前立腺肥大症と過活動膀胱に対する手術やその他の治療法として、以下のようなものが挙げられます。(クリックすると、このページ内の該当箇所を表示します。)
【 前立腺肥大症に対するその他の治療法 】
【 過活動膀胱に対するその他の治療法 】
尿路の閉塞が強い前立腺肥大症の場合、薬物療法だけでは十分な効果がみられないことがあります。そのようなケースで検討される治療法が、内視鏡手術(TURP・経尿道的前立腺切除術)です。
内視鏡手術では、麻酔をしたうえで尿道から直径1cm以下の細い内視鏡を挿入し、電気メスを使って肥大した前立腺の組織を削り取ります。このとき、電気メスの代わりにレーザーを使用するケースもあります。手術にかかる時間は2時間程度で、入院期間は約4~6日間ほどです。
内視鏡の先端に装着されたループという電気メスを使って、肥大した前立腺を切除します。膀胱の出口付近にある前立腺を切除しなければならない手術の場合では、膀胱の出口が広がってしまい、精液がペニスから射精されずに膀胱内に逆流する、逆行性射精が起こることがあります。
膀胱内に逆流した精液は尿とともに排泄されるため、健康上の問題はありませんが、不妊症の原因となることもあるため、子どもを持つことを希望する場合は不妊治療を考慮しなければならないことがあります。また、術後に出血が起きたり、尿が一時的に出にくくなったりすることがあります。
巨大な前立腺肥大の場合には、ごくまれに開腹手術で前立腺を全て摘出することがあります。
開腹をして膀胱を開き、膀胱の中から前立腺を取り出します。
前立腺が肥大していることによって圧迫されている尿道の中に、筒状のステントを挿入する治療です。ステントを挿入することで、尿の排泄をスムーズにすることが目的です。ステントは、一時的に留置するものと永久的に留置するものがあります。起こりうる合併症として、血尿や尿失禁、感染症などがあるため、治療後は定期的なチェックが必要です。
ステントで尿道が広がった状態が続くと、尿失禁を起こしやすくなったり、感染症を起こしやすくなったりするなどの合併症が起こるケースがあります。一時的に症状が改善されたとしても前立腺は肥大したままなので、治療後も泌尿器科での定期的なチェックが欠かせません。
症状が再発した場合には、同じ方法で再度治療を行うか、または違う方法で治療を行うのかは主治医とよく相談したうえで、納得のいく選択をしましょう。
前立腺の肥大によって圧迫されて閉塞している部分に、ゴム風船の付いた管(カテーテル)を挿入して膨らませることで、閉塞している部分を広げる方法です。尿道を開くことができるため症状は改善されますが、前立腺の肥大が改善されるわけではありません。
尿道からマイクロ波を出す管(カテーテル)を挿入し、肥大した前立腺に照射することで、その熱によって細胞組織を破壊する治療法です。患者さんにかかる身体的な負担が少ないことが特徴です。治療後は一時的に尿が出にくくなることがあります。
肥大した前立腺にレーザー光線を照射する治療法です。治療は下半身に麻酔をかけた状態で行います。身体的な負担は少ない治療です。治療に伴い、一時的に尿が出にくくなったり、逆行性射精の後遺症が残ったりすることがあります。
電気や磁気によって、骨盤底筋や神経を刺激して症状を改善させる治療法です。
能の弱まった膀胱や骨盤底筋を鍛えることを目的とした骨盤底筋訓練や膀胱訓練によって、尿トラブルの症状を軽減します。
また、尿トラブルに影響するといわれている塩分制限の指導を行うこともあります。