ぱらこーとちゅうどく

パラコート中毒

最終更新日:
2018年09月05日
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2018/09/05
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概要

パラコート中毒とは、除草剤として使用されるパラコートによって引き起こされる中毒のことです。

パラコートを摂取すると、腎不全や消化管穿孔、肺線維症などの重篤な状態が引き起こされる危険性が高いです。中毒を発症した際は、パラコートに対する解毒剤が存在しないため、対症療法が中心となります。

原因

パラコートは除草剤として使用されますが、消化管や皮膚、気道から体内に吸収されることで中毒症状を引き起こします。

パラコートは、飲料水などと間違って意図せず摂取してしまうことなどにより、人の体内に取り込まれます。

また、パラコートは皮膚や気道を介して体内に取り込まれる性質があることから、密閉空間での使用や、マスクを着用せずに散布することなどにより、パラコート中毒を症状することがあります。

パラコートは、体内に入り込むと細胞に蓄積する性質があります。そのため、細胞内のタンパク質やDNAなど、生命活動に必要不可欠なものが著しく障害を受けてしまい、パラコート中毒を発症することになります。

症状

パラコート中毒では、体内に摂取されたパラコートの容量によって症状の出現様式が異なります。

摂取されたパラコートが少量である場合には、吐き気や嘔吐、全身倦怠感などが出現します。中等量である場合、摂取直後の嘔吐から始まり、時間経過とともに下痢や腹痛、口の中のただれや潰瘍形成などが生じます。腎機能障害や肝機能障害が進行し、肺線維症(咳や痰が出て呼吸困難に陥る)から死に至ることもあります。

致死量のパラコートを一気に摂取した際には、急速な経過で状態が悪化し、最悪の場合数時間で亡くなるこもあります。

検査・診断

パラコート中毒が疑われる場合には、パラコートを摂取した状況や摂取量、症状、経過などを確認します。

経過とともに腎障害や肝障害、呼吸障害が進行するため、血液検査、血液ガス測定、尿検査、胸部単純レントゲン写真、胸部CTなどの検査が適宜検討されます。

状況によっては、尿や血液を用いてパラコートの濃度を測定することもあります。

治療

パラコートに対する解毒剤は存在しないため、治療は対症療法が中心となります。急速な経過で症状が重篤化するため、迅速な対応が必要です。

具体的には、腸管内に入ったパラコートが体内に吸収されないように、活性炭やポリスチレンスルホン酸ナトリウムなどを用いて、腸管内を持続的に洗浄します。また、尿を介してパラコート排泄を促すために、大量輸液を行ったり昇圧剤を使用したりします。

治療期間中には、電解質バランスの変動、腎機能や呼吸機能の低下をみることもあるため、適宜、血液透析や気管挿管を行なったうえで人工呼吸管理なども行われます。

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