排尿に関連する症状があったとしても、「恥ずかしい」「年だから仕方がない」などを理由に病院やクリニックで診断や治療を受けることなく、我慢したまま生活し続ける人も多いようです。排尿に関連する症状は、診断を受けて適切に治療すれば改善する場合もあります。また、早めに治療を受けることで症状の悪化を防ぐことができます。排尿に関する症状でお悩みの方は、医療機関で早めに適切な治療を受けることをおすすめします。
ここでは、前立腺肥大症、過活動膀胱、前立腺がんを中心とした医療機関での診断についてご紹介します。
簡易的な検査では診断ができない場合には、さらに詳しく調べるために精密検査を行うことがあります。
医師が肛門から指を挿入し、直腸壁から前立腺に触れることで状態を確認する検査です。検査時にはゆっくりと口から息を吐くことで無理な力を抜くことができ、痛みが抑えられます。肛門に指を入れられるというと抵抗感があるかもしれませんが、大切な検査です。
尿道からカテーテル(細い管)を挿入し、そこから膀胱に水を注入して膀胱の容量やふくらみ具合を評価する検査です。
専用の測定装置のついたトイレに排尿することで、以下のようなことを調べる検査です。
・排尿時間
・排尿量
・尿の勢い
・排尿パターン
など
尿道から膀胱に向けて内視鏡を挿入し、膀胱や尿道の様子を調べる検査です。
静脈性尿路造影:静脈から造影剤を注射し、腎臓から膀胱までの様子をX線で撮影する検査です。注射された造影剤が尿として排泄される様子を確認することができます。
逆行性尿道造影:外尿道口から造影剤を尿道内に注入して、尿道や前立腺の様子を確認する検査です。
直腸あるいは会陰部から前立腺に針を刺して少量の組織を採取して調べる検査です。前立腺がんが強く疑われる場合に、前立腺がんかどうかを最終的に判断するために行います。
肛門からプローブ(超音波を発する器具)を挿入して、前立腺の大きさや形を見る検査です。
がんの有無や広がり、リンパ節や他の臓器への転移を調べる検査です。CTはX線、MRIは磁気を使って体の断面を撮影します。
がんの骨転移を調べる検査です。骨に集まる特性を持つ放射性物質を注射し、特殊なカメラを使って放射性物質がどの程度集まるかを撮影します。前立腺がんは骨へ転移することが多いため、その有無を調べることを目的に行います。