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九段坂病院(東京都千代田区九段南1丁目6-12 : 「九段下」駅)
九段坂病院(東京都千代田区九段南1丁目6-12 : 東京メトロ東西線「九段下」駅 4番出口 東京メトロ半蔵門線、都営地下鉄新宿線も利用可能 徒歩3分))の病院ページ。内科などの診察を行っています。
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九段坂病院

東京都千代田区九段南1丁目6-12

東京メトロ東西線「九段下」駅 4番出口 東京メトロ半蔵門線、都営地下鉄新宿線も利用可能 徒歩3分

http://www.kudanzaka.com/

03-3262-9191

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皇居の隣接地に移転リニューアルした九段坂病院

皇居の隣接地に移転リニューアルした九段坂病院

 

外観

九段坂病院は地下鉄九段下駅から徒歩2分、旧九段会館の横並びに位置しています。2015年11月の移転リニューアルに伴って新築された13階建てで、移転に伴い、これまでの地域包括ケア病棟に加えて回復期リハビリテーション病棟が新設されました。これにより、急性期医療を終えたものの、自宅(在宅)での療養には不安がある患者さんの受け入れや院内での移行もスムーズです。全国的にも有名な同院の整形外科で指揮をとりながら、院長も兼任する中井修先生に、移転リニューアルに伴って拡充した九段坂病院の特徴について伺いました。

医療と介護を一体化させた施設

正面玄関

移転前の九段坂病院は、桜の名所、千鳥ヶ淵に面した緑道沿いにありました。前身の私立病院は1925年(大昭15年)に創設された3階建てのモダンな建物で、当時東京中の注目を集めたとのことです。戦時下には政府の方針で日本医療団に吸収されました。そして、戦後に国家公務員共済組合連合会の直営病院として再スタートしました。

私が院長になった2006年頃、建物の老朽化の問題があり、移転して新病院にする構想が持ち上がっていました。はじめは隣接する農水省の共用会議所が候補地でしたが、靖国に替わる戦没者慰霊施設を千鳥ヶ淵一帯につくるというプロジェクトが起こり、立ち消えになりました。難渋した候補地探しですが、2010年、千代田区、国家公務員共済組合連合会、千代田区医師会、神田医師会の協議の末、千代田区役所の跡地に、医療と介護を一体化させた施設を建築する方針が決定し、2015年11月にこの地に移転することが叶いました。

新しい建物は13階建ての免震構造で、広さは1万8000平方メートルとほぼ倍になり、病床も231床と大幅に増床しました。1階と4階には区が運営する高齢者サポートセンターが併設されており、地域における高齢者ケアネットワークの拠点となっています。新病院の窓からは、北の丸公園や皇居の森のなかに日本武道館などが見え、春にはお堀沿いに桜、初夏には水面にピンクの蓮の花が咲き、この建物に来た利用者の目を楽しませています。

テラス遊歩道

新病棟を開設し、最新鋭の検査機器も導入

移転リニューアルに伴い、急性期4病棟150床、地域包括ケア病棟42床に加えて回復期リハビリテーション病棟42床を新設しました。移転前も含めて当院の強みは整形外科とくに脊椎脊髄外科にありますが、術後のリハビリの充実は重要な意味を持ちます。急性期治療を終えても麻痺の回復には時間を要します。リハビリテーション病院に転院することなく、患者さんの在宅復帰までを切れ目なく当院でサポートできるからです。これにより、患者さんの術後経過をよく知ることが出来、治療法の改善、進歩にも非常に大きな助けとなります。

また、脳卒中のリハビリテーションにも力を入れ、脳卒中の後遺症に対し、磁気による刺激で大脳の神経活動性を変化させる経頭蓋磁気刺激治療(TMS)を導入するなど、先進的なリハビリも行っており、周囲の大規模病院からの急性期治療を終えた患者さんを多く迎えいれています。

ハード面ではMRIの新機種を2台導入しました。これにより、たとえば従来40分かかっていたような検査が20分で可能になり、腰痛をはじめとした背骨の病気がほぼ即日に診断がつくようになりました。

O-Arm(オーアーム)というアルファベットの「O(オー)」の形をしたCTも導入しました。これは移動可能なCTで、その輪のなかに手術台が入り、検査室に移動することなく手術室内CTの3D断層画像を撮影できる装置です。このリアルタイムの3D 画像情報をナビゲーションシステムに取り込むと、今進行している手術の模様がリアルタイムで写ります。手術手技は著しく正確になります。この装置は、日本にはまだ限られた施設にしかありません。その理由は装置が大きく通常のエレベーターでは搬入出来ないことがあります。当院は移転に伴い、この装置を入れるべく手術室を設計したので、やっと念願が叶った次第です。

また、頭の先からつま先まで全身を1枚の写真に撮ることのできるエックス撮影装置も導入しました。全身の脊柱のバランスをみることができるので、側彎症などの診断にとても役立ちます。

