排尿に関連する症状があったとしても、「恥ずかしい」「年だから仕方がない」などを理由に病院やクリニックで診断や治療を受けることなく、我慢したまま生活し続ける人も多いようです。排尿に関連する症状は、診断を受けて適切に治療すれば改善する場合もあります。また、早めに治療を受けることで症状の悪化を防ぐことができます。排尿に関する症状でお悩みの方は、医療機関で早めに適切な治療を受けることをおすすめします。
ここでは、前立腺肥大症、過活動膀胱、前立腺がんを中心とした医療機関での診断についてご紹介します。
泌尿器科での検査は問診から始まります。その際、問診票を使用することもあります。
泌尿器科ではまず問診が行われます。事前に排尿パターンや尿量などを把握しておき、問診では、どのような症状があるのか、その症状によってどのくらい日常生活に支障が生じているのかなど、できる限り具体的に医師に伝えるようにしましょう。
前立腺肥大症を疑う場合、問診時には国際前立腺症状スコア(IPSS)という問診票が使われます。この問診票では、具体的な症状とその程度を0~5までの点数で評価し、合計スコアを算出することで、より正確に自覚症状を把握することができます。
また、現在の排尿状態への患者さんの満足度を表すQOLスコアを算出することもできます。
過活動膀胱を疑う場合、問診時には過活動膀胱症状質問票(OABSS)という問診票が使われます。この質問票では、症状についての4つの質問に対する回答に0~5点の点数がつけられており、合計点数を算出します。
排尿の状態をさらに詳しく把握するために、排尿日誌をつけてもらうこともあります。排尿日誌には毎日以下のような内容を記録していきます。
・トイレに行った時刻
・尿の量
・尿意の程度
・水分の摂取量
など
毎日、排尿日誌をつけることで、患者さんの排尿の特徴や傾向を細かく把握することができ、適切な診断や治療を行うことができます。