・日常生活動作による息切れ、呼吸困難
・痰を伴わない咳
間質性肺疾患の進行の速さは間質性肺疾患の原因によって異なり、また患者さんによっても異なります。一部の患者さんでは、風邪のような症状の後に急激な呼吸困難が起こることがあります(急性増悪)。このような急性増悪を起こした場合、短期間のうちに命に関わることがあるため、特に注意が必要です。
以下のような症状が現れた場合、症状が急激に悪化する可能性があります。決して放置せず、早めに医療機関を受診してください。また、かぜなどに伴う上気道(鼻腔から咽頭までの気道)の炎症が急性増悪のきっかけとなることも多いため、マスク着用、手洗い・うがい、ワクチン接種などの感染症予防はとても重要です。
2019年、中国の武漢市で発見された新型コロナウイルスは、その後世界へと広がりました。新型コロナウイルス感染症において、高齢の方や糖尿病・心不全・呼吸器疾患といった基礎疾患のある方などは重症化しやすいということが分かっています。
間質性肺疾患も呼吸器疾患の1つであり、新型コロナウイルス感染症にかかった場合には重症化しやすいといえます。そのため、間質性肺疾患の患者さんは、感染予防に力を入れていく必要があります。まずは、一般的な新型コロナウイルス感染症の予防として挙げられる①2m以上の身体的距離(ソーシャルディスタンス)の確保②マスクの着用③手洗いなどをしっかりと行うことが大切です。
間質性肺疾患の患者さんは平常時に息切れの症状が現れる方もいらっしゃいます。マスクを着用することにより、心拍数や呼吸数、血液中の二酸化炭素の濃度などに影響を及ぼし、体に負担がかかることもあります。
また、暑い時期には熱中症の発症にも注意が必要です。外出時は暑い日や時間帯を避け、涼しい服装を心がけましょう。屋外で他者と2m以上の距離が確保できる場合にはマスクを外す、マスクを着用する場合は、強い負荷の作業や運動は避けるといった工夫も大切です。加えて、特に水分量を制限されていない場合には、のどが渇いていなくてもこまめな水分補給を心がけましょう。
間質性肺疾患の患者さんでは、比較的症状が軽くても、まずはかかりつけ医や主治医の先生に、なるべく早く電話などで相談されることをお勧めします。