荏原病院

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東京都大田区東雪谷4丁目5-10

東急池上線「洗足池」駅 徒歩9分

03-5734-8000

院長インタビュー画像

ご高齢者のサポートから出産、育児まで-幅広い医療を提供する荏原病院の取り組み

公益財団法人 東京都保健医療公社 荏原病院は、東京都大田区にある長い歴史を持つ総合病院です。古くから感染症を取り扱ってきた歴史を持ち、第一種感染症指定医療機関にも指定されているほか、地域のご高齢者をサポートする脳卒中センター、認知症疾患医療センターや、出産・育児をサポートする小児科・産婦人科まで幅広い診療科が地域の患者さんの健康を守っています。

今回は院長の黒井克昌先生に荏原病院の歴史や特色、取り組みについてお話しを伺いました。

明治時代から続く歴史ある病院

黒井先生

荏原病院は1898年に設立された、約120年近くの歴史のある病院です。元々は世田谷区に設立された感染症を専門とする「避病院(ひびょういん)」が起源となっており、その背景から現在でも第一種感染症指定医療機関としての側面を持ち合わせています。

現住所に病院が移転したのは1934年で、公衆衛生の発展で赤痢菌などの感染症が激減した以後は、都立の総合病院として近隣の患者さんの健康を守るお手伝いをしてきました。

「医療で地域を支える」荏原病院の特色

医療者

荏原病院は全22の診療科が「医療で地域を支える」を合言葉に診療にあたっています。ここではなかでも特徴的な診療について、いくつかご説明します。

早急な対応が可能な脳卒中センター

脳卒中とは、脳出血、脳梗塞やくも膜下出血など脳の血管についての疾患を総称したものです。脳卒中は早期治療が大切で、発症からすぐに治療を行えればそれだけ生存率も高く、後遺症も残りにくいという特徴があります。

そのため、当院では脳卒中センターを設置し、脳神経外科が中心となり、神経内科、精神科、リハビリテーション科及び放射線科と連携しながら365日対応できる体制を整え、緊急手術、血行再建術、脳血管内治療などを行っています。特に2017年4月には医師やスタッフが刷新され大変盛んに治療を行なっており、さらなる活躍が見込まれています。

地域のご高齢者を手厚く見守る認知症疾患医療センター

当院が位置する洗足池駅近郊はご高齢の方も多く住まわれている地域です。そのため当院では2012年より、東京都知事の命を受け、認知症疾患医療センターを開設し、運営しています。認知症疾患医療センターでは主に下記の取り組みを実施しています。

<認知症疾患医療センター>

・認知症の診断・対応

・身体合併症・周辺症状への対応

・地域連携の推進

・専門医療、地域連携を支える人材の育成

出産から育児まできちんとカバーできる小児科・産婦人科

当院では高齢者へのサポートをしっかりしていく一方で、出産・育児のサポートにも尽力しています。

特に東京都は妊婦さんの診療に対しご自身で病院を予約してもらい、順次診療していくというシステムを取っており、現在どの病院でも「予約がいっぱいになり、取りにくい」という問題が生じています。当院ではこのようなことがないよう、受け入れ態勢を充実させ、妊婦さんが安心して通院できる病院づくりを心がけています。

また近年、地域の障害を持つお子さんの保護者の方より、保護者の休息、一時休止を目的としたお子さんのレスパイト入院(レスパイトは「一時休止」の意)の要望がかなり高まっています。当院ではこの要望に耳を傾け、7月からレスパイト入院受け入れ開始する予定です。

リラックスしながら受けられる高気圧酸素療法

当院では減圧症、突発性難聴、脊髄炎などの患者さんに対し、年間550件前後の高気圧酸素療法を行っています。高気圧酸素療法とは特殊な装置を使って気圧の高い部屋を作り出し、そこで患者さんに100%酸素を吸入してもらうことで、全身に酸素を巡らせ、病状を改善する治療です。

当院の高気圧治療装置は大変性能が高く、スペースを広々と使っていただけるため、施術を受けながら読書をするなどリラックスした環境で治療を受けることができます。

高気圧酸素療法の装置。スペースが広くリラックスして治療を受けることができる。(荏原病院ご提供)

