DOCTOR’S
STORIES
よりよい治療法を探求し、日々患者さんの診療に尽力する南 晋司先生のストーリー
整形外科を専門にした理由は、より一般的で身近な診療科だと思ったからです。整形外科では、骨・関節・筋肉・靱帯などに関する病気や、外傷(けが)による損傷、手足などの先天性疾患の治療や研究を行います。日常的に使う手足や筋肉などに関する診療科なので、より患者さんの身近に治療があるのではないかと思いました。
実際に整形外科医として患者さんの診療に従事するなかで、歩けなかった患者さんが少しずつ歩けるようになったり、膝の痛みが改善して日常生活を送れるようになったりするのを見ると非常にやりがいを感じます。このように、治療の結果が分かりやすく目に見えるというのも整形外科という分野の面白さかもしれません。
以前、骨軟部腫瘍(主に骨や筋肉、脂肪にできる腫瘍)の患者さんを担当していたのですが、その方は現在でも私のところに通ってくださっています。患者さんが元気になり、受診し続けてくださることは医師として非常に嬉しいことです。
整形外科には、いくつかの専門分野があります。たとえば、背骨と脊髄を扱う脊椎外科、手と腕を扱う手の外科と肩関節外科、足(脚)を扱う股関節外科、膝関節外科、足の外科、スポーツによる障害を扱うスポーツ整形外科(スポーツ医学)や、腫瘍を扱う骨軟部腫瘍外科、そして関節リウマチ、骨代謝などです。
このうち、私は現在、関節リウマチ、股関節外科と膝関節外科を専門にしています。この選択には、整形外科を学び始めたときから今までに、それらを専門にしていた先生方にご指導いただいたことが影響しているように思います。これまでに働いた病院でたくさんの方々に出会いました。それぞれの場所で教わった多くの学びが凝集して、今につながっています。そのような意味では、これまで私に学びを与えたくれた全ての人が師匠ですね。
現在は主に病院で患者さんの診療に従事していますが、基礎研究に専念していた時期もあります。大学院に進み、2年ほど京都府立医科大学に国内留学して、がん抑制遺伝子*の研究を行っていました。当時は、病気のメカニズムを明らかにしたり、新たな治療法を開発したりするための研究に大きなやりがいを持っていました。
結果的には臨床の道に戻ってきましたが、基礎研究の価値や面白さは理解しています。今の日本は基礎研究にかける予算が少なく、研究者が育ちにくい環境だと思うので、もっと予算とポストを増やして研究者を支援する土壌が整うことを願っています。
*がん抑制遺伝子:細胞の増殖を抑えたり、細胞のDNAに生じた傷を修復したりするはたらきによって、がん細胞の増殖にブレーキ(抑制)をかける機能を担う遺伝子
日々の診療で心がけているのは、きちんと診断し適切な治療を行うことです。
患者さんは、治療してほしいところやお困りのことがあるから病院を受診します。ですから私たちはその原因を見極め、リハビリテーションやお薬、手術などを含めたさまざまな治療法の中から適切な方法を検討し、患者さんが訴える痛みやお困りのことを解決するプロでなければいけません。
そして、適切な診断と治療を行うためには、常に勉強し、よりよい治療法を探索し続ける必要があります。このような考えに基づき、私は学会や論文などを通じて新しい治療を探し、治療の選択肢をきちんとアップデートできるように心がけています。日々移り変わる情報を吸収し、よりよい治療法の可能性があれば積極的に取り入れたいというのが私の思いです。
私は、和歌山で生まれ育ち、現在も和歌山県の北部沿岸にある海南市で働いています。海南医療センターには2019年4月に赴任しました。現在は、整形外科でほか2名の医師と共に患者さんの診療にあたっています(2020年3月時点)。和歌山には海や山があり、気候的にも暖かく非常に過ごしやすい地域だと思います。
これからも一整形外科医として手術手技を磨くことを忘れず、地域の方々が安心して毎日を過ごせるよう、自分の持ちうる技術と知識を集結して診療に向き合いたいと思います。
この記事を見て受診される場合、
是非メディカルノートを見たとお伝えください!
新型コロナウイルス感染症と付き合っていくための"新しい生活様式"とは〜まだマスクの着用は必須なの?個人が気をつけられる具体策は?〜
小泉小児科医院 院長/日本医師会 常任理事
釜萢 敏 先生
がん患者や家族の新型コロナウイルス感染症への不安〜不安を抱えたがん患者に対して家族ができることは?〜
がん研究会付属有明病院 腫瘍精神科 部長
清水 研 先生
社員に新型コロナウイルス感染症の疑いが出たらどうするの?~企業が行うべき感染対策とは~
日本医師会 常任理事/松本皮膚科形成外科医院 理事長・院長
松本 吉郎 先生
医師が考える新型コロナウイルス感染症の重症化リスクが高い高齢者が注意すべき点とは
国立長寿医療研究センター 理事長、日本老年医学会 副理事長
荒井 秀典 先生
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。