Medical Noteとは

薬物、アルコール、ニコチン―「依存」を引き起こす物質にはなにがある?

薬物、アルコール、ニコチン―「依存」を引き起こす物質にはなにがある?

「依存」となりうる物質と行為総まとめ

「依存」とは? どのような依存でも病気になるのか?

「依存」とは? どのような依存でも病気になるのか?

依存症という言葉の幅は広がりをみせ、気軽に用いられることが増えてきました。しかし、精神医学において、依存症として認識されているのはこのうち一部のみです。物質への依存症としては、アルコールやニコチンへの依存症が病気に含まれます。物質以外で病名に含まれているのは、現在のところ「ギャンブル依存症」のみで、「アイスクリーム依存症」「インターネットゲーム依存症」などという病気は精神科の病気としては存在しません。物質ひとつひとつをとっても、入っているものと入っていないものがあるのです。それでは、アイスクリーム依存症などの食べ物への依存やゲームなどの行為への依存は病気ではないのかというと、将来的には変わってくるかもしれません。
技術発展が進むにつれて、病気とみなすか否かの「線引き」が問題となる行為は次々に登場してきます。そしてその都度、「どの状態を病名とみなすか」は、ある程度恣意的な決定とならざるをえません。近い将来、インターネットゲーム依存症が精神疾患に含まれる可能性はゼロではないのです。
線引きが非常に難しい「依存症」。ここでは、依存症の定義を踏まえ、依存となりうる物質や行為、近年危険視されているスマホ依存についてまとめています。

※本記事は、医学的に依存症と定義されていないものも併せて掲載しています。

依存症とは(1)―「依存症」という言葉の意味や定義、種類とは?

依存症とは(1)―「依存症」という言葉の意味や定義、種類とは?

「依存」はとてもメジャーな日常用語であり、どなたでも一度は耳にしたことがあると思います。もっとも代表的なアルコール依存などに加え、最近ではギャンブル依存、インターネット依存、無料通話アプリ「LINE」依存などさまざまなシーンで使われます。しか...

記事を読む

村井 俊哉

京都大学大学院医学研究科 教授 脳病態生理学講座 精神医学教室

関連するメディカルノートの記事

S500x300 s900x480 fotolia 81325391 subscription monthly m

自傷行為、リストカット 自分を傷つけることへの依存

「自傷行為(リストカット)=病気」というわけではありません。ただし、自傷行為をしてしまう人は何らかの心の問題を抱えていることが多いと言えます。 自傷行為は10人に1人が経験していると言われ、その6割が10回以上したことがあるという調査があります。これは100人いると10人が何か自傷行為をしたことがあって、うち6人は10回以上していることになり、意外に多いと感じるかもしれません。これら全ての人が直ちに病院に行くべきとは言えませんが、何らかのトラブルを抱えていて、支援が必要な人であると考えられます。

S500x300 s900x480 fotolia 67642122 subscription monthly m

友人や家族で自傷行為をしている人がいたら、どのように対応すれば良い?

自傷行為を見たときの対応で最も大事なことは“感情的にならない”ことです。努めて冷静に接し、その傷の程度に応じた手当を丁寧にしてあげる、あるいは、医療的な処置が必要なほど重篤であれば、一緒に病院に行ってあげるなどの対応を心がけましょう。 反対に、最も良くない対応は、自傷行為に驚いて 頭ごなしに叱責したり、 過度に同情したり、見て見ぬ振りをすることです。これらの行動は本人に対して、負のインパクトとなります。つまり、自分の存在を確認するために、自傷行為をより繰り返すようになってしまうのです。

薬物依存症とは―薬物中毒との違いは? 頭痛薬は依存症になる?

薬物依存症とは―薬物中毒との違いは? 頭痛薬は依存症になる?

テレビのニュースや週刊誌では、覚せい剤で逮捕される芸能人の話が絶えません。危険ドラッグの問題も大きく報道されたので、薬物依存症の話を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。意外と身近に起きている薬物依存症について、国立精神・神経医療研究...

記事を読む

松本 俊彦

国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 薬物依存研究部 部長

関連するメディカルノートの記事

S500x300 content %e3%81%8a%e9%85%92%e3%81%ae%e7%a8%ae%e9%a1%9e%e3%81%94%e3%81%a8%e3%81%ae%e9%81%a9%e6%ad%a3%e9%a3%b2%e9%85%92%e9%87%8f

些細な飲酒のきっかけがアルコール依存症を引き起こす?

