クリップする
URLを入力して
記事をクリップしましょう
指定された URL のページが見つかりません
Nerve
ポリオ
ポリオとは、ポリオウイルスによって引き起こされ、手足に急性麻痺が現れる病気です。かつては小児期の麻痺性疾患として代表的な病気であったことから、小児まひという別名が使われることもあります。 ...
クリップに失敗しました
クリップ とは
記事にコメントをつけて保存することが出来ます。検索機能であとで検索しやすいキーワードをつけたり、読み返し用のメモを入れておくと便利です。
また、記事を読んで疑問に思ったこと、わからないことなどをコメントに書き、「医療チームのコメントを許可する」を選んで頂いた場合は、医師や看護師が解説をメールにてお送りする場合があります。
※ クリップ内容は外部に公開されません
神経

ポリオぽりお

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
掲載しました。
閉じる

概要

ポリオとは、ポリオウイルスによって引き起こされ、手足に急性麻痺が現れる病気です。かつては小児期の麻痺性疾患として代表的な病気であったことから、小児まひという別名が使われることもあります。

過去の日本では、ポリオが社会的な問題となっていました。しかし、1961年にポリオ生ワクチンが登場し、全国で集団接種が開始されて以降、患者数が激減しています。日本国内では1980年に1人の発症があったのを最後に、この病気を新たに発症された方は確認されていないといわれています。一方、世界に目を向けると、パキスタン、アフガニスタン、ナイジェリアでは流行が続いています。(2017年時点)

ポリオを発症した場合、現在の医療技術では完全に麻痺を治すことは困難です。そのため、ワクチン接種による予防が何よりも重要であり、定期接種が導入されている乳幼児はもちろん、流行地域へ渡航する際にも予防接種を受けることが推奨されています。

原因

ポリオウイルスに感染することで発症します。ポリオウイルスはエンテロウイルスの一種であり、ヘルパンギーナや手足口病を引き起こすコクサッキーウイルスやエコーウイルスなどの仲間です。エンテロウイルスは、便に含まれるウイルスを摂取すること(糞便感染)や、タオルやドアノブなどに接触することを介して(接触感染)広がることが知られており、ポリオウイルスも同様の感染経路を辿って感染します。また、一度ポリオウイルスに感染すると、症状がなくても数週間ウイルスが便中に排泄され続けます。

ポリオウイルスは体内に侵入すると、咽頭や腸管で増殖します。その後、血流にのって全身に広がり、脊髄前角細胞を障害することが多くなっています。脊髄前角細胞は手足を動かす際に、電気信号を送る神経細胞が密集した部位です。そのため、脊髄前角細胞が障害されることでポリオに特徴的な麻痺症状が出現するようになります。

環境衛生上重要な点は、ポリオウイルス感染者すべてに麻痺症状が現れるわけではないという点です。つまり、本人が無症状であったとしても、感染者がポリオウイルスを排泄し続ける危険性を伴っており、周囲に感染が広がる可能性があります。そのため、ポリオウイルスが地域から完全に排除されたと宣言するためには、発症者がいないというだけでは不十分なこともあります。

症状

ポリオウイルスに感染すると1〜2週間程度で、ポリオに伴う症状が現れます。感染者の一部に、発熱やのどの痛みといった風邪のような症状が現れるとされていますが、これらは数日で治まり、普段通り生活できてしまうことがほとんどといわれています。

ただし、一部の症例では、風邪症状が消えた数日後に再度発熱や嘔吐が生じ、首や背中の痛み、手足の痛み、それに続いて麻痺が現れるようになります。ポリオに特徴的な麻痺は、急速に筋力の症状が出現し数日で病状が完成するというものです。特に下肢(かし)の運動を司る神経細胞が障害されることが多いため、下半身に麻痺が生じることが多いです。なかには呼吸に関係する神経が障害されるケースもあり、人工的に呼吸を補助しなければ死に至るケースもあります。

検査・診断

もっとも確実な検査は、ウイルスの混入が疑われる組織(髄液など)にポリオウイルスの遺伝子が存在するかを確認するPCRという検査です。そのほか、便からウイルスを分離してポリオウイルスを同定するウイルス分離という方法がとられることもあります。感染から数週間は、便中からポリオウイルスを検出できるとされています。

血液検査によってポリオウイルスに対しての抗体を検出することもありますが、これはあくまでも補助的な診断方法としての位置付けに留まります。

治療

2017年現在、ポリオに有効とされる治療はありません。呼吸に必要な筋肉に麻痺が生じると、人工呼吸器が必要となることもあります。後遺症として一部に麻痺が残った場合は、後遺症のない部分の身体機能を最大限活用して生活を送れるよう、リハビリテーションが行われます。

これらの治療方法は、あくまでも残された機能を最大限活用するというアプローチであり、ポリオに対してもっとも有効かつ重要とされるアプローチは、ワクチンを予防接種することです。ポリオに対する予防接種は非常に高い効果が期待でき、日本を含めワクチン接種が制度化されている国では、長期にわたり発症数がゼロとなっています。日本では四種混合ワクチンとポリオ単独の注射ワクチンがあります。

ポリオの記事を読む

ポリオの記事にご協力いただいている医師