迅速かつ開かれた診療で
福岡市西部の医療を支える
聖峰会 マリン病院

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社会医療法人 聖峰会
――“治し支える医療”を追求
私たち社会医療法人 聖峰会の歴史は、1954年に私(鬼塚 一郎)の祖父が開設した結核療養所(現在の田主丸中央病院)から始まりました。その後、時代の変化とともに患者さんのニーズも大きく変わり、急性期医療に加えて特別養護老人ホームなどの介護施設を開設し、病気を治すだけでなく、リハビリテーションや在宅復帰までを包括的にサポートする“治し支える医療”へと体制を拡充してまいりました。さらに、より広範な地域医療に貢献するため、福岡市西部に聖峰会マリン病院を展開し、法人全体で地域の命と健康を守る基盤を築いています。
私たちの根底にある理念は「地域のために地域とともに」です。地域社会と私たちが提供する医療・介護は深く結びついており、互いに支え合って共に発展していく関係にあると考えています。そのため当法人では、医療や介護の提供にとどまらず、お祭りや花火大会への参加など地域の活性化にも積極的に取り組んでいます。また、患者さんに少しでも安心して受診いただけるよう、AI問診などをIT活用したスムーズな診療体制の構築や、TQM(総合質管理部)による医療安全の徹底、さらには心に寄り添う優しいケア技法“ユマニチュード”の導入など、常に医療・介護の質向上を追求しています。
もし自分や自分の家族が病気になったとき、「この病院で治療を受けたい」と心から思えるような、質の高い医療と介護を提供すること――それこそが、私を育ててくれた地元への最大の恩返しであると考えています。

田主丸中央病院――断らない医療を徹底し、地域の命を守りつなげる
田主丸中央病院では、地域医療の中核として二次救急を中心とした医療を提供しています。一刻を争う救急医療において、助けを求めている患者さんを決して断らないことを信念としており、救急隊からの要請には「まずは受け入れる」という姿勢で、応需率100%を目指す体制を整えています。また、診断が適切でなければ救える患者さんも救えなくなってしまいますから、“よい医療はよい診断・検査から”という考えのもと、CTやMRIなどの検査機器を充実させていることも特徴の1つです。
もし当院で受け入れることができず、遠方の病院へ時間をかけて運ばれることになれば、救命のきっかけを失うことになりかねません。だからこそ、地域の身近な存在である私たちが、まずはしっかりと患者さんを受け入れて検査を行う責任があると考えています。当院で迅速に診断を行い、より高度な治療が必要な場合は適切な医療機関へ速やかにご紹介します。そして治療後は再び当院でリハビリを行い、在宅復帰を目指すという、地域で完結する医療体制を構築しています。

聖峰会マリン病院――迅速な診療と豊かな環境で地域の医療を支える
聖峰会マリン病院は、都市部における地域密着型の病院として、1999年の開設以来、救急を中心とした医療を提供してまいりました。循環器内科をはじめとする幅広い診療科を備え、特に循環器診療においては、私(上野 高史)が長年培ってきたカテーテル治療の経験を最大限に生かすべく取り組んでいます。当院の大きな特徴は、お待たせしない迅速な診療です。受診されてからおおむね15分後には必要な検査を受けていただき、1時間前後で診断結果をお伝えできるよう心がけています。また、恵まれたロケーションも当院の大きな特徴です。当院は博多湾に面した海岸沿いに位置しており、目の前に浮かぶ能古島の穏やかな風景を一望できます。特にリハビリテーション室からの眺めは絶景と呼ぶにふさわしく、心穏やかにリハビリに専念していただける環境が整っています。
田主丸中央病院と聖峰会マリン病院、地理的な環境は異なりますが、“地域のために”という思いは1つです。今後も両院の強みを生かし、地域に必要とされる医療と介護に取り組んでまいります。


鬼塚 一郎 先生のインタビュー記事
社会医療法人 聖峰会における
診療体制
肥満症の診療(田主丸中央病院)
単なる体重増加とは異なる“肥満症”――医学的なアプローチで将来の健康を守る
肥満という言葉は耳馴染みがあると思いますが、医学的には肥満と肥満症は異なるものです。肥満は、単純に体重が多い状態をいいます。これに対し、肥満が原因で糖尿病や高血圧、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群、整形外科疾患など、すでに健康障害が起きている、または将来的な発症リスクが高い状態にある場合を“肥満症”と呼びます。肥満に関連する健康障害は全部で11個定められています。これらの発症リスクが高いのはもちろんですが、問題はそれらが相互に関わりあうことです。

