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ウィーバー症候群
ウィーバー症候群とは、体の成長が異常に早いことで特徴付けられる、先天性遺伝性疾患を指します。成長の早さは胎児期の頃から認め、出生後も持続します。そのほかの症状として、筋緊張が強く関節拘縮を起こし...
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ウィーバー症候群うぃーばーしょうこうぐん

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

ウィーバー症候群とは、体の成長が異常に早いことで特徴付けられる、先天性遺伝性疾患を指します。成長の早さは胎児期の頃から認め、出生後も持続します。そのほかの症状として、筋緊張が強く関節拘縮を起こしたり、運動精神発達成で遅れを示したりします。ウィーバー症候群のお子さんは、鳴き声が低いという特徴も呈します。
日本においてウィーバー症候群は、難病および小児慢性特定疾病に指定されています。その頻度は正確な報告はありませんが、全世界で50例ほどと推定されています。生命予後自体は病気を持たない方と比べても遜色はなく、症状に合わせた対症療法が行われることになります。

原因

ウィーバー症候群の原因は、EZH2と呼ばれる遺伝子異常により引き起こされると考えられています。EZH2遺伝子は、「ヒストンメチルトランスフェラーゼ」と呼ばれる酵素を産生するのに重要な遺伝子です。
遺伝子情報が含まれるDNAは、細胞のなかで「ヒストン」と呼ばれる物質と結合して存在しています。DNA上の遺伝子情報が利用されるかどうかは、ヒストンが調整していることが知られていますが、これにはヒストンに対しての「メチル化」と呼ばれる反応が深く関与しています。すなわち、ヒストンに対してメチル化が生じるとDNA上の遺伝子情報にブレーキがかかり、遺伝子が利用されずに活動しないようにストップがかかります。ヒストンに対してのメチル化を調整するに当たり、ヒストンメチルトランスフェラーゼが重要な役割を果たしています。
ウィーバー症候群ではEZH2遺伝子に異常を認めるため、ヒストンメチルトランスフェラーゼに関連しての遺伝子情報の調整がうまくいかなくなります。その結果、ウィーバー症候群が発症することになります。
ウィーバー症候群の発症は、家族例のない弧発例であることがほとんどです。また、EZH2遺伝子の異常を有する親御さんから遺伝する例もあり、その遺伝形式は「常染色体優性遺伝」であると報告されています。この遺伝形式では、半数の確率でお子さんが同様の病気を発症することになります。

症状

ウィーバー症候群の症状の特徴は、出生前から指摘することができる「成長の早さ」です。身長や体重が同年代のお子さんと比較しても大きいです。見た目の成長の早さと関連して、骨の成長も早いです。筋緊張が亢進するお子さんも多く、関節の変形につながります。関節の変形は、指先や脊柱にも見られることになります。
指にも特徴が生じることが知られており、常時指が曲がっている状態になります。指の腹も大きく突出しており、爪の生え際も通常よりも深くそして爪も薄い傾向があります。
そのほか、後頭部は平坦であり、大きな耳、長い鼻中、眼間開離を伴う特徴的な顔貌をともないます。さらに、短頭をともなう大頭症、低い泣き声、小顎症、顎と下唇の間に水平な皺も特徴です。
以上のような外見上の特徴以外に、精神発達に遅れが見ることもあります。また脳の構造にも異常を来すことがあり、てんかんを発症することもあります。さらに、臍帯ヘルニアや悪性腫瘍(代表的には神経芽細胞腫)を合併もしくは続発することがあることも知られています。

検査・診断

ウィーバー症候群の診断は、上記に述べたような症状を確認することが大切です。特に重要な臨床症状は、身体の成長が早い、骨の成長が早い、顔貌・頭の見た目の特徴、精神発達遅滞です。また診断に際して、EZH2遺伝子の異常を検索するための遺伝子検査が行われることもあります。
脳に関連した構造異常を確認するために、頭部MRIが行われることもあります。てんかんを発症する際には、脳波も併用されます。さらに悪性腫瘍を合併することもあるため、確定診断のための病理学的検査、病状の進行具合を評価するための各種血液、画像検査等が行われることもあります。
また関節の拘縮、骨の変形を見ることがあるため、レントゲン写真が行われることもあります。

治療

ウィーバー症候群に対しての根本的な治療方法は存在しません。発症する症状にあわせた治療が適宜行われることになります。精神発達遅滞については、理学・作業・言語療法を行います。屈指、関節拘縮、側弯については、整形外科的な治療を考慮します。てんかんを発症することもあるため、その場合にはてんかんのタイプに応じた抗てんかん薬が適応になります。悪性腫瘍を合併した際には、病気の種類、病状の進行程度に応じて適宜化学療法、放射線療法、手術などが検討されることになります。
ウィーバー症候群の生命予後は、病気を有さない方と比べても遜色ないことが期待できます。遺伝性疾患の側面を持つ病気でもあるため、遺伝カウンセリングの介入が必要となることもあります。