たししょう

多指症

最終更新日:
2023年09月28日
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2023/09/28
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2023/08/24
更新しました
2017/04/25
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概要

多指症(たししょう)とは、生まれつき手の指、足の指の数が多いことをいいます。足の指に生じた多指症は、“多趾症(たししょう)”と記載されることもあります。多指症は生まれつき生じる手足の異常の中で頻度が高く、生まれる赤ちゃんの1,000〜2,000人に1人程度の割合で発生するといわれています。手の指では親指の異常が、足の指では小指の異常が多い傾向にあります。

胎児の腕や手は胎生4〜7週目にかけて形成され、その1週間後に足が形成されるといわれています。手はまずしゃもじのような形状で発生し、その後、先端が分かれて5本の独立した指と手のひらが形成されます。先端が分かれる際に、通常より多く裂け目が生じた場合、指の数が多くなり多指症となります。多指症は、出生前の超音波検査で発見されることもあれば、出生後にはじめて分かることもあります。

原因

前述のとおり、多指症は胎児期に手足の指が作られる過程で、指が多く作られる病気です。時にほかの生まれつきの異常と合併して生じることもあります。指が多く作られる現象を引き起こす原因については、解明されていません。

症状

多指症では、手足の指の数が通常よりも多くなります。過剰な指の形状は人によってさまざまで、ほかの指と完全に分離しているもの(中手骨型(ちゅうしゅこつがた))や、ほかの指と一部骨や関節が共有されているもの(末節骨型(まつせつこつがた))、内部に骨がなく、小さないぼのように付いているもの(浮遊母指)などがあります。

多指症であっても過剰な指の形状によっては整容面の問題のみにとどまり、ものを掴んだり、歩いたりする機能には特に問題がない場合もあります。過剰な指がほかの指と骨や関節などを共有している場合、指を曲げたり、伸ばしたりする際に支障が生じることがあります。

検査・診断

多指症をはじめとする手足の生まれつきの異常は、妊婦健診の超音波検査で生まれる前に発見されることもありますが、生まれてからはじめて異常が分かることもあります。症状は人によって異なるため、多指症であることが分かった場合、X線検査などを行ってより詳細な状態を確認します。骨や(けん)、皮膚の状態を把握したうえで、治療方針や治療の時期などを検討します。

治療

多指症では、全身麻酔による手術治療が検討されます。全身麻酔が必要となるほか、乳児の手足の成長は著しく、変化も生じやすいことから、手術はある程度成長を待ってから行われます。症状によって推奨される手術時期は異なりますが、一般的には1歳前後での手術が検討されます。

手術治療

多指症の手術は、過剰な指の形状や正常な指の状態などによって方法が異なります。過剰な指が小さく、ほかの指と骨や関節を共有していない場合には、過剰な指の切除を行うことが一般的です。しかし過剰な指と正常な指が骨や関節を共有しており、大きさや機能もほとんど変わらないという場合などには、2本の指を半分ずつ切除して合わせることにより、1本の指を作り出すこともあります。このような場合、指が正常に動くよう、骨を切って軸を調節したり、腱や筋肉の位置を移し替えたりするなど、複雑な手術が必要となります。子どもに行う手術のため、将来の成長を見越して大きめに指を再建することもあります。

傷跡については目立たないよう配慮のうえ手術が行われますが、爪の変形が生じる場合もあります。その際は、修正手術を行うことにより自然な見た目に整えることが可能です。

術後の注意点

治療後は整容面・機能面ともに改善し、多くの場合で日常生活を支障なく送れます。しかし、中には成長とともに指の変形がみられることもあり、追加手術が検討される場合があります。気になる症状があれば、医療機関の受診を検討しましょう。

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