肥満を放置すると、さまざまな病気が連鎖的に発症していく“メタボリックドミノ”の危険性が潜んでいます。肥満はドミノの上流にあたり、放置すると最終的には心不全や脳卒中など命に関わる重大な病気の発症につながり得ます。そのため、上流にある肥満の段階で医療的に介入し、ドミノが倒れるのを食い止めることが重要です。
なお、肥満というとご本人の甘えや意思の弱さが原因と誤解されがちですが、その背景には遺伝的な要因や、脳の食欲調節機構の異常などが複雑に関連しています。決して個人の問題ではなく、医学的に介入すべき疾患の1つとして捉え、治療の対象として扱うのが現在の医療の考え方です。
メディカル・ダイエット外来――専門医*による適切な診断かつ総合的な診療を実施
上述の考えを前提として、田主丸中央病院では肥満・肥満症に対して専門的なアプローチを行えるよう“メディカル・ダイエット外来”を開設いたしました。当院の大きな強みは、肥満症を単なる体重の問題としてではなく、全身の代謝異常として総合的に診療できる点にあります。

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肥満には、ほかの病気などが原因となる二次性肥満が隠れていることがあります。二次性肥満の場合、改善するにはまず根本の原因に対するアプローチが必要となりますが、内分泌代謝などを専門とする医師でないとその可能性に気づきにくい側面があります。当院では、専門医*が経験に基づき、体型や体重の増え方、血液検査などから丁寧に評価をしたうえで適切に肥満症の診断を行い、治療方針を組み立てていきます。別の病気が隠れていない単純性肥満の場合、基本となるのは食事運動療法ですが、“頑張り”に依存するのではなく、医学的知見に裏付けられた具体的な取り組み方をそれぞれの患者さんの背景に合わせた形で提案することをを大切にしています。
日本内分泌学会認定 内分泌代謝科専門医、日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医
多職種連携による医学的根拠に基づいた肥満症治療――1人で悩まずぜひ相談を
肥満に対する治療の原則は減量です。まずは6か月間の食事療法と運動療法を実施し、十分な効果が得られない場合には、肥満症治療薬を用いた薬物療法を検討します。近年、痩せ薬として自費診療で安易に処方されるケースが見受けられますが、万が一有害事象が起きた場合に、公的な救済制度でカバーされない可能性がある、という大きな問題があります。肥満症治療薬を保険診療内で処方できるのは、関連学会の教育施設としての厳しい基準をクリアした医療機関のみであり、当院はその認定施設です。

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当院のメディカル・ダイエット外来では、内分泌代謝だけでなく、循環器や消化器の診療を専門とする医師、そして専門知識を持つ看護師、管理栄養士など多職種からなるチームが連携して診療にあたっています。それぞれの専門性を生かすことで、血糖や代謝の状態を踏まえた安全性の高い体重管理を行い、医学的根拠に基づく薬の選択から合併症の予防までを包括的にサポートいたします。
肥満に悩んでいる方の中には、「自分の努力が足りないのではないか」とご自身を責めてしまう方も少なくありません。しかし先述したとおり、肥満症は決して甘えや意志の問題だけで説明できるものではなく、専門的な視点で適切に評価し、治療すべき“疾患”です。「まだ受診するほどではないかもしれない」と感じている段階でも構いません。安心して毎日を送れるよう私たちがしっかりと伴走いたしますので、1人で抱え込まず、ぜひ一度ご相談いただければと思います。

虚血性心疾患の治療
まずは患者さんのお話を伺い、必要な緊急治療を見逃さない
虚血性心疾患には、冠動脈(心臓の筋肉に血液を送る血管)が狭くなって血液の流れが悪くなってしまう狭心症や、冠動脈が詰まって血液の流れが途絶えてしまう心筋梗塞があります。狭心症には、早急な対応が必要な不安定狭心症や、じっくり薬で治療していく軽度の狭心症もあり、その選別を行うには、患者さんのお話を伺うのが大切なことだと考えています。私が教授を務めた大学病院で「虚血性心疾患を診断する上で、病歴の聴取が大切」と教えてきたことを、この聖峰会 マリン病院でも実践しています。