みなさんは、自分がお酒に強いか弱いかについての自覚がありますか? また、どのくらい飲めば「飲みすぎ」といえるのか、すなわち適正飲酒量を知っている方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。自分の体質や適正飲酒量を知っておくことはとても大切です。 日本には「常習飲酒家」と「大量飲酒家」という概念があります。常習飲酒家は毎日3合以上飲む方、大量飲酒家は毎日5合以上飲む場合と定義されていますが、5合以上飲む方はかなりアルコール依存症の傾向が強いといえるでしょう。

S500x300 s900x480 %e9%a3%b2%e9%85%922

飲酒問題は、長い間「隠れていた」

お酒は自分で飲むものでいわゆる「自己責任」的な習慣でもあるため、本当はアルコール依存症なのに治療をしてこなかったという方がたくさんいらっしゃいます。しかし近年、社会的に「アルコール問題は病気のひとつである」と認められたことにより、病院にかかり体の状態が良くなった方、依存症に対して開発された有効な薬による治療を行っている方などが増えてきました。

現代に露呈する深刻な飲酒問題

現代に露呈する深刻な飲酒問題

2016年にアルコール健康障害対策基本法が施行されました。これに伴い、地域ごとに異なる隠れた飲酒問題が関心を集めています。「アルコール肝硬変をはじめ、地域ごとに飲酒問題が深刻であることを実感しています」とおっしゃるのは国際医療福祉大学病院の高...

記事を読む

高後 裕

国際医療福祉大学病院 消化器センター長・予防医学センター長 国際医療福祉大学 教授

関連するメディカルノートの記事

S500x300 content fotolia 106047827 subscription monthly m

ニコチン依存―たばこがやめられない

いくら喫煙が害だとしても世の中からタバコを吸う人はなくなりません。なぜでしょうか? それはタバコに入ってるニコチンの薬物依存性が高いからです。その依存性によって誰もがやめられないだけなのです。また、よくストレス解消の目的でたばこを吸っている人の話を聞きますが、実際はタバコはストレス解消効果がありません。 たばこを吸っている人の多くは、依存性と習慣性によって吸い続けるのであって、ストレス解消にはなっていないといわれています。

S500x300 s900x480 fotolia 74941826 subscription monthly m

タバコの煙に含まれる様々な毒素とは?

タバコは1本吸っても1箱吸っても、その場では何も起きません。このため、どうしてもその影響が過小評価されてしまいます。では10年20年経ったときにその積み重ねはどうなるでしょう。実は、多くの発がん性物質には閾値が存在しません。少量しか摂取していないとしても、がんは発生します。1本だから大丈夫という理屈はまったく当てはまらないのです。

禁煙外来の専門家に聞く。タバコの煙に含まれる様々な毒素とは?

禁煙外来の専門家に聞く。タバコの煙に含まれる様々な毒素とは?

禁煙外来に力を入れる中央内科クリニックの村松弘康先生は、多くの方が喫煙の害を過小評価しているため、なかなか禁煙に踏み切らない現実があると言います。今回から数回に分けて、タバコの本当の怖さについてうかがいます。一酸化炭素―タバコの燃え方は不完全...

記事を読む

村松 弘康

医学博士・中央内科クリニック 院長

関連するメディカルノートの記事

S500x300 s970x330

スマホ依存はありうるのか?

かつて屋外で日の光を浴びながら遊んでいた子ども達は、今兄弟や友人などと屋内で視覚刺激の強いゲームをして遊ぶようになっています。ある小学生の休日を調査したところ、睡眠と入浴時以外のほぼ全ての時間をテレビやゲーム機器、スマートフォンを利用した活動に費やしていることがわかりました。また、女子高校生の約4割は、スマートフォンの使用時間が1日6時間を超えていることもデータで示されています。(1日平均使用時間は6.4時間)これはSNSなどのコミュニケーションツールの浸透によるものでしょう。

S500x300 s970x330 %e5%b1%88%e6%8a%98%e7%9f%af%e6%ad%a3%e6%89%8b%e8%a1%93%ef%bc%93

問題視される「デジタルデバイス漬け」の生活

SNSなどのスマートフォンを用いたコミュニケーションツールや3D立体映像を用いた映画などが生活に浸透するようになりました。加えてLED照明の普及に伴い、スマートフォンをはじめとするあらゆる機器の画面が高輝度のものになってきています。結果として多くの人がデジタルデバイスに目を向け続ける「デジタルデバイス漬け」の生活を送るようになったのです。さらに、画面が小型化したことによる近方視からくる「近視化」も問題となっています。

スマホ老眼とは? 目のみならず脳も疲労する

スマホ老眼とは? 目のみならず脳も疲労する

「スマホ老眼」とは、スマートフォンの小さな画面を長時間凝視することにより、ピントが近くに合ったままの状態となり、どこをみてもぼやけるような状態を指します。スマートフォンや電子書籍を見ることと紙の書籍を読むことは、視機能や脳にとってどのような違...

記事を読む

原 直人

国際医療福祉大学 保健医療学部 視機能療法学科 教授

関連するメディカルノートの記事

S500x300 pls7954385u67143

あなたは何かに「依存」していませんか?

依存という言葉は幅広く使われるようになり、恋人依存や砂糖依存、チョコレート依存、カフェイン依存、ペット依存など医学的には不正確なものも依存としてとらえられるようになってきています。広義の依存としてとらえられているものにはなにがあるでしょうか。一度考えてみるとよいかもしれません。