しーいーえー

CEA

正式名称
癌胎児性抗原
消化器全般
血液検査
血液を採取し、その中に含まれる物質などを測定する検査です。
鑑別診断
この検査だけで病名を確定することはできませんが、異常の有無やどのような病気が考えられるかなどを知ることができるものです。検査結果に応じて、さらに検査が追加される場合があります。
フォローアップ
治療の効果や、病気の経過を知るために行われる検査です。定期的に繰り返して実施されることもあります。
スクリーニング
ある特定の病気について、その可能性があるかどうかを広く知るために行われる検査です。具体的な診断をするためにはさらなる検査を必要とします。また、健康診断などで用いられることもあります。
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基準値・基準範囲(出典元:エスアールエル詳細)

※検査機関・検査方法によって異なる場合があります。

  • 5.0ng/mL以下

がんの存在を示す目印になる物質を総称して腫瘍マーカーといいます。CEA(癌胎児性抗原)は腫瘍マーカーのひとつで、大腸がんや肺がん、すい臓がん、胆道がんなど、さまざまな消化器系のがんの診断に用いられています。また、がんの治療中の経過観察や治療効果を判定する目的で測定されることもあります。

CEAは胎児の早期の受精卵細胞と共通するタンパク物質で、胎児の消化管には比較的多くありますが、成人健常者の体内にはわずかしか存在しません。成人の場合、消化器系のがんが発生するとCEAが作られるようになるため、CEAが高値を示す場合には消化器系のがんの可能性が疑われます。

しかし、がんがあってもCEAが上昇しない場合や、炎症性の消化管疾患、肝硬変、腎不全、糖尿病など他の病気の影響で高値を示す場合もあります。また、高齢者や喫煙者では特に病気でなくても高値になることもあります。そのため、CEA単独では診断を下すことはできず、あくまで診断の補助として用いられます。

がんが発生しても自覚症状がないことも多くあります。

しかし、たとえば大腸がんなら腹痛、吐き気・嘔吐、便秘もしくは下痢、血便など、肺がんであれば咳や血痰、胸痛、息切れなどが現れる場合もあります。

こういったがんが疑われる症状がある場合や、他の検査でがんが疑われる場合にCEAの測定が行われることがあります。また、健康診断や人間ドックのオプションに含まれていることも多く、希望すれば検査を受けることができます。

ただし、CEAは偽陰性・偽陽性になる場合もあるため、CEA単独でがんの有無を判断することはできません。また、CEAは診断目的だけでなく、がんの治療中の経過観察や治療効果を判定する目的で測定されることもあります。

食事や運動の影響を受けない検査のため、検査前に注意すべきことは特にありません。

検査前に心がけるとよいこと

CEAは血液検査によって測定します。採血は主に腕の静脈から行うため、袖まわりにゆとりのある服装、着脱しやすい服装で検査に臨むようにしましょう。

検査にかかる時間は、一般的な血液検査と同様に数分程度であることがほとんどです。痛みも採血時にチクっと痛みを感じる程度で済むと考えられます。

CEAの基準値は5.0ng/mL以下が一般的です。この数値よりも高い場合にがんの可能性が疑われ、CEAは腫瘍の大きさを反映して増減するとされています。ただし、基準値は検査方法や検査機関によって異なる場合があります。

CEAが高値を示すとがんの存在が疑われますが、これだけで診断を下すことはできません。診断を確定するためには精密検査が必要です。

精密検査で行われることが多いものに、超音波検査、内視鏡検査、CTやMRI、病理検査(生検)があります。どのような検査が実施されるかは、疑われるがんの種類によって異なります。

また、CEAはがん患者さんの治療中に測定されることもあります。この場合には主に経過観察や治療効果の判定を目的として測定され、以前よりも数値が下がっていれば治療効果が出ているといった判断の手がかりにすることができます。しかし、CEAだけで判断することはできないため、通常は他の腫瘍マーカーや画像検査などと併せて総合的に判断されます。CEAが異常値を示し続けていても治療効果が出ていないと決めつけることはできないため、CEAの数値だけで自己判断せず、治療中の経過については医師からの説明をよく聞くようにしましょう。

がんの診断を確定するためには精密検査が必要不可欠です。CEAの結果から要精密検査となった場合には、忘れずに検査を受けるようにしましょう。精密検査でがんの存在が否定された場合でも安心せず、定期的にがん検診を受けて早期発見に努めましょう。

がんの存在が確認された場合には治療が検討されます。治療方法については医師とよく相談したうえで選択するようにし、治療を受ける場合には医師の指示に従って自己判断で中断することのないようにしましょう。

本記事で採用している検査名称はより一般的な表現を採用しておりますが、医療機関や検査機関によって異なる場合があります。また名称が異なる場合、検査内容も一部異なっている場合があります。