。出産時は陣痛によって赤ちゃんにも大きな負担がかかっているため、このようにして出てくるときに長い時間がかかってしまうと、赤ちゃんが苦しくなり、合併症の発生率が高くなってしまう可能性があります。
また、骨盤位のまま破水してしまうと、子宮の出口(子宮口)を頭ですっぽり覆うことができず、出口部分に隙間ができてしまうため、まれにへその緒が赤ちゃんより先に子宮の外に出てきてしまうことがあります(臍帯脱出)。これは、脳性麻痺のリスクが高くなる緊急事態とされており、骨盤位分娩での合併症が増加する要因のひとつといわれています。
検査・診断
骨盤位は、超音波検査で診断が可能です。内診でも多くの場合で診断が可能ですが、破水前だとややわかりにくいため、やはり超音波検査が確実といえます。
治療
前述したように、妊娠36週あたりまでに自然に頭が下に戻るケースが多く、妊娠34週頃までは自然に戻ることを待つ、というのが一般的です。
骨盤位を治す方法としては、外回転術という処置も挙げられます。これは、医師が超音波検査で赤ちゃんの向きを確認しながら、お母さんのお腹を押すことで、徐々に子宮の中にいる赤ちゃんを回していく、という方法です。ただし、リスクを伴う処置であるため慎重に検討します。事前に帝王切開を予定する場合もあります。
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