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子宮がんの概要――子宮頸がんと子宮体がんについて解説

子宮がんの概要――子宮頸がんと子宮体がんについて解説
冨尾 賢介 先生

国立国際医療研究センター病院 第二婦人科 医長

冨尾 賢介 先生

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子宮にできるがんである子宮頸(しきゅうけい)がんと子宮体がん。これら2つのがんの原因や症状などの違いについてご存じない方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、がんは早期発見・早期治療が大切ですから、病気の兆候を見逃さないためにも症状についてはしっかりと理解しておく必要があるでしょう。

今回は、子宮頸がんと子宮体がんの概要や症状などについて、国立国際医療研究センター病院 産婦人科において第二婦人科医長を務める冨尾 賢介(とみお けんすけ)先生にお話を伺いました。

子宮がんは、子宮の出入り口付近(子宮頸部)にできる“子宮頸がん”と、子宮の奥(子宮体部)にできる“子宮体がん”の2つに大きく分けられます。いずれも子宮にできるがんですがまったく異なる病気です。

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画像提供:PIXTA

子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因で起きているということが明らかになっています。HPVは性交渉によって感染するウイルスであるため、性交渉の経験や複数回お産の経験がある方などがかかるリスクが高いと考えられています。なお、子宮頸がんは30歳代から40歳代に多い病気ですが、近年20歳代にも患者さんが増えているため注意が必要です。

子宮体がんの発生にはエストロゲンという女性ホルモンが影響しており、50歳代から60歳代の女性に多くみられる病気です。もちろん個人差はありますが、お産を経験したことがない方、多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)(排卵しにくくなり、ホルモンバランスに異常をきたす病気)や月経不順の方は子宮体がんになりやすいといわれています。また、肥満や糖尿病も発症リスクになると考えられています。

子宮頸部異形成(子宮頸がんの前段階の病変)や、初期の子宮頸がんでは無症状であることが多いです。子宮頸がんが進行すると不正性器出血、いわゆる月経とは異なる時期に腟から出血がみられます。不正性器出血の原因は月経不順やほかの病気である可能性もありますが、子宮頸がんが進行している可能性もあるため、不正性器出血が1度でもあった方は速やかに婦人科を受診するようにしてください。

子宮体がんの主な症状は不正性器出血です。子宮体がんの場合、早期から不正性器出血をきたしやすいため、出血があってから受診しても多くの場合は病気の予後はあまり変わらないといわれています。こういった病気の特性から、子宮体がん検診は定期的に実施されてはいませんが、出血や今までにない帯下(たいげ)(おりもの)などの症状がみられたときは、早めに婦人科を受診していただければと思います。

見つかった段階でがんが進行していると、治療選択肢が限られてきます。子宮頸がんは進行していると特に治療による患者さんの負担がどうしても大きくなってしまうので、早期に見つけて早期に治療を開始することが大切です。子宮頸がんは初期には症状が出ないこともありますから、20歳以上の方は2年に1度の子宮頸がんの検診を受け、不正性器出血がみられた場合には婦人科をなるべく早く受診して早期発見に努めていただけると幸いです。

子宮頸がんは性交渉がきっかけでHPVに感染するため、性交渉の頻度が高いとかかりやすいと思っている方がいらっしゃいますが、そうではないケースも多くあります。性交渉によって感染することは確かですが、一般的な性感染症とは異なるため、そういった誤解がないように正しい知識を持っていただきたいです。

子宮頸がんの予防に効果があるHPVワクチンは接種していただきたいものですが、一方でさまざまな考えの方がいらっしゃることも事実です。子宮頸がんの予防に効果があるHPVワクチンについても正しい理解が進み、予防につながることを願っています。

また、先ほどお話ししたように、子宮体がんでは肥満や糖尿病が発症リスクに挙げられています。予防という観点から、適度な運動や食生活の適正化など、生活習慣の改善に取り組みましょう。

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