編集部記事

あせもは大人でも発症する~大人のあせもの治し方や薬の選び方~

あせもは大人でも発症する~大人のあせもの治し方や薬の選び方~
内田 敬久 先生

うちだ皮膚科クリニック 院長

内田 敬久 先生

目次
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あせもとは、汚れやほこりなどが汗の出口で詰まり炎症を起こすことによって、発疹かゆみが生じる病気です。医学的には“汗疹(かんしん)”とも呼ばれます。あせもは赤ちゃんや子どもによく見られますが、大人でも生じる可能性があります。本記事では、大人のあせもの治し方や薬の選び方についてお伝えします。

あせもの治し方の基本は、汗をかきすぎないように心がけ、皮膚を清潔・健康に保つことです。そうすることで、通常は数日~1週間程度で発疹かゆみなどの症状が和らぎ、あせもが治るといわれています。

しかし、あせもの症状がひどいときは、薬の使用も検討しましょう。あせもの薬には、パウダータイプやクリームタイプなどさまざまな種類があり、症状や年齢などによって使用できる種類が異なります。そのため、病院を受診せずに市販薬を使用したい場合は、薬剤師に相談して薬を選ぶとよいでしょう。

あせもに市販薬を使用しても発疹・かゆみなどの症状が治まらない場合、病院の受診を検討しましょう。

あせもは数日~1週間程度で治ることが多い病気です。しかし、掻きすぎて掻き傷を作ってしまうと、そこから細菌感染が生じたり、発疹が悪化し水ぶくれになったりする場合もあります。それが破れた際に“とびひ”という別の皮膚の病気を招く場合があり、発疹・かゆみがなかなか治まらなくなることもあります。また、あせもだと思っていた症状が、実際には違う皮膚の病気であることも考えられるため、気になるときは皮膚科を受診するとよいでしょう。

あせもの治し方は、大人でも子どもでも違いはありません。汗をかきすぎないように心がけ、皮膚を清潔・健康に保つことが重要です。

あせもの症状が現れたら、汗をかきすぎないよう注意しましょう。あせもは汗の出口となる導管(どうかん)が汚れやほこりなどによって詰まって生じる病気です。そのため、汗をかきすぎたりかいた汗を放置したりすると、あせもの症状が悪化してしまう場合があります。

そのため夏の暑い日には、エアコンなどで空調管理を行い、汗をかきすぎないようにしましょう。速乾性のある下着などを着用し、かいた汗がすぐ乾くように工夫するのも効果的です。なお、暖房が効きすぎていたり厚着をしすぎてしまったりすると、冬でも汗をかいてあせもになることがあるので、冬は温度調節のしやすい衣服を着るとよいでしょう。

あせもは患部が汚れていたり、汗でベタついている状態が続いたりすると悪化してしまいます。そのため、汗をかいたら必ずすぐに拭き取るようにし、こまめにシャワーを浴びるなど、意識的に皮膚の清潔を保ちましょう。汗を拭き取る際は、清潔なタオルを少し湿らせたもので優しく拭き取ることで、肌を傷つけずに汗の成分や汚れを落とすことができます。

あせもが生じた際は、患部のベタつきを抑え、適度に乾燥させることで症状が改善します。汗をかきやすく、ベタつきが生じやすい(わき)の下や内ももなどにあせもが生じたときは、ボディーパウダーや制汗剤などを使用して肌の乾燥を保つとよいでしょう。

一方、乾燥しすぎていても肌が敏感になりやすく、あせもになってしまうことがあります。そのため、肌の乾燥を感じたときは、シャワーを浴びた後など肌が清潔な状態になってから、保湿剤を塗るとよいでしょう。保湿剤は、クリームや軟膏タイプでは逆に汗を閉じ込めてしまいあせもが悪化する場合があるので、適度に保湿する乳液タイプがよいでしょう。

あせもは、大人も子どもも同様に汗をかいてそのまま放置することによって生じます。

たとえば、大人があせもになる原因のひとつには肥満・寝たきりなどが挙げられます。肥満の方は、汗をかきやすいため皮膚同士が重なる腋の下や内ももなどにあせもが生じやすいとされています。一方、寝たきりの人など一日中同じ体勢をしている人の場合も汗をかいた背中がベッドと密着したまま長時間過ごすことになるため、背中にあせもが生じることがあります。

また、女性で胸の大きい方は乳房の下方が擦れてあせもになりやすい傾向にあります。

その他にも、アトピー性皮膚炎など皮膚の病気を持っていたり、乾燥肌などで元々肌が弱かったりするとあせもになりやすいため、該当する方は日頃から温度管理や肌の清潔・健康を保つよう心がけるとよいでしょう。

あせもは、大人であっても汗をかいたまま放置することによって生じる可能性がありますが、適切な対策を行い場合によっては市販薬を使用することによって、症状の緩和が期待できます。汗をかきすぎないよう心がけ、肌を清潔・健康に保っていても症状がよくならない場合には、病院を受診することを検討しましょう。また、市販薬を購入する際は、薬剤師に相談して症状・年齢に合った薬を選ぶようにしましょう。

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