全国から受診が相次ぐ整形外科

当院整形外科が全国的に知られるようになったのは1980年頃から専門的にみるようになった脊椎脊髄外科がきっかけとなっています。当時の山浦伊裟吉整形外科部長(のちに院長)が、まだ治療方法が確立していなかった頸椎後縦靭帯硬化症のような難しい疾患の治療に挑み、新しい術式を開発しました。聞きなれない病名かもしれませんが、この疾患で頚椎が圧迫されると、手足のしびれが起こり、箸がうまく使えない、ボタンの掛け外しがうまくできない、足がつっぱってつまずきやすい、階段の上り降りが怖いといった症状が、進行するにつれ現れてくるのです。この手術を当院で受けた指揮者の岩城宏之氏が著書で紹介されたことや口コミなどで当院の名が一気にひろまり、日本全国から患者さんが来院するようになりました。

バブル経済の頃、千代田区はビルの建築が相次ぎ、住宅地が激減。当院の患者数も減り、産科や小児科は閉鎖になりました。大規模高機能病院の密集するこの地で当院は整形外科を脊椎脊髄疾患に特化していたことで、生き残ることができました。

難治症例でも諦めず「最後の砦」として ― 年間約1000例の脊椎脊髄手術を行う整形外科

当整形外科では年間約1000例の脊椎脊髄手術を行いますが、疾患として一番多いのは、推定患者240万人といわれる腰部脊柱管狭窄症です。腰部脊柱管狭窄症は脊髄の神経が通るトンネルである脊柱管が、加齢の影響で狭くなり、中を通る神経が圧迫される病気です。

このほか、頸椎後縦靱帯骨化症、頸椎症性脊髄症など、頸椎の病気、加齢による背骨の変形で生じる脊柱側彎症、後彎症などの手術も多くあります。

当院の整形外科が評価されている要因として、治療後のフォローが丁寧ということもあるかと思います。「手術をしたら終わり」ではなく、「患者さんとは一生の付き合いになる」という考え方で術後もしっかり回復状況をみています。

当院の整形外科には10名の医師が在籍し、うち7名が脊椎脊髄を専門にしています。手術が難しいとされるケースを引き受けることも多く、最後の砦としての役割は大きいと全員が自覚して診療に当たっています。

腰部脊柱管狭窄症の患者さんへ

この疾患になり保存的な治療をしている、あるいは手術を終えて経過をみているという方は数多くいらっしゃると思います。手術をどの時期にすべきなのか、悩まれていると思いますが、主な症状の間欠性跛行(安静時には症状はなく、一定時間立っていたり歩いたりすると、太腿や膝から下にしびれや痛みが出て、しゃがまないといられなくなる)はいつ手術をしても良く治ります。治りにくいのは常時あるしびれで、とくに足底の感覚が鈍く、ものがくっついているような異常感覚は治りにくい症状です。この症状は初期にはなく病気が進むと出現することが多いので、その前に手術をすることをお勧めします。つま先立ちができないなどの筋力の低下も同様に治りにくいので、早めの手術が必要です。脊柱管の狭窄によって起こる常時あるしびれや運動麻痺は、圧迫の強さと経過時間に比例して取れにくくなるので、こうした場合に保存療法および経過観察を引き伸ばすのはよくありません。

突然生じる間欠性跛行は自然に治癒する場合があります。これは椎間板ヘルニアの合併で起きるタイプで、ヘルニアが自然に吸収されて治るものです。6ヶ月から1年くらいで症状が消失します。これに反して、徐々に間欠性跛行が始まり、段々歩ける距離が短くなるタイプがありますが、この場合自然治癒は起きません。間欠性跛行が始まって1年位は保存的に治療し、治らない場合手術を考えるのが良いと思います。

手術をしたのに間欠性跛行などの症状が治らないという方もいるかと思います。腰部脊柱管狭窄症には中心性と椎間孔性の2つの狭窄タイプがあります。MRIなどで目立つ中心性狭窄のみ手術で治し、目立たない椎間孔の狭窄が放置されている場合があります。十分な知識を持っている脊椎脊髄外科医でのもとで、セカンドオピニオンを受けることをおすすめします。

地域への貢献と地域包括ケア推進のために

中井修先生

新築移転によって設備は充実し、ハード面は整いました。駅に近くて立地も申し分ありません。これからこうしたメリットをいかしてソフト面も整備していきます。これまで外来のみであった泌尿器科も手術が出来る体制にしました。消化器外科や婦人科では体への負担の小さな内視鏡手術や腹腔鏡手術に、これまでにも増して積極的に取り組んでいます。内科は併設されている高齢者総合サポートセンターと連携して、高齢者支援に力を入れています。また、2018年4月より千代田区在住の方を対象に、総合診療科を開設予定です。従来のように臓器別・疾患別に狭く診療をするのではなく、総合的に、なおかつ迅速に診断をつける全人的な医療として存在意義が大きくなっている診療科です。地域の方々を対象に、入院医療が必要な場合のゲートキーパー的な役割を果たす家庭医を育成していこうという構想もあります。これは地域への恩返しでもあり、今後、地域包括ケアをいっそう推進していくための大きな一歩となります。

※写真提供:九段坂病院