断らない救急-年間の救急車受け入れ台数は約5,000件

救急車

上記でご説明した診療のほか、当院で力を入れていることといえば救急医療です。当院は2次救急医療を担当し、救急車受け入れ台数は年間約5,000件を誇っています。「断らない救急」を目指しており、現在はおよそ85%の依頼を受け入れていますが、目標である90%を目指して日々努力しています。

第一種感染症指定医療機関として

当院は地域の総合病院として2次救急にも力を入れる傍ら、第一種感染症指定医療機関として都内にある他の3箇所の感染症病院と協力し、感染症の治療や相談にあたっています。特に羽田空港で感染症に関する疑いがあった際には、率先して応じ、日本国内の安全に貢献しています。

救急医療は若手医師の活躍の場

荏原病院は昔から救急医療を懸命に行ってきた歴史があり、救急車の受け入れ台数も多いので、救急医療の現場も多忙を極めます。救急医療の現場ではさまざまな疾患をみなければならず、迅速で的確な判断・治療が求められます。つまり救急医療は医師として幅広い経験を積むことができ、学びの多い環境であるといえます。当院では救急医療の受け入れの多さを生かし、若手医師の育成にも力を入れています。

当院の救急医療はベテラン医師の指導の元若手の医師たちにも積極的に治療を任せ、先輩医師がそれをフォローできる制度や信頼関係を整えています。救急医療の現場でさまざまな疾患を対応し、多くの患者さんと出会った経験は、若手医師のその後の医師人生に大きな力を与えます。

地域の中核病院として地域医療連携に従事

MRI

当院は地域医療支援病院として近隣のクリニック・診療所の先生とも密な連携を取っています。現在は連携登録医のいる1,890施設と締結し、その施設の先生と協力して診療にあたっています。なかでも特に力を入れている取り組みは下記の2つです。

画像診断の充実

当院ではMRI、CTなど画像診断に力を入れており、地域のクリニック・診療所の先生からの画像診断依頼も多く受け付けています。

<主な画像診断依頼件数>

・MRI:年間2,400件前後

・CT:年間200件前後

昨年度(2016年)はMRIを2台新しい機種に更新するなど、診断の精度を向上させているほか、地域の先生や患者さんをお待たせしないよう、迅速な診断結果の提供を心がけています。

共同診療

さらに当院では連携登録医の先生との共同診療を年間100〜200件ほど行っています。共同診療は主に内科、形成外科、神経内科で実績があり、特に形成外科は当院にクリニックの先生が集まり、一緒に手術を行うなどの活動もあります。

3次医療を行う大学病院などとの連携も充実

当院のある東急池上線洗足池駅近郊には昭和大学病院や大森赤十字病院など、大きな病院もたくさんあります。当院ではこれらの病院とも信頼関係を築き、3次救急など特に重篤な患者さんや、透析の必要な患者さんをスムーズにお願いできる環境を整えています。

今後はがん治療にもさらなる尽力を

当院では、がんの治療にも積極的に取り組んでいます。現在もそれぞれの診療科が責任を持ってがん治療に従事していますが、今後はよりいっそう放射線治療を充実していきたいと考えています。当院では放射線科による診断技術は充実している一方、放射線によるがん治療は装置こそあるものの常勤医がおらず、非常勤の医師が治療を行っている状態です。

放射線治療はがんの3大治療のうちの1つですので、当院としても重要視しています。そのため今後がん治療を強化させていくにあたり、常勤医の採用を検討しているところです。

これからも愛し愛される病院であるために

黒井先生

前述の通り荏原病院は歴史が長く、古くから地域の方々に愛されてきました。今私が診ている患者さんのなかにも「私は荏原病院で生まれました」という方がおり、そのようなことをうかがうと大変嬉しく思います。

荏原病院がこれからも地域の方を愛し、地域の方に愛される病院であり続けるために、スタッフ一同責任をもってこの病院を成長させていく所存です。「困った時は荏原病院へ行こう」と思っていただけるような病院づくりをこれからも目指していきます。