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PMSとは~症状について~

月経(生理)が始まる数日前に、身体のむくみや気分の落ち込みなどを感じることはありませんか? このような症状がある場合、PMS(月経前症候群)の可能性があります。日常生活に支障をきたす恐れもあるため、気になる症状があるときは病院で相談することが大切です。
PMSとはどのようなものか、その特徴について解説します。

PMSとは

PMSとは、月経が始まる3~10日前に気持ちが不安定になったり身体の不調が現れたりし、月経が始まると症状が軽くなる、もしくは、なくなるものをいいます。軽いものを含めれば月経のある女性の80%以上に何らかの症状があるといわれていますが、つい我慢してしまい、受診や相談をためらっている方も多いのではないでしょうか。

PMSの症状について

PMSの特徴は、月経前に次のような身体症状・精神症状がみられることです1)。現れる症状やその強さには個人差があり、人によって身体症状あるいは精神症状だけが強く出ることもあります。PMSでは以下のような症状が1つ、あるいは多くの場合で複数現れます。

● 身体症状

・腹痛
・頭痛
・腰痛
・むくみ
・お腹の張り
・乳房の張り
・のぼせ
・食欲不振、過食
・めまい など

● 精神症状

・情緒不安定
・イライラ
・抑うつ
・不安
・眠気
・集中力の低下
・睡眠障害
・倦怠感 など

精神症状が強く現れるタイプ“PMDD”とは?
PMSの中でも、精神的な症状が強く現れるタイプをPMDD(premenstrual dysphoric disorder:月経前不快気分障害)といいます。PMSの重症型と考えられており、うつ病の1つとされています。月経前の不調の中でも、次のような精神症状が強く出る場合にはPMDDの可能性があります。

・突然悲しくなる、涙もろくなる
・気分の強い落ち込み、絶望感がある
・著しい不安や緊張を感じる、いらだっている など

こうした特徴的な症状が月経前に現れることで、社会活動や人間関係に支障をきたすため、症状によっては精神科と婦人科の医師が協力して治療を行うこともあります。

病院に行くべきタイミングとは?

● この不調、もしかしてPMS? 診断のポイント

月経前に不調があっても、月経が始まると症状が軽くなったり、なくなったりするのがPMSの特徴です。「調子が悪いけれど生理がきたらよくなるし、月1回のことだからいいか」「いつものことだから仕方がない」と、つい我慢してしまう方も多いのではないでしょうか。
PMSの診断のポイントとしては、“月経の前に症状が出て月経が始まるとともに軽くなる”“日常生活に支障をきたしている” “3か月以上症状に悩んでいる”ことなどが挙げられます。このような症状がある場合、遠慮なく医師に相談することが大切です。

● 適切にケアすれば症状は軽減するの?

PMSは、生活習慣の見直しをはじめとしたセルフケアや、漢方薬、低用量経口避妊薬(OC:いわゆる低用量ピル)・低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)、抗うつ薬の一種であるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬:selective serotonin reuptake inhibitor)などを用いることで改善が期待できます。気になる症状がある方はぜひ、婦人科の医師に相談するようにしてください。

【参考文献】
1)日本産科婦人科学会. 「月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)」. https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=13.

【監修】
東京歯科大学市川総合病院 産婦人科教授 髙松潔先生
PMSチェックリスト
月経(生理)に関連した精神的・身体的な不調であるPMS(月経前症候群)の症状について、まずはセルフチェックで確認してみましょう。なお、このチェックリストはPMSを診断するためのものではありません。
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