心筋梗塞については、私は長年カテーテル治療を行い患者さんと向き合ってきました。しかし、すぐに命に関わるわけではない場所の心筋梗塞であれば、カテーテル治療だけが全てではないと考えています。さらに患者さんの年齢や生活を考慮した場合、カテーテル治療ではなく、リハビリテーションを中心とした治療が適していると判断する場合もあります。その治療の選択を正しく行うことが大切だと考えています。
地域で連携しながら患者さんに適したカテーテル治療に対応
カテーテル治療については、当院はPCI(経皮的冠動脈形成術)に対応しています。PCIとは、狭くなった、あるいは完全に詰まってしまった冠動脈に対してカテーテルを用いて行う治療法です。医療用の小さなバルーンを使って血管を押し広げ、ステントという金網で補強します。さらに免疫抑制薬を血管に塗って血管が再び狭くなるのを防ぐ治療法もあります。

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重篤な患者さんについては地域の他の医療機関に搬送するなど、患者さんのことを第一に考え適材適所で治療を受けていただくようにしています。当院ではおおむね1泊の入院でカテーテル治療を受けていただくことができます。午前中に入院し、午後に治療を行って翌朝には退院できるケースもあり、仕事がある方もほとんど休まず治療に臨んでいただけます。スピードが求められる治療も、おおむね受診15分後からの検査と迅速な診断を心がけています。看護師、診療放射線技師、生理検査スタッフなどあらゆるスタッフが連携し治療を担います。
機能を回復し再発を防ぐリハビリテーション体制
当院ではできる限り治療体制を整えていますが、虚血性心疾患は発症・再発しないに越したことはありません。ご自身の生活習慣や取り巻く生活環境を改善し、健全化していくことが予防につながります。運動を行うことも大切ですが、まずは体重を1つの目安とすることをおすすめします。体重はご自身でも毎日正確に計測できますので、その推移に注意して、太らないために余計なものは食べない、摂取したカロリーを消費するために運動をするなどの対策を考えるとよいかと思います。また、健康診断で異常を指摘された場合はご自身で判断せず、悪化する前に病院を受診されることをおすすめします。

虚血性心疾患においては、治療のみならずと機能を回復させるためのリハビリテーションも重要です。リハビリテーションは機能回復だけではなく、次に起こり得る症状の予防にもつながります。しかし、ただやみくもに体を動かすことがリハビリテーションではありません。患者さんお一人おひとりの心臓の状態に応じた運動を適切に行う必要があります。過度の運動は心不全につながりかねませんし、期待する効果を得ることができません。当院ではそのような事態を避けるため、リハビリテーション科で診断を行い、適切な運動をサポートします。
重篤な病気につながりかねない悪循環を断ち、健康な状態に戻していくために、我々と一緒に治療をしていきましょう。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療
主な原因は喫煙ーー息切れや咳、痰だけでなく全身への影響も
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、主に喫煙を原因とする病気で、最初は息切れや咳、痰が出てくることがほとんどです。さらに進行すると、呼吸器の症状だけでなく、認知機能の低下や栄養状態の悪化など全身への影響があるといわれています。COPDは治療をしなければ症状が進んでしまう進行性の病気ですので、まずは進行を食い止めることが大切です。患者さんの体力や生活の質の低下にも関わりますので、当院では迅速に診断し治療することを心がけています。

当院の患者さんのお話を伺うと、以前から症状がありながら「かぜが長引いているのではないか」「年齢で体力が落ちたのではないか」と受診をためらっていた方が多くいらっしゃいます。しかし症状を確認するとCOPDであったということが少なくありません。そのため、「今まで息切れを感じなかった動作で息切れがする」「かぜでもないのに咳が2週間、3週間と長引いている」「痰の絡みが多い」といったときには、早めに受診することをおすすめします。本人が喫煙をしていなくてもご家族にヘビースモーカーがいらっしゃる場合はCOPDを発症するケースもありますのでご注意ください。
できるだけ初診当日に検査を行い、早期診断・治療へ
当院では、なるべく短期間で診断するように心がけています。受診に抵抗があるなかご来院いただいた患者さんの負担を少しでも軽減できるよう、初診当日にできるだけ検査を終わらせ、COPDやほかの病気がないか診断します。まず肺活量など肺機能の検査を行い、それに加えて胸部X線検査、それに加えて一般的な血液検査や心電図検査、肺の状態を詳しく診るためのCT検査を行います。検査の結果で分かったCOPDの進行度に合わせて薬物治療を実施します。
必要に応じてリハビリテーション、生活指導などを組み合わせる
薬物治療に併せて、必要に応じてリハビリテーションや生活指導などを行います。リハビリテーションは大きく分けて体のリハビリテーションと呼吸法のリハビリテーションの2つがあります。COPDのリハビリテーションは筋肉を鍛え体力をつけることが大切ですので、患者さんお一人おひとりの状態に合わせて体のリハビリテーションをしつつ、リハビリスタッフが呼吸法のリハビリテーションをサポートします。また、自宅で呼吸が苦しくなりパニックを起こしてしまう患者さんもいらっしゃいますので、そのときにどうやって呼吸をするのか指導します。さらに、栄養状態が悪化した患者さんには栄養士による生活指導も実施しています。体力の低下や息苦しさが大きい場合には、短期間の入院をしていただき、リハビリテーションや生活指導と併せて治療をする場合もあります。

