提供:日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
このセルフチェックシートの情報と評価は、専門家による医療に代わるものではありません。間質性肺疾患の診療においては、医師が総合的にお話を伺う必要があります。症状などが気になる方は、医療機関の受診をご検討ください。
日常生活レベルの負荷による息切れ
痰を伴わない咳
肺の線維化による呼吸機能低下
日常生活動作で息切れや呼吸困難が生じる
痰 を伴わない咳(空咳)が続く
肺が硬くなり徐々に呼吸機能が低下する場合がある(肺の線維化)
早期発見が重要
間質性肺疾患は進行性で、急激な悪化(急性増悪)が起こる可能性があります
他の疾患が原因で起こることもある
関節リウマチなどの膠原病などによっても起こることがあります
気づきにくい
「年齢のせい」「ただの風邪」と思って見過ごしてしまう場合があります
間質性肺疾患には200以上もの病気があり、その原因もさまざまです。間質性肺疾患の原因として以下のような項目が示されています。
関節リウマチ、全身性強皮症、皮膚筋炎といった自己免疫疾患( 膠原病 )の方
カビや羽毛などを吸いこむ環境・職業の方( 過敏性肺炎 )
粉塵 などを多く吸いこむ環境・職業の方(じん肺)
間質性肺疾患あるいは間質性肺炎を生じる可能性のあるお薬や放射線治療を受ける方
喫煙者
高齢の方
胃食道逆流症 の方
近親者が間質性肺疾患、間質性肺炎、肺線維症の方
間質性肺疾患の進行の速さは間質性肺疾患の原因によって異なり、また患者さんによっても異なります。一部の患者さんでは、風邪のような症状の後に急激な呼吸困難が起こることがあります(急性増悪)。このような急性増悪を起こした場合、短期間のうちに命に関わることがあるため、特に注意が必要です。
症状が悪化してからでは元通りに戻すことは難しい?
間質性肺疾患の進行スピードや病態はそれぞれの病気によって異なり、治療法もまた異なります。さらに、人によってもさまざまです。まずは背景にある病気を正確に診断したうえで、適切な治療、管理を開始することが重要です。
しかし、そのような治療や管理を行っているにもかかわらず、肺の線維化が起きた場合、線維化によって低下した呼吸機能を元通り回復させることは難しいといわれています。さらに一部の患者さんにおいては、進行性の線維化が認められます。
これを“進行性線維化を伴う間質性肺疾患”と呼び、代表的なものとして特発性肺線維症が挙げられます。
特発性肺線維症をはじめ、“進行性線維化を伴う間質性肺疾患”の治療にあたっては、肺がだんだん硬くなって、
呼吸機能が低下していくことを抑制するために、さまざまな薬物療法がおこなわれます。これらの治療目標は、呼吸機能の低下を抑えて病気の進行を遅らせることであり、早いタイミングで原因となる病気の診断・治療に加え、“進行性線維化を伴う間質性肺疾患”
の診断を行ない、適切な治療を開始することが重要です。
また、途中、急激に症状が進行する急性増悪を認めることがあるため、その対策も必要です。
このように間質性肺疾患は、早期に適切な診断を行い、患者さん一人ひとりに適した管理方針や治療を早い段階で決定、開始することが重要です。
肺は、
肺胞
というブドウの房の形をした小さな袋が数多く集まって形成されています。
肺胞の壁にあたる“間質”は、酸素や二酸化炭素の通り道になっています。
“間質性肺疾患”とは、この間質に炎症や損傷が起こり(厚くなる)、線維化(厚くなった間質が硬くなって治らずに傷あととして残る)によって酸素を取り込みにくくなる病気です。
健康な肺では、たとえ肺に炎症や損傷が起こっても修復されます。ところが、長年にわたり損傷が継続し、 肺に傷がついては修復をするということを繰り返す、あるいは徐々に傷が進行することで、 肺胞の構造が破壊されてコラーゲン線維などが間質に蓄積し、結果として肺の線維化が起こると考えられています。
間質が線維化すると、肺が十分に膨らまなくなり、酸素を取り込みにくくなります。その結果、酸素が不足して 息苦しさなどの症状が現れます。そして、肺の線維化は進行すると基本的に元には戻りません。このように間質性肺疾患では 不可逆的な“肺の線維化”が起こりうる、あるいはその一部では進行するため、治療などでいかに進行を抑制するかがポイントとなります。