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PMSを和らげるには?~生活習慣を見直すポイント~

生活習慣、食生活の乱れなどがPMS(月経前症候群)の症状を悪化させている可能性があります。最近、PMSの症状が重くなったと感じる方は当てはまるものがあるかチェックし、運動や睡眠、食事といった生活習慣の見直しや日常生活の工夫をしてみましょう。

生活習慣のポイント

忙しい生活の中では生活習慣が乱れてしまうという方も多いのではないでしょうか。PMSを和らげるうえで特に見直してほしい生活習慣は以下の4点です。

● ウォーキングなどで身体を動かす

運動不足の方は、適度に運動をすることを心がけましょう。特にウォーキングやジョギング、水泳といった有酸素運動はPMSを和らげる効果が期待できるため、積極的に取り組んでみてください。

● 毎日同じ時間に就寝・起床する

月経(生理)前は寝つきが悪くなったり、熟睡できなかったりと睡眠習慣が乱れがちになるといわれています。湯船につかって身体を温める、寝る前にマッサージをするといった工夫に加えて、なるべく毎日同じ時間に就寝・起床することで快眠につなげましょう。

● ストレスを抱え込まない

日常生活の中で多くの方が仕事や家事、育児などでストレスを抱え込みがちです。ストレスがたまっていると感じたときには、趣味を楽しんだり、友人や家族と出かけたりして、リフレッシュする時間を設けましょう。

● たばこやお酒を控える

喫煙や飲酒はPMSを悪化させる一因であるため、控えることをおすすめします。特に喫煙は女性ホルモンの働きを弱めて月経異常をきたす原因にもなるため、禁煙に取り組みましょう。

食生活のポイント

不規則な食生活や栄養バランスの偏った食事なども、PMSの症状が悪化する要因になるとされています。もちろん栄養バランスのとれた食事を三食取ることが大切なのは分かっていても、忙しいとおろそかになってしまうこともあるでしょう。
以下では、PMSの症状を和らげるために積極的に食べたいもの、控えたいものを紹介します。

● 積極的に取り入れたい栄養素

たんぱく質(肉や魚、大豆製品など)月経前にイライラや気持ちの落ち込みなどの精神的な症状が強く出る原因の1つに、気持ちを安定させる神経伝達物質の1種であるセロトニンの低下があるといわれています。たんぱく質はセロトニンのもとになるため、肉や魚、大豆製品などのたんぱく質が豊富に含まれる食品を積極的に食事に取り入れましょう。

マグネシウム(海藻類や魚介類など)海藻類や魚介類、豆類などに多く含まれるマグネシウムが不足すると、不整脈や抑うつの症状などが現れます。マグネシウムにはPMSの精神的な症状やストレスを和らげる作用があるので、月経前に精神的な症状が強く出る方は海藻類や魚介類、野菜といったマグネシウムを多く含む食品を積極的に取ることを心がけましょう。

カルシウム(牛乳やチーズなど)カルシウムにはPMSの精神的な症状に加え、むくみなどの身体の症状を緩和するはたらきがあるといわれています。カルシウムを多く含む代表的な食品は、牛乳やチーズなどの乳製品や大豆製品、海藻類などが挙げられます。なお、きのこ類や魚介類といったビタミンDが豊富な食品を一緒に食べることでカルシウムの体内への吸収率を高める作用が期待できます。

ビタミンB₆(赤身の魚や肉など)、ビタミンE(ナッツ類や植物油など)ビタミン類も効果的です。赤身の魚や肉、特にレバーなどに多く含まれるビタミンB₆にはむくみや肌荒れの予防をはじめ、女性ホルモンを活性化し、PMSの症状を和らげる効果が期待できます。また、ナッツ類や植物油などに多く含まれるビタミンEには、むくみや精神的な症状を軽減する効果があると考えられています。食事で取ることが難しい方は市販のサプリメントで摂取するのもよいでしょう。

● 取りすぎに注意したいもの

糖質チョコレートやショートケーキといった糖質の多いお菓子は、血糖値を上げるはたらきがあります。血糖値が急激に上昇すると、イライラや食欲増進といった症状が悪化することが指摘されています。月経前の時期は甘いものが食べたくなってしまうという方も多いと思いますが、PMSの症状の緩和のためにも間食をナッツやヨーグルト、糖質が少ないチョコレートといった血糖値が上がりにくい食品に変えてみてください。塩分塩分をたくさん取ると体内のナトリウムとカリウムのバランスが崩れ、それが原因でむくむことがあります。月経前に身体がむくみやすい方はもしかしたら塩分の取りすぎが原因かもしれません。むくみが気になる方は減塩の調味料や香辛料などを使用することで、塩分を控えるのも1つの方法です。カフェインコーヒーや紅茶などに含まれるカフェインにはPMSの症状を悪化させる作用があります。月経前の期間はコーヒーや紅茶を飲む量を減らしたり、ノンカフェインの飲み物に変えたりするとよいでしょう。

日々の記録や相談も大切

生活習慣や食生活の見直し以外にも日常生活のちょっとした工夫がPMSと上手く付き合うきっかけになることがあります。

● 症状日記をつける

症状日記をつけることでご自身のPMSの症状を把握することは非常に重要です。どの時期にどのような症状が現れるのかが分かれば、どういったケアや生活習慣の見直しをすればよいか、あるいは病院で治療を行ったほうがよいかがみえてきます。
手帳でもスマートフォンでもご自身が使いやすいもので構いませんから、月経前の心や身体の変化を記録してみましょう。なお、PMSの症状を2か月以上記録したものは病院での診断の際にも役立ちます。

● 親しい方への相談

パートナーやご家族などの親しい方に月経前にどういった症状が出るかをお話しして、理解していただくことも大切です。あらかじめPMSの症状を知っていれば、パートナーやご家族と一緒に対処法を考えることができます。PMSのつらさを1人で抱え込まず、周囲の方に相談してPMSと上手に付き合う方法を一緒に見つけていきましょう。

【監修】
東京歯科大学市川総合病院 産婦人科教授 髙松潔先生
PMSチェックリスト
月経(生理)に関連した精神的・身体的な不調であるPMS(月経前症候群)の症状について、まずはセルフチェックで確認してみましょう。なお、このチェックリストはPMSを診断するためのものではありません。
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