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COPDは、気管支が狭くなり、その先にある肺胞(肺の中で吸い込んだ酸素と体内の二酸化炭素を交換する組織)が破壊されていく病気です。一度壊れてしまった肺胞は元には戻りません。薬物治療によって肺胞が壊れていくのを抑え、狭くなった気管支を広げていくことができますので、ぜひお早めの受診をご検討ください。

SAS(睡眠時無呼吸症候群)の治療
原因の多くは肥満で、日中の眠気や集中力の低下、夜間頻尿も
SAS(睡眠時無呼吸症候群)の中でも多いのが閉塞性の睡眠時無呼吸症候群で、寝ているときに空気の通り道が狭くなったり詰まったりして呼吸が止まってしまう、もしくは弱くなってしまう病気です。多くは肥満の方で、体重が増えて「就寝時のいびきが多くなった、時々呼吸が止まっている」とご家族の指摘を受けて当院を受診されます。熟睡感がなく日中に眠気がある、集中力が低下する、夜間頻尿といった症状もあり、問診ではそれらの症状を把握するための質問シートなども使用します。

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SASが疑われる場合には、簡易検査を行います。ご自宅に検査機器(指や鼻の下などにつけるセンサー)を持ち帰っていただき一晩指に装着して寝ることで検査を行い、その結果をもとに診断します。はっきりとした診断を下せない場合には、1泊入院していただいて睡眠ポリソムノグラフィーというさらに詳しい検査を行います。いずれも1時間あたりの無呼吸や呼吸が弱くなる回数を測定し、SASかどうかや症状の重症度を判断します。
睡眠時の呼吸を確認しながら気道を確保するCPAP(持続陽圧呼吸療法)
検査の結果SASと診断した場合は、症状の重さに応じて治療法を選択します。比較的症状が重い場合は、就寝時に鼻にマスクを被せて圧力をかけ、空気を送って喉が塞がらないようにするCPAP(持続陽圧呼吸療法)という治療を行います。比較的症状が軽い場合は、歯科医院でマウスピースをつくり、毎晩それをつけて就寝する方法もあります。

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CPAPで治療する場合、最初から強い圧力をかけてしまうと圧迫感が強くなるため、弱い圧力から開始します。そして1か月か3か月に一度のペースで受診をしていただきます。CPAPは患者さんの使用状況や、1時間あたりの無呼吸や呼吸が弱くなる回数をクラウドで確認できます。それをもとに圧力の設定を調整したり、あまり使用できていない場合は何が問題かを患者さんにお聞きしながら使い方を調整したりします。CPAPはある程度長期間使用する患者さんが多いですが、ダイエットに成功することでSASの原因である肥満が改善し、治療が不要になることもあります。
初診時での検査を努め迅速に診断・治療

当院のSASの患者さんは、働き盛りの年代の方も少なくありません。当院は予約なしで受診されてもおおむねその日のうちに簡易検査を行えるよう努めていますので、仕事がある方もほとんど休まず検査に臨んでいただけます。ぜひお気軽にご来院ください。1泊の入院検査が必要な場合も、当院ではおおむね初診の翌週には実施可能です。検査の結果、異常がなければ安心していただけるかと思います。SASにり患している場合は、治療を行わないでいると全身に影響が及ぶといわれています。狭心症や心筋梗塞、認知症や精神的な問題にもつながり、生活の質を下げてしまう可能性もあります。少しでも気になる症状があれば、受診をご検討ください。

- 公開日:2024年10月30日
- 最終更新日:2026年